003 続・資格試験編(電気工事士・危険物乙135) [Jun 16, 2017]

Ⅰ.電気工事士筆記試験

1月にスタートした職業訓練所・ポリテクセンター千葉での日々も、終わりに近づいている。30名の研修生でスタートしたビル設備サービス科1月生も、就職して続々と退所、5月末には17人に減ってずいぶんと寂しくなった。

6月には電気工事士試験という大きなイベントがある。電気工事の講義は1月と2月で、それから3ヵ月空くので試合勘(?)が鈍ることが心配されたが、意外と早く6月4日の試験日になった。試験会場は西千葉にある千葉大学。むしろ心配なのは7月の実技であるが、ともかく筆記試験を受からないことには実技試験に進めないのである。

試験当日、まだ開始まで1時間以上あるというのに、千葉大学のある西千葉駅は受験者と思われる多くの人でごった返していた。全国で8万人が受ける試験であり、千葉県でも千葉大学2ヵ所と幕張メッセの3ヵ所で試験が行われる。ボイラーや危険物は毎月試験が行われるが、電気工事士は1年に2回しかないので、この日千葉県だけでおそらく数千人が受験するのだ。

受験場まで続く列の他に、受験生目当てのセールスの人達もずいぶんといる。歩く人達の年齢層をみると、若い人ばっかりで、私のようなロートルはほとんどいない。西千葉からすぐ前が千葉大だが、ここでは受験生は入れてくれず、10分ほど先の正門に誘導される。交通整理・誘導の人達も多い。結構な数のバイトを雇っただろう。

試験会場には1時間近く前に着いた。いったん教室に入るが、時間があるので中庭でひと休みする。夏至が近いので真上から日差しが降り注いで、少し暑いくらいである。そのためかみんな日陰で最後の復習に余念がなく、日向にあるベンチには誰も座っていない。試験があるためかきれいに拭いてある。腰を掛けてしばし休息。こういう時はゆっくり落ち着くことがなにより大切だ。

昔からこういう試験前には、間際に復習したりするよりもコンディションを整える方が重要だと思っていた。直前におさらいしたことが出る可能性もなくはないだろうが、それよりも心身のコンディションを整えて、何を聞かれても大丈夫という体制を固めることの方が効果的だと考えている。

午後12時45分、試験前の注意が始まった。気になったのは教室に時計がないことで、普段携帯を時計代わりにしている私には時間を知るすべがない。まあ2時間あれば時間が足りないことはないだろうから、気にしないことにする。問題は50問で、理論が30問、配線図が20問。6割で合格である(あまりに合格率が低いと、合格ラインを引き下げるらしい)。

午後1時、試験開始。順調に問題を解いていくが、途中、「太陽光発電装置で使っている機械は」などという、過去問にもなければ参考書にも出ていない問題が出て来て戸惑う。よくみると、他の問題も過去数年の出題と同じように見えるのだが、質問を難しくしている。参ったなと思って先に進むと、なんと接地抵抗計の操作方法についての質問がある。

接地抵抗計では、過去に「E、P、C」の設置極の差し方やら直流か交流かを聞かれたことはあっても、接地抵抗計を使う前の確認手順など聞かれたことはなかった。ポリテクで接地抵抗計を実習したときの記憶を懸命にたどるが、そこまで試験に出ると思っていないから記憶もあやふやである。実際に使っていなかったらお手上げだろう。

配線図も、3相3線の難しいやつである。絶縁抵抗が単相と3相で違う上に、電動機のスイッチやらコンセントやら、住宅にはないような記号が出て来る。苦手の複線図問題も、いつもの年より多い。「使っていないスイッチはどれですか」のサービス問題も、いつもの年は3路・4路・確認表示・位置表示の4択なのに、電動機の押しボタンなど出されては困ってしまう。

ひととおり終わって確実そうな答えを数えてみると、35しかなかった。全部あっていれば70点だから合格、5問間違えても大丈夫ではあるが、過去問では初見で8~9割は正解だったので、平成29年上期の試験はかなり難しかったということになる。9割は余裕で解けるだろうと思っていたので、かなりの欲求不満が残った。

翌日、電気技術者試験センターのホームページに問題と解答がupされ、採点したところどうやら合格点はクリアしたようであるが、結構冷や汗物であった。まあ、学科が難しいときは技能は楽な問題が出るということであるから、そう思ってあとはがんばる他なさそうである。


試験会場の千葉大・総合校舎。若い人が多くて、ロートルは場違いだったかもしれません。鞄を持っているのは試験官。

Ⅱ.危険物取扱者乙1・3・5

電気工事士筆記試験の次の週は、危険物取扱者である。

危険物については3月に乙種第4類(乙4)の試験を受けたが、その際に第1類から第6類までの勉強もざっとしなければならなかったし、将来もし甲種を受けるためには乙種を4科目持っていなくてはならないから、千葉県の試験日に申し込んでおいたのである。

