866 和田慎二「スケバン刑事」 [Apr 12, 2006]

念のためだが、「スケバンけいじ」ではなく「スケバンデカ」と読む。1970年代後半の「花とゆめ」連載。

実はこの作品、連載時にはあまり好きではなかった。ちなみに、同時期の花とゆめ連載には「ガラスの仮面」もあるのだが、これもあまり好きではない。当時としても、10年ほどは絵が古かったからである。個人的には三原順の「はみだしっ子シリーズ」(キャロママさんご推薦)や山岸涼子の「アラベスク第二部」「妖精王」を読むために買っていたようなものである。

死刑囚の母親の執行を延期するために警察の手先となる麻宮サキ。当時スケバンの定番だった長いスカートで鋼鉄製のヨーヨー(桜の代紋入りである)を手に、陰謀渦巻く学園に単騎乗り込んでいくというアクション作品。作者も男性だが、作品自体も少女マンガとはほど遠い。続編では女子少年院に侵入し、そこから脱出するというくだりがあり、回転する巨大なゴミシュレッダーの刃をくぐり抜けていくあたりは、なかなかの迫力である。

しかし、彼女のボスは暗闇警視というのだが、警視というくらいだから警視庁か県警の中間管理職。それが、法務大臣並みに死刑執行の延期までできるというのだから、現実離れしている。ましてや、相棒の神恭一郎は探偵である。せめて検察関係者がいないと、話が破綻してやしないか?車が向かってきても爆発が起こってもケガひとつしないのはご愛嬌としても、そもそも絵がかわいくないのは許せないところであった。

その原作のイメージを受け継いでドラマ化したのがフジテレビであり、初代麻宮サキは斉藤由貴であった。だが、原作に比較的忠実だったのはここまでで、2作目が南野陽子の「鉄仮面」、3作目が(浅香)唯、(中村)由真、(大西)結花の「3姉妹」で、新作が発表されるたびに原作とはかけ離れていくのは、それはそれなりにおもしろい(原作者の和田慎二が怒ってそれ以降の映像化をさせなかったという噂がある)。

今回、どうやらあややで再び映像化されるらしい。原作の麻宮サキのイメージ(なんたって母親が死刑囚である。しかもほとんど同情の余地がない)からするとどうにもイメージに合わないが、ああいうキャラクター自体、東京オリンピックとかそのあたり(なにしろ原作の最初の作品が、東京タワー建設前の風景画を盗用したのを見抜くというものである)のイメージなので、誰がやってもそぐわないような気がする。


テレビドラマ化で一気に人気が出た作品。原作のイメージに近いのは、やっぱり斉藤由貴かなあ。

[Apr 12, 2006]