150 2015シーズン & SUPERBOWL 50

いよいよ今年もNFLの季節がやってきた。これから2月のスーパーボウルまで、エキサイティングかつ寝不足の日が続くことになる。

今年最大のニュースは、何と言ってもブレイディの開幕4試合出場停止。昨年のスーパーボウル制覇チームが出遅れ必至となると、AFCチャンピオン争いに影響が出るのは確実である。かたやNFCは昨年チャンピオンシップで戦ったシーホークス、パッカーズの2強を崩すのは他チームにとって容易ではない。現時点でのスーパーボウルオッズは以下のようになっている。

SUPERBOWL50 シーズン前オッズ
◎シアトル・シーホークス 5.0
Oクリーンベイ・パッカーズ 7.0
ニューイングランド・ペイトリオッツ 9.0
▲インディアナポリス・コルツ 9.0
デンバー・ブロンコス 11.0
ダラス・カウボーイズ 17.0
フィラデルフィア・イーグルス 17.0
△ボルティモア・レイヴンス 24.0
ピッツバーグ・スティーラーズ 24.0

本命シーホークスは動かしがたい。なにしろ、スーパーボウルの負け方が負け方だったので、チームとしてのモチベーションは維持されるとみている。幸い、攻守の主力ほとんどが残留しており、ウィルソン、シャーマンの契約更改でサラリーキャップが問題となるまでのあと数年は、黄金時代が続きそうだ。49ナースがやや弱体化しているので、地区内はすんなり通過するだろう。

対抗パッカーズ。昨年のチャンピオンシップで、シーホークスにオンサイドキックを決められて、ほぼ手中にしていた勝利を逃したことによるモチベーションは、シーホークスのスーパーボウルに勝るとも劣らない。順調に行けば両チームがチャンピオンシップで再戦し、勝った方がそのままスーパーボウルをつかみそうだ。

AFCで上げるとすればコルツ。マニングからラックへの代替わり以来、階段を一歩ずつ上がって昨年はチャンピオンシップまで進出した。RBフランク・ゴアとWRアンドレ・ジョンソンが加わった陣容は魅力で、ラックになって初のスーパーボウルに進むためには、第一シードを確保してホームゲームで戦いたい。

オッズ上位には常連2チームが顔を見せているが、ペイトリオッツはブレイディ不在に加えて、今年は地区内ライバルが着実に補強を図っているので苦労しそうだ。ブロンコスはマニング自身冬場が得意でなく、いまにして思えばデンバー移籍がどうだったのか。新HCキュービアックで、いままでのように我慢がきくかどうかも不安要因。

オッズ30倍以内の9チームの中で、あえて挙げればレイヴンス。すでにスーパーボウルを勝っているチームなので実績は問題なく、今シーズンはペイトリオッツ、コルツと当たらない組み合わせ。その点ではスティーラーズも、開幕週でブレイディ抜きのペイトリオッツなのでラッキーではある。ともにアウェイを苦にしないので、シード順位が低くても躍進はありうるだろう。

先週はスーパーボウルオッズ上位9チームを中心にお届けしたが、今週は人気下位のチームから伏兵をさぐってみたい。

スーパーボウル50・シーズン前オッズ
34.0倍
バッファロー・ビルズ、マイアミ・ドルフィンズ、シンシナティ・ベンガルズ、カンザスシティ・チーフス、注サンディエゴ・チャージャース、デトロイト・ライオンズ、キャロライナ・パンサーズ、▲ニューオーリンズ・セインツ、注アリゾナ・カーディナルス

41.0倍
ヒューストン・テキサンズ、▲ニューヨーク・ジャイアンツ、アトランタ・ファルコンズ、サンフランシスコ・49ナース

51.0倍
ミネソタ・ヴァイキングス、セントルイス・ラムズ

60倍以上
シカゴ・ベアーズ(61)、ニューヨーク・ジェッツ(81)、クリーブランド・ブラウンズ(101)、ワシントン・レッドスキンズ(101)、タンパベイ・バッカニアーズ(101)、テネシー・タイタンズ(201)、ジャクソンビル・ジャガース(251)、オークランド・レイダース(251)

