061 大岳山 [May 28, 2017]


この図表はカシミール3Dにより作成しています。

 

ゴールデンウィークに高原山を歩いたが、標高差がそれほどなかったので足も痛くならなかった。そろそろ本格的に歩かなければならないと思って考えてみたら、しばらく奥多摩に行っていないことに気がついた。奥多摩では、以前登った鋸山に再挑戦するつもりでいたのに、あれからかなり経つ。という訳で、大岳山から鋸山のコースを歩いてみることにした。

昨年は単身赴任でごたごたしていて、奥多摩は2年振りである。家を始発で出ると御嶽止まりとうろ覚えで記憶していたのだが、ダイヤ改正で奥多摩まで行けるようになったようだ。青梅ではホームをひとつ増設工事中であったから、あるいは電車を増やす方針なのかもしれない。いずれにせよ、ホリデー快速より早く御嶽に着くことができた。

とはいえ、ケーブル駅行きのバスはホリデー快速を待って発車するので、時間的には全く変わらない。バスに座って乗れただけよかったのかもしれない。バスもケーブルも満員だったのは、好天の休日だからだろう。この後、人の多さに辟易することになるのを、この時点で想像できなかったのは迂闊なことでした。

ケーブルカーで御岳駅まで登ったのは8時40分。ケーブル駅前の商店街、御嶽神社の門前街を抜けて、かなりの急傾斜を登って行く。細い道を時折り軽乗用車が通る。地元の方だろう。ここから麓まで車で下りて行けるのだろうか。軽自動車なら、ケーブルカーの下を通っている登山道を通れるのだろうかなどと考える。その後は石段である。

15分ほど登って御嶽神社正殿。すでに汗が噴き出している。正殿前では、蔵王権現の特別公開が行われていた。蔵王権現を重視しているということは、もともと修験道の霊山だったということである。「御嶽」という名前からして、山岳修験の霊場から発展したことは間違いないところである。

御嶽神社にお参りしてから、いよいよ大岳山を目指す。このあたり道がいろいろあって、石段を下って折れる道がいちばん太いが、正殿すぐ下から「近道→」の標示があるので、それにしたがってつづら折を下る。メインルートに合流すると、二、三十人の団体と出くわしてたいへんさわがしい。ありがたいことに、ロックガーデンの方に曲がって行ったので、静かになった。

しばらくなだらかな散歩道を進むと、奥ノ院への分岐となる。奥ノ院から鍋割山を経由して大岳山が最短ルートであるが、こちらには「上級者向け」と書いてある。いままでの散歩道をそのまま進んでも大岳山に至るが、こちらは距離が1kmばかり長い。過去こういうケースでは、距離が長いコースを通った方が楽な場合が多いので、引き続き散歩道を進むことにした。

快適なハイキングコースが続く。途中にトイレ・休憩所も整備された歩きやすいコースだ。反面、だんだんと人が増えてくる。それもみんな大声である。歳をとると耳が遠くなるので声が自然と大きくなる。よくみると案の定、ジジババの集団である。実はこの後、ほぼ1日中ジジババ集団には悩まされることになるのだった。

ロックガーデンから登ってくる道と合流するあたりから、いよいよ登山道になる。滑りやすい岩で、段差も大きい。鎖場も現れるが、鎖が本格的な割に危険度はそれほどでもなく、鎖を頼らなくても登ることができる。さすが東京都、多くの人が登るので危険回避を考えているのだろう。千葉の低山だとこういう訳にはいかない。

やがて、さきほど分かれた鍋割山経由の道と合流して、さらに岩道を登って行くが、意外なほど早く大岳山荘跡に到着した。

 


ケーブル駅で下り、門前町を抜け、延々と石段を登ると武蔵御岳神社。この日は、蔵王権現を特別公開していました。


大岳山直行コースを歩くと、距離は長いがなだらかな道。


大岳山直下では鎖場も現れるが、使わなくても登れる。

 

