862 大和和紀「あさきゆめみし」 [Apr 28, 2006]

スケバン刑事の後だから(注.この記事は、スケバン刑事のすぐ後に掲載しました)、大和和紀(やまと・わき)である。もちろん、南野陽子つながりである。この作品は1979年からmimi連載。完結したのは90年代に入ってから。

少女マンガ系の雑誌の中で全く買わなかったのが、講談社のフレンド系(少女フレンド、なかよしなど)である。というのは、”キャンディ・キャンディ”や里中満智子の説教臭い作品(とはいっても、あした輝くとかアリエスの乙女とかは買った。一応)が好きではなかったからだ。そうした中で、例外的に好きだった作者も何人かいて、大和和紀はその中のひとりである。

映画化された「はいからさんが通る」(南野陽子主演)や「アラミス’78」(78ですよ!なんて昔・・・)など、フレンド系としては例外的にあか抜けた、体制的でない作品が目立っていたのだが、アラミスと並行して連載が始まり、結局のところこの作品が彼女のライフワークとなった。

あらすじについては、あえて説明する必要はない。「源氏物語」の忠実なマンガ化である。桐壺から始まって夢浮橋に終るまで、原作の主要人物、主要エピソードのほとんどが網羅されている。いまどき原文で源氏物語を読む人はいないだろうし、瀬戸内寂聴はじめ現代語訳も数々あるが、源氏物語の全体像を把握するのには最も適したテキストといえる。

登場人物の顔がどれも似てしまうのは、原作でもみんな親戚だからやむを得ないところか。また、主上(天皇)に在任中から諡号(おくり名)が付いていること(朱雀帝、冷泉帝等の諡号は原作に登場せず、後世の研究者がそう呼んだだけ)など、やむを得ないのではあるけれどもちょっとなぁといった不満な点はあるが、それぞれそれらしく描かれているし(末摘花とか)、大和和紀の解釈もさりげなく加えられていて、全体としてみると非常によくできたリメイクだと思う。

TVドラマも時々作られるが、ちょうどこの作品が始まった頃、向田邦子脚本・沢田研二主演でのドラマ化はとてもよくできていたのを思い出す。ちなみに、私が原文を読んだのは受験の時、「桐壺」とか「若紫」とか「須磨」「明石」とか出そうなところをちらちら見ただけだが、なぜか家には全巻そろって置いてある。定年後ヒマになったらぜひ読みたいものである。


フレンド系で結局勝ち残ったのはこの方だったようです。先日読売新聞で「はいからさん」のイラストが載っていてびっくりしました。

[Apr 28, 2006]