719 小滝鉱泉 [Jun 2, 2017]

八方ヶ原林道の途中から左に入る道があって、その奥に赤滝鉱泉、小滝鉱泉という二つの鉱泉があることは以前からチェックしていた。いつか泊まってみたいものだと思っていて、今年のゴールデンウィークにたまたま空いていたので、小滝鉱泉の予約を押さえることができた。5月1日の1泊で、空模様をみて当日か翌日かに高原山に登ろうという計画である。

実際には5月1日は大気の状態が不安定で、関東各地で落雷やゲリラ豪雨があったので、当日はゆっくり家を出て一般道で栃木へと向かった。道は空いていて昼前には鬼怒川付近に到着したものの、楽しみにしていたライン下りの売店はやっていないし、小百田舎そばも月曜日定休で空振りしてしまった。

仕方なく、近くにあるもう一軒のそば屋「原宿そば倉」で手打ちそばと山菜天ぷらでお昼にし、「まつたか」でゆばを買い、矢板に移動。道の駅で時間をつぶして、3時になったのでそろそろ大丈夫だろう、と八方ヶ原林道へと向かったのでありました。

林道から鉱泉への細い道は、横から覗いたことはあったが初めて入る道である。刈り払いをしてあって道幅は想像より広かったが、傾斜はかなりきつい。途中で赤滝鉱泉の道が右に分かれ、さらにきつい傾斜を進む。砂利が敷いてあってところどころコンクリで固めてあったが、カードレールのないヘアピンカーブの連続で、すれ違いは困難なので対向車が来ないことを祈る。

走ること十分ほど、ようやく平らな場所に出た。すぐそばに谷川が流れ、小さな滝が落ちている。これがまさに鉱泉の名前になっている「小滝」である。対岸はすぐに急傾斜となり、おそらく県民の森へ続くのであろう登山道が見えている。しかし、その道には車は入ることができない。いま下ってきた連続ヘアピンカーブの道以外、車の通れる道はないのであった。

「なんでこんな山奥に連れてくるわけ?」と奥さんはかんかんである。ところが、ゆっくり温泉に入って、夕飯に鮎の塩焼きが出ると、いっぺんに機嫌が直ってしまうのだから現金なものである。

お湯は黄色く濁っていて浴槽が金気で染まっていたので、鉄泉系かと思って泉質表をみてみると、硫酸イオンとマグネシウムイオン、アルミニウムイオンが多い。それでは硫酸塩泉かというとそれほど成分が濃い訳ではなく、温泉法上はメタケイ酸に該当すると書いてあるから単純泉ということになる。単純泉というと無色透明が多いから、印象とは大分違う。

「鉱泉」というだけあってもっと低い水温で湧出しているものを沸かしているのだろうが、お湯加減も非常にいい。入ってみると足先が見えないくらいの黄土色だが、硫黄のにおいはしない。むしろすべすべ感があるのは、メタケイ酸系のせいであろうか。

ゆっくりお湯に漬かった後は食事。こちらはすべて部屋出しである。はじめに出てきた手作り餃子だけでもかなりのボリュームなのに、続けて出てきた山菜の天ぷらがあり、あゆの塩焼きがあり野菜の煮付けがあり、生ゆばがある。自家製のお漬物があるし、後から豚の角煮が来て、締めは手打ちそばである。食べきれないほどの量であった。

かなり人里離れたところにあるはずなのに、wifiが整備されているのはすばらしい。もちろんTVもちゃんと映る。はじめはこんなところに連れてきてとぶつぶつ言っていた奥さんが、来年また来たいと言うほどのいい宿でした。


小滝鉱泉全景。とてつもない山の中にありますが、部屋もきれいですしwifiも通じてます。もちろん風呂と料理は絶品。


ただし、八方ヶ原林道から標高差100m近い連続ヘアピンカーブを下りて来なければなりません。道幅は狭く、ガードレールがないのでちょっとこわい。