御嶽神社を出てから大岳山荘跡まで、1時間半で到着した。ケーブル駅から大岳山までのコースタイムは2時間半なので、かなり早く着いたと思ったのだが、実は山荘跡から山頂まで100m近い標高差があるので、まだまだ道は遠かったのである。

山荘はすでに閉鎖されているがトイレは生きているので、広場になっている山荘前にはたくさんの人が休憩していた。でも、とてつもない大声でしゃべっているジジババが多いので、トイレにもよらず休憩も取らずに頂上を目指す。なかなか着かないので、地図くらい確認しておけばよかったと思ったが、あとの祭りである。山荘前から頂上まで25分かかった。

大岳山頂には11時ちょっと過ぎに着いた。山荘前で屯ろしていた連中より早く来たのに、それにまだ11時なのに、頂上はすでに満杯だった。景色の開けている西側の斜面はお弁当を広げている人達で通り道もないくらいである(あとから見たら、景色の見えない森の中に場所があったようだ)。

ようやく斜面に場所を確保してひと息つくが、すぐそばからジジババの大声が聞こえてきて落ち着かない。景色はすばらしいのだが、キャパシティに対して人が多すぎる。高水三山や川苔山に登ったときも山頂はかなり混んでいて興ざめしたものだが、大岳山はそれ以上であった。ここまで俗化されているのだから、電気も水も引いて山荘を復活させればいいのにと思った。

狭いスペースで大声の飛び交う中、チョコデニッシュとバナナ、元気一発ゼリーでそそくさとお昼にする。暑くなるのではとちょっと心配だったが、空には厚い雲が広がって直射日光が当たることはない。いつぞやの釈迦ヶ岳で懲りたので水は2.5リットル持ってきたが、最初の登りで500ミリリットルも飲まなかったので、まだまだ余裕があるのは安心である。

予定では、大岳山を12時に出られれば上出来と思っていたのに、11時半には出発できたから自分としてはかなりのハイペースである。あとは鋸山までの下り、さらに奥多摩駅までの下りである。今回は距離の短い山道を通る予定なので、2時半くらいには下りられるのではないかと思ったのだが、またまた例によって、この見通しはたいへん甘かったのである。

大岳山から鋸山までは、コースタイムで1時間10分。距離の割に時間が短いので、標高差150mを下るなだらかな尾根道を想像していたのだが、もちろんそんなことはなかった。大岳山直下は急勾配の下り坂が標高差100mほど続き、後ろ向きで下らなければならない場所も出て来る。それが終わるとしばらく安心できる道となるものの、断続的に急勾配の登り下りが現れる。

そして、登り下りよりも神経を疲れさせたのが、ジジババの集団であった。大人数かつとてつもない大声で騒ぎながら歩くものだから、100m以上後ろにいるにもかかわらず声が聞こえてくる。それがだんだん迫って来るので、追いかけられているような感じである。ようやく直後に来たので先に行ってもらうと、今度は休憩適地を占領して大騒ぎ、また先に行くとまた大声で追いかけてくる。

そんなことの繰り返しで、たいそう神経が疲れた。まあ、そんな連中を置き去りにできない自らの足の遅さを反省しなくてはならないのだが、せめて5~6人で来てもらえないものだろうか。その後も、立ちションで遅れる奴とかいろいろ出てきて、まあ大変なパーティーでした。

 


意外と早く着いた大岳山荘跡。だがここから大岳山頂まで標高差で100mほど登る。


大岳山頂。なるほど景色はいいのだが、人が多すぎて座る場所を探すのも一苦労。


大岳山から鋸山までは、急勾配の下りもあるけれど、なだらかな尾根道もある。

 

大騒ぎするジジババ集団に鋸山直下で抜かれて、鋸山山頂では大騒ぎしていたのでここでは休まずに抜き返して先に進む。大岳山から鋸山までのコースタイム1時間10分に対して実際かかったのは1時間半で、到着したのが午後1時。20分くらいの遅れはたいして気にならないが、問題はこの後のルートである。