ポリテク千葉の他の研修生は、消防設備士(火災報知器とか消火器)を受ける人が多いのだが、どちらかというと危険物の勉強の方が性に合っていて、やっていておもしろいから長続きする。電気工事の勉強と並行して、塩素酸カリウムやら黄リンやらニトログリセリンの性質と消火方法を繰り返し学習していたのである。

ふと思い出すと、高校生のとき大学の専攻を選ぶにあたって、就職等には法学部が有利だと分かっていても法律を勉強するのはどうにも気が進まなかった(もちろん難易度という問題もあったが)。法律も消防設備も、いわば「人の決めたこと」を勉強するのである。自分はそうではなくて、「ある法則に基づいて動いているもの」の方に関心が向くのである。

ポリテクの消防設備の講義で、「避難階って何だか分かりますか?」と聞かれたところで、江戸時代には避難階なんてなかったし、いまでも南太平洋の島々にはそんなものはないだろう。時間と場所が限定された知識に汎用性はないし、勉強したとしても規則を作った人間には敵わない。しかし、黄リンを空気中に放置すれば発火するのは時代と場所を問わないし、水で消せるというのも変わらない。そういうことである。

という訳で6月11日の日曜日、試験会場である日大実籾校舎へと向かう。前の週の電気工事士ほどではないものの、京成の実籾駅から多くの若者が歩いていくので、地図を見なくてもその列に付いていけば大丈夫である。昔の競馬場を思い出した。試験場の2号館は門を入ってすぐ。その奥はグラウンドになっていて、野球部が練習していた。

203号室は、複数受験者専用の試験室である。よく見ると、受験票に座席番号が書いてある。黒板には、「2科目受験者11時10分まで。3科目受験者11時45分まで」と大きく書いてある。机に受験番号シールが貼ってあるのは乙4と同じ。3つ貼ってあるのが3科目受験者で、帰る時に問題用紙に貼り付けて返却する。問題が漏れるのを防ぐためである。

9時半に説明が始まった。かなりのご年配の監督官で、原稿を読んでいるのだが時々何を言っているか分からないのが難点である。問題用紙と3科目のマークシートは厚手のビニル袋に入って配られる。問題用紙は法令、物理化学と、乙4を除く1類から6類までの問題が載っている。複数受験者は法令、物理化学は免除なので、各類の性質・消火の10問ずつを解くことになる。

10時試験開始。中ほどのページの第1類の性質・消火から解いていく。が、苦手の質問である「正しいのはいくつですか」が次々と現れる。正しいにせよ間違っているにせよ、1つだけにしてほしいものだ。そして、消火の問題では、二酸化炭素とハロゲンがだめなのは分かるのだが、「水と粉末」か「水と乾燥砂」なのかを問われる。

そして、個別の危険物では、過酸化バリウム、臭素酸カリウム、無水クロム酸といったマイナーな危険物が出題された。硝酸カリウムとか次亜塩素酸ナトリウムとか、もっとメジャーな危険物を聞いてほしいものである。第1類が終わって、大丈夫そうなのは4問、半々なのは2問、残りの4問は当てずっぽうである。60の手習いにしては難しすぎる。

第1類に比べると第3類、第5類は比較的過去問に近い問題が多くて、なんとか60%は確保したのではないかと思うが、第1類はなんともいえない。第4類を除く乙種の合格率は66%前後であるので3分の2は合格しているのだけれど、残り3分の1に入ってしまう可能性はかなりありそうだ。合否発表は6月28日、奇しくもポリテクセンターの修了式の日である。

さて、ポリテク修了式の28日、帰ってから消防試験研究センターのホームページで、正午に公示された危険物取扱者乙種1・3・5類の合否発表をチェックする。最初にいちばん心配であった1類の合格者を探したところ、・・・あった。意外だったのはあれだけ多くの受験者がいたにもかかわらず、乙1の合格者は41名しかいなかったことである(乙4は477名)。

これは4類を除く第2類から第6類が大体60~70名の合格者であることと比べるとたいへん少ない数字であり、難しいと評判なので受験者が少なかったのか、あるいは合格率が低かったのか判断に迷うところである。

3類と5類は1類に比べると自信があったのだが、無事に両方とも合格しており、これで乙種は1・3・4・5類を押さえて甲種の受験資格を得ることができた。乙1が落ちたら試験はこれまでにしようと思っていたが、ここまで合格できると、せっかくだから甲種を受けてみようかという気になってきたから不思議なものである。

後日届いた試験結果通知書によると、乙1と乙3が80%、乙5が90%の正答率だった。苦戦した割に乙1の点数が取れていたというべきか、乙3がそれほど楽ではなかったというべきか、微妙なところである。


危険物取扱者、千葉県会場の日大実籾校舎。電気工事士ほどではありませんが、多くの若者が受験していました。

[Jun 16, 2017]