30倍から40倍のレンジには、プレイオフ常連チームがいくつか含まれている。特に、セインツ、ジャイアンツはそれほど遠くない時期にスーパーボウルを勝ち、当時とエースQBが変わらないにもかかわらずこの人気薄である。人気を落としているだけの要因はもちろんあるのだが、オッズ以上には妙味のあるチームといえそうである。

ここ数年でカンファレンス・チャンピオンとなっているのはカーディナルス。昨年もプレイオフまでは残ったものの、QBカーソン・パーマーが故障欠場では致し方がなかった。ディフェンスが強力なのと、地区内で49ナースが弱体化しているので、シーホークスを脅かすとすればこのチーム。もちろんアリアンズHCのインサイドワークにも注目。

プレイオフ常連チームながら、チャンスを逃し続けるチャージャース。いまにして思えば、ブリーズとトムリンソンがいる時にもうひと頑張りしておくべきであった。ただ、どこと戦っても勝てる可能性を持つ チームなので、ワイルドカードでもプレイオフに残れば一気の躍進があっておかしくない。

残りのチームではプレイオフ2回戦以降まで残るのは難しそうだ。意外と人気なのは過去10年プレイオフのないビルズだが、ディフェンスはともかくオフェンスに決定力がない。ペイトリオッツを脅かすのはむしろドルフィンズで、DTスーが加入したのは大きいし、タネヒルは毎シーズンよくなっている。

[Aug 1, 2015]

SUPERBOWL 50(2/7、SFリーヴァイス・スタジアム)
Oキャロライナ・パンサーズ(NFC王者) -5.5
デンバー・ブロンコス(AFC王者)

3年続けて、第1シード同士の戦いとなったスーパーボウル。マニングがおそらく最後のスーパーボウルを制することができるか、それとも新世代の旗頭キャム・ニュートンが初の栄冠を手にするか話題となっているが、私が思うに最大の見どころはデンバーのフロント7vsキャロライナのランオフェンスである。

チャンピオンシップで、デンバーのディフェンスはブレイディにプレッシャーをかけ続ける一方で、レギュラーシーズン同様ほとんどランを許さなかった。ペイトリオッツの直接の敗因はゴストコウスキーのエキストラキック失敗だったが、ペイトリオッツにほとんどオフェンスをさせなかったデンバーのフロント7の仕事もすばらしかった。

そして、マニングの仕上がりもディヴィジョナル・プレイオフとは見違えるようだった。2TDを含めてパスは安全確実であり、サックされるところでおとなしくサックされていたのも余裕であった。終始リードしていたので任すべきところはRBやディフェンスに任せており、かつてのような自滅パターンには陥らなかった。

ただし、ディヴィジョナルにしてもチャンピオンシップにしても最少得点差で逃げ切ったように、オフェンスの爆発力がなくなっているのは確かである。再び僅差の展開になれば経験の違いが出てくることもあるかもしれないが、点差を開かれて追う展開になった場合に、打つ手が限られてくることも確かである。

かたやパンサーズ。プレイオフは2戦とも前半で大量リードして押し切るゲームで、危ないところが全くなかった。特によかったと思うのはオフェンスラインの堅実さで、ランにしてもパスにしてもニュートンが自在にプレイできる余裕があったのはオフェンスラインの功績だと思う。

スーパーボウルにおいても、デンバーの強力ディフェンスに対して、パンサーズのオフェンスラインが互角の勝負ができるかどうかがポイントである。ブロンコスが警戒すべきなのはパスではなくランで、ニュートンやジョナサン・スチュアートのランが出ない展開となれば、ニュートンのパスターゲットとして信用できるのはオルセン位なので、膠着した展開に持ち込めるかもしれない。