前回は山頂から大ダワ経由林道を下って、麓まで約2時間で下りた。いま1時だから、前回と同じルートで下れば3時には三河屋旅館に着いてお風呂にゆっくり入れるだろう。問題は、地図で見ても実際に歩いても山腹をかなり迂回するので、うんざりするほど長いということである。一方、ガイドブックによると愛宕神社までの登山道のコースタイムは、なんと1時間10分なのである。

前に歩いた時、愛宕神社から鋸山までの登りには3時間を要している。その時の判断では、あの道を下るよりも林道を通った方が楽だし早いと思ったのだ。登りに3時間かかる道が1時間10分で下れるはずがないのだが、時間が経つにつれて記憶もあやふやになる。1時間10分は無理でも1時間半では下れるのではないかと思ってしまった。

鋸山頂上はジジババに占領されて休めなかったので、そのまま先に進む。急傾斜を下った後は、一転して急勾配の登りである。一瞬、前と同じ林道を通るべきかと思うが、後ろから休憩が終わったジジババの大声が迫ってくる。「今の私は昔の私ではない。戸倉三山の登り下りだってこなしたんだ」と自らを勇気づけ、そのまま天地山三角点への尾根道を進む。

さきに結果を言ってしまうと、このコースを愛宕神社まで結局2時間かかったから(そこから三河屋まで20分)、林道コースの方が早いし楽だったということである。ところが、鋸山で追い抜いたジジババ連中にこの後追いつかれることはなかったので、2時間かかるのは私だけではないということである。とすると、コースタイム1時間10分ってなんですか、ということである。

私の感触では、トレランの装備で半分走りながら下らない限り、1時間10分なんて無理である。加えて、前の週に降った雨の影響で、急傾斜の下り坂がぬかるんでいて滑る。地図で明らかなように、大岳山から奥多摩駅方向は北側の尾根である。夏至が近いこの時期であっても、日陰になる時間が長くてそう簡単には乾かないのであった。

天地山三角点まではすぐに着いたのだが、その後の烏天狗がなかなか出てこない。出てこないのも道理で、鋸山から烏天狗までは標高差が300mある。前回、登るのに1時間45分かかっているのである。「出てこないなあ、出てこないなあ」と声に出るほど下り坂が続く。ようやく見覚えのある登り返しの岩が現れたのは、鋸山から1時間半後の2時半であった。

鋸山から愛宕神社までのコースタイム1時間10分では、烏天狗(聖天神社)まで到底着かなかったのである。ということは、どう考えても鋸山からは、林道経由で下った方が早いということであった。しかし、そう分かっても後の祭りである。ひとたびこの尾根に入ってしまったら、愛宕神社まで下る他には登山道はない。

烏天狗で少し休んだ後、愛宕神社まで30分、さらに林道を下るのに20分余りを要し、三河屋「麻葉の湯」に着いたのは3時半になってしまった。鋸山からは2時間半、林道を下るよりも30分近く時間がかかってしまった。よく考えてみれば、登るのに3時間かかったものが1時間10分で下れるはずがないのであった。

「麻葉の湯」には先客で5人いて、カランが一杯になる盛況であった。しばらく来ない間に、ずいぶん利用者が増えたようである。場所は便利だし、「もえぎの湯」はいつも満員だし、こちらのよさが知られてきたのかもしれない。


大岳山から1時間半かかって鋸山。大人数のジジババ組はうるさいし、行く先々で休憩場所を占領されました。


いつ烏天狗が現れるのだろうと思って下っていたら、1時間半かかりました。コースタイムはトレラン用か?


鋸山から愛宕神社まで1時間10分のコースタイムに2時間。これはコースタイムの方がおかしいと思う。

 

この日の経過
御嶽山ケーブル駅 8:45
9:05 御嶽神社 9:15
10:40 大岳山荘跡 10:40
11:05 大岳山頂 11:30
13:00 鋸山 13:00
14:30 聖天神社(烏天狗) 14:40
15:10 愛宕神社裏 15:10
15:30 三河屋旅館立寄り湯
(GPS測定距離 13.7km)

[Jun 20,2017]