120 SHIMADA, Shinya「トーナメントポーカー入門」 [May 10,2011]

先日AJPCシニアに出ていたら、め社長から「これをどこかに貼れ!」とポーカーチャンネルの販促シールを渡された。宣伝しておいて自分で見ないのも何なので、さっそく行ってみた。表紙にこの本の宣伝が載っていたので、思わず注文してしまった。注文してから、題名が「ポーカーの高速道路とけものみち」ではないことに気がついた。

著者のSHIMADA氏は、昔JPLから上野ルームに来ていた方なのでお顔は存じ上げているのだが、あまりがんがんに勝負した記憶がない。若い方なのでおそらくルーズ・アグレッシブの勢い勝負という印象を勝手に持っていたのだけれど、そうではなくて理論派なのはこの本を読むとよく分かる。

ページをめくるとまず、日本人賞金チャンプのMotoさんが推薦のことばを述べられている。ご指摘のとおり、著者がわが国のポーカーのために一肌脱ごうという男気はすばらしい。話は飛ぶけれど、Motoさんはすでに伝説のプレイヤーの仲間入りを果たしているのではないかと思う(Aクワッドvsストフラの名勝負もあるし)。

さて、著者は「入門書」を名乗っているけれど、この本は基本的にIntroductionではなく、Strategyについて書かれている。だから、役とかポーカーのルールとか、基本的な用語を説明してはいない。関心の方向も、考えてゲームをする人のものである。だから、ある程度の戦績を積んでからでないと、分かりにくいところがあるかもしれない。

書かれていることも最新の研究を踏まえているので、非常に勉強になる。特にCSIとリスチールハンド、パワーポイントじゃなくてパワーナンバーといった説明は、あちらの英文書籍で見たことはあるけれどおそらく本邦初公開のはずで、この本からスタートする人にとって、まさに「ポーカーの高速道路」ということになるだろう。

一方で留意して読まなければならないのは、基本的にアグレッシブな作戦について書かれているということである。生物学の適者生存のシミュレーションと同様、アグレッシブな作戦はコンサバティブないしパッシブが支配的な集団の中で最大の成果をあげるものであり、アグレッシブが多くなると期待値が下がることになる。

この本でもちらっと触れられているが、レイズ、リレイズ、オールインとなってカードオープンしてみたらA8とKQなどという場面を、それも100-200くらいの序盤戦で見かけることがある。もちろんそれで両者が楽しければコメントする必要はないが、それを作戦としてやっているとなると、若干の違和感がないとはいえない。

その意味で私についていえば、ポーカーというゲームをもう少しメンタルに考えているということになるのかもしれない。

それにしても、著者がテキサスホールデムを知ったのは2004年夏とのこと。思えばリゾカジ・ラスベガスオフでのポーカー教室は、忘れもしない2004年9月(ホプキンスvsデラホーヤの試合の日)であった。リゾカジマスターという方は先見の明があったということであろう。

 

[May 10,2011]