005 続々・資格試験編(電気工事士実技) [Sep 27, 2017]

Ⅰ.第二種電気工事士実技試験

ポリテクセンターは終わったけれど、まだ資格試験は残っている。中でも第二種電気工事士は、家の中の配線工事を大手を振ってできる資格であるので、職業訓練を受ける際にもっとも取りたい資格であった。ただ、年に2回しか受験できないので、1月生の場合には在所中に資格取得までには至らないのであった。

すでに6月はじめに筆記試験は済んでいる。自己採点では9割取れていたのでまず大丈夫と思って実技の準備に入る。実技試験は試験問題が公表されているのでそれを繰り返し練習すればいいのだけれど、なにせ公表されている問題が13問ある。公表されているから楽勝とは言い難いのである。

ただ、ポリテクセンターにいる間に、授業でひととおり実習している。そして、幸いなことに28年度の公表問題(授業でやった問題)と29年度の公表問題は、一部細かいところが違っているだけで配線図は変わらない。あと二回くらいやってみて、制限時間(40分)以内に完成できるよう準備すればよさそうであった。

準備に必要な工具と資材(部品・ケーブル)は2万円払ってamazonから入手した。テーブルを保護するための工作ボードも買ってきた。あとは練習するだけなので、修了式の次の日から早速とりかかったのである。

13問ということは、カードと同じである。手持ちのカードのAからKまで、引いたカードの数字でその日やる課題を決める。準備に15分、課題に30分、復習に15分、全部で1時間ほどかかる。40分の制限時間だが、30分でできないことには不測の事態に対応できないおそれがある。

実際、始めた当初に、銅線で手を引っ掻いて出血してしまった(1ヵ月経ったいまでも傷が残っている)。バンドエイドを取りに行ったり手当していたら5分ほど経過して、この日は35分かかってしまった。でも、こういうことを経験しておくことに意味がある。それ以降は極力ケガをしないよう、落ち着いて作業することを心がけた。

7月に入って筆記試験の合否発表があり、合格通知が来た。大丈夫だとは思っていたが、試験は水物だから安心する。7月半ばまで1日1題、その後は1日2題ずつ練習して計画通り13問を二回りすることができた。

時間短縮のために工夫したことがいくつかあって、そのうちの一つが「複線図」を描かないということである。実技試験参考書には、複線図は必ず描けと書いてある。ただ、第二種電気工事士の場合はそれほど複雑な配線は出てこないし、覚えてしまえば複線図を描く時間が節約できる。むしろ私が気を付けなければならないのは、早とちりして施工条件を勘違いしてしまうことである。

最後の方は40分の制限時間に対し、15分余し20分余しで完成できるようになったので、練習の効果はあったようである。勘違いしやすい問題も復習し、輪作りは毎日練習して、あとは実際の試験現場で落ち着いてできるかどうか。試験前日は、酒抜きで脳をクリアにして、試験会場である幕張メッセに向かった。


実技試験の会場、幕張メッセ国際展示場。


電気工事士試験会場の隣では、この夏の呼び物である恐竜展が開催されていた。夏休みの子供達に混じって、工具を持つ受験生が会場に入って行った。

Ⅱ.29年上期の問題はNo.3

実技試験は7月22日、場所は幕張メッセ国際展示場である。幕張メッセでは夏休み企画として、「世界の恐竜展」をやっておりTVで盛んと宣伝している。混雑が予想されたのでもちろん電車を利用、10時50分集合のところを約1時間前に会場に到着した。

会場には立体歩道橋のレベルから下りて行く。見渡す限り机が並んでいる。遠くまで数えることができないが、40行30列くらいあっただろうか。そうすると1200テーブル、1テーブル2人として2400人。千葉県の受験者が一堂に会するとそうなるだろう。その2400人の中から、ポリテクのMさんと一ヵ月振りの再会。他にも何人かは会場にいるはずである。

時間があったら最後の復習をしようと思って重い思いをして参考書を持ってきたのだが、会場に来て席についてみると、あっという間に時間が経ってしまいトイレに行くくらいしかできなかった。2400人というと10年前のWSOPシニアの参加人数である。この中で1番になろうとしたのだから、大変というか無謀だったのだなあと思う。

意外だったのは長机に2人掛けでスペースに余裕があったことである。工作ボードの代わりに厚手のボール紙が置かれ、その上に試験の注意書きと合格後の免許申請についてのペーパーが乗っている。工具はケースから出さなければならないと思っていたが、周囲をみると半分以上の人がケースに入れたままにしている。試験官も特に注意はしていないので、私もそうすることにした。

10時50分から説明開始、筆記と違って5分後には入室締め切りとなる。最初に注意事項が改めてアナウンスされ、続いてマークシートに受験番号等の記入。受験票が回収されて、いよいよ問題用紙が配られる。問題そのものは試験開始まで見てはいけないのだが、材料の確認があるのでこの段階で問題が分かってしまう。材料一覧を見ると、タイマーの問題であった。

タイマーの問題は13問の公表問題のうちNo.3にあたり、どちらかというと難易度の高くない問題である。個人的には、VVF以外のケーブルを使う問題(電工ナイフでないと切れない)やアウトレットボックスを使う問題(鋼管やPF管との連結がある)が出ると面倒だと思っていたので、ちょっと安心する。