とはいえ、レギュラーシーズンから通算して17勝1敗というパンサーズの勢いは、なかなか止まらないのではないかという気がしている。実際に、-4でスタートしたハンデはじりじり上昇して-5.5まで大きくなっている。それでもパンサーズに乗りたいし、オッズ次第でパンサーズ-21とかを少々遊んでみたい。

[Feb 4, 2016]

SUPERBOWL 50(2/7 リーヴァイス・スタジアム)
デンバー・ブロンコス O 24-10 X キャロライナ・パンサーズ

Underdogの下馬評に反して、ブロンコスがゲームを支配した。ブロンコスはほぼ予想されたとおりの動きだったのに対して、パンサーズに全くといっていいほど精彩がなかった。

まるで数年前に逆戻りしたようなニュートンだった。オフェンスラインが押し込まれることは試合前にある程度予想されていたはずなのに、あまり工夫はみられなかった。後半になってRBやFBをパスラッシュ要員にしたけれども、もともとレシーバーに駒が少ないのに数的に劣勢を作ってしまってはどうしようもない。

パンサーズの攻撃がラン28に対してパス41。試合終盤にランを多用したブロンコスとランの数は同じなので走ってはいるのだけれど、チャンピオンシップのカーディナルス戦がラン37パス28、ディヴィジョナル・ブレイオフのシーホークス戦がラン41パス22だから、明らかにランが少ない。ニュートンのパスミスとレシーバーのドロップばかりが目についた。

確かにブロンコスのディフェンスは堅いのでランは止められると思ったのだろうけれど、終盤まで点差はなかったのだから時間を気にする必要はなく、もっとしつこくランで攻めてよかったのではないかと思った。

だが、おそらくそれ以上に大きかったのはニュートンのメンタル面だったかもしれない。ファーストシリーズでがら空きのレシーバーにとんでもないすっぽ抜けパスを投げたところからおかしかったが、2つのファンブルがいずれも自陣深いところでパスを投げようとした結果で、状況を冷静に判断できていなかった。

後半にはTVカメラがベンチに一人でいるところを何回も映していたが、チームのムードメーカーがあれではいけない。その意味ではシーホークスのラッセル・ウィルソンは大したもので、劣勢になっても動じないところは肝が据わっている。

したがって来シーズン捲土重来なるか厳しいところもありそうだが、この日ミスをしたのはニュートンだけではなく、オフェンスラインもひどかったし、スペシャルチームにもミスがあったし、レシーバーにもドロップがあり、トルバートのファンブルも痛かったし、FGミスもあった。その意味ではチーム一丸となって負けに行った感があり、巻き返しの余地はありそうだ。

一方のマニング。インターセプトもファンブルもニュートンと同じだけ食らっていたけれども、フィールドに余裕があったのと、最近のマニングはミスに慣れていて冷静さを失わなかった。「今日はディフェンスで勝てた」というのが今シーズンの決まり文句だったけれど、そのままのセリフがスーパーボウルまで使われることになった。

テキサンズ以来続いているキュービアックHCとウェイド・フィリップスDCのコンビ、ブロンコスではまだ日が浅いのでこの体制はしばらく続きそうだが、来シーズン以降メンバーが変わってもこのディフェンスが維持できるかどうか。いかんせんオフェンスが弱いので、ディフェンスが崩れたら地区で勝ち残るのも難しい。

試合前にはニュートンvsマニングのドラ1対決がキャッチフレーズになっていたが、終わってみるとニュートンvsボン・ミラーの2011年ドラ1vsドラ2対決だった。この年のドラフトは当たり年で、1巡指名には他に、JJワット、AJグリーン、フリオ・ジョーンズ、パトリック・ピーターソン、ニック・フェアリー、マーセル・ダリウスなど錚々たるメンバーがいる。

[Feb 9, 2016]

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