そして、差込型コネクタの数からすると、電源から遠い方のジョイントがコネクタというのも分かった。ケーブルは長さを確認していいというアナウンスがあったので、ついでに作業しやすい長さに折って定位置に置いてしまう。2.0mm25センチと1.6mm2心の35センチはそのまま使うし、1.6mm3心はおおむね30センチを5本、165あるので若干の余裕がある。

11時32分、2分遅れで試験開始。施工条件を確認する。「接地側白線」「非接地側黒線」「タイムスイッチS2白線」例年通りである。リングスリーブ/コネクタも予想通り。そして、「取付枠はコンセントに使用」のところは、問題用紙に大きく丸をつける。

この条件だと、スイッチの白からVVF3心の赤、その赤からRの黒だけが色違いで、あとは白は白、黒は黒でつなげればよい。ケーブルを切り、シースを剥き、心線を出す。この問題のポイントは端子台なので、まず端子台と白・黒線の接続を最初にやって、引掛シーリング、ランプレセプタクル、コンセント、タンブラスイッチの順に片づけて行く。

あとはケーブルの接続。まず電源側の白黒と3心の白黒、スイッチの白と赤をリングスリーブで接続する。 2.0mmが入るのは「小」、1.6mm2本が「o」である。続いてコネクタ。こちらは4本が白、3本が黒、2本が赤と黒で分かりやすい。組立て終わって時計を見ると8分前。やっぱり練習よりも時間がかかった。

もう一度配線図と仕上がりを見比べ、間違いがないことを確認する。次に心線を1本ずつ引っ張って抜けないことを確認し、ネジをもう一度締めた。白がWと受金ネジ部に入っていることを確認し、もう一度配線を確かめたら2分前になっていた。これ以上見て間違いがあっても直す時間がないので、作品に名札を付けて完了する。

時間になると、「工具を置いて下さい」のアナウンスがあり、続いて「工具を鞄にしまってください」と言われる。もう何を見つけても手遅れである。この問題だと間違える人はいないんじゃないかと周りを見回すと、コネクタのところをリングスリーブでやっている人がいた。油断大敵である。最後に、列ごとに退出票を渡されて退場となる。

会場を出ると、ポリテクのKさんがいた。「簡単な問題でよかったね」と私と同様の感想。「でも、油断大敵だよ」と答える。思うに、筆記試験が少し過去問と違って合格率が低かったので、実技で調整したのではないだろうか。とはいえ、苦手の実技だけに油断できない。正直なところ、こんなところをというようなケアレスミスをやらかさないとは限らないのだ。


試験終了後の幕張メッセ国際展示場ホール。約2千人が、一斉に試験を受けたのは壮観でした。

Ⅲ.堂々合格!第二種電気工事士

ポリテク卒業後も毎日欠かさず練習を続けてきた電気工事士試験。7月に幕張メッセに行って実技試験を受けてきたが、その結果発表が9月1日にあった。

筆記試験と同様、電気技術者試験センターのホームページで結果が公表される。指示された画面に受験番号を入力すると、「入力された受験番号は合格者一覧の中にあります」とうれしい文字が。これで晴れて第二種電気工事士の資格を獲得することができたのである。

思えば今年1月以来、人生60年の中で全く経験したことのない電気工事の勉強に取り組み、銅線で指を切り、ペンチで爪を打ち、時には血を流しながらがんばってきた。苦手の実技試験で公表問題13問中最も簡単な課題という幸運があったとはいえ、ケアレスミスの心配は試験後まであった。たいへんにうれしい。

4日の月曜日に合格通知が届いた。通知はがきには大した情報はなくて、電気技術者試験センターのHPを見るようにというだけである。そこから各都道府県の申請窓口にリンクが貼られていて、千葉県の場合はさらに電気工事組合にリンクが貼られている。そこには、試験日に配られた免許手続き概要がそのままPDFで載せられていた。

集合受付は9月8日金曜日、あとは10月・11月になる。9月8日は大切なNFL開幕日なので外出できない。このご時世というのに郵送受付はなく、必ず持参して申請しなければならない。それ以外は各支部に電話連絡のうえ持参する。さっそく最寄りの成田支部に電話してみると、翌日(9/5である)の午前10時から11時なら大丈夫ということであった。

その日のうちに閉庁間近の市役所に行って証紙5200円分を買い、翌朝一番で成田市内に向かった。電気工事組合成田支部は国道から成田山に左折するあたりにある。ビルには「管理物件」のものものしい表示があって心配したが、階段やドアに返済督促の貼り紙がある訳でもなく、中は普通のビルである。2階に上がると組合事務所である。

予想していたとおり、女性の事務員が一人で仕事をしながら電話応対をし、来客の応対もしていた。さすがに合格発表直後なので私の他にもう一名申請者が来ていて、電話も工事士申請の問い合わせのようだった。書類自体はそれほど難しいものではなくすんなり受付され、返信用封筒に自宅の住所を書いて終了となった。

それから待つことちょうど2週間で、簡易書留で免状が届いた。ポリテクへ行ってまずやらされたのがVVFの被覆を剥くのと輪作りだったことを思うと、たいへん感慨深い。いろいろ回り道しているような気はするものの、人生いろいろなことで達成感が得られるものである。しかも、基本的に自分の努力だけで、余人を巻き込まないところがうれしい。


7ヵ月間にわたる努力により堂々勝ち取った第二種電気工事士免状。これで大手を振って家の中の電気工事ができる。

[Sep 27, 2017]