006 資格試験完結編(危険物甲種) [Dec 13, 2017]

1.最後の難関、危険物取扱者甲種

ポリテクセンターに通って、この歳になって資格をいくつか取った。残念ながら再就職の役には立たなかったが、脳の使わなかった部分を活性化できたと思っている。これからの生活において、おカネよりも重要なのは心身の健康を保つことで、そのためには有形無形のメリットがあったものと確信している。

すでにボイラー技士、第二種電気工事士は合格して免許を取得、あと残るのは危険物取扱者である。ポリテクでは乙4の講義しか受けなかったのだが、危険物は第4類だけでなく第1類から第6類まである。4類の試験にも他の類の問題は出るから、一応すべての類の勉強はしていた。だから、最終的には、すべての類を取り扱うことのできる甲種の取得を目標とした。

ただし、甲種の試験はいきなりは受けられない。大学で化学を専攻しているとか、実務経験があるとかの制限がある。試験合格だけでクリアするには、乙種のうち、1類または6類、2類または4類、3類、5類を取得することが条件である。だから、3月に4類を受けた後、6月に1・3・5類を受けてそれぞれ合格、免許を取得してようやく甲種の受験資格を得ることができたのである。

千葉県の後期試験は11月19日の日曜日、場所は前回と同じく実籾にある日大生産工学部である。時間は十分あるので、お遍路期間中以外は毎日過去問を解いて準備した。問題集3冊を3回繰り返し解いたので、それなりに頭に入っているはずである。

はずであるのだが、何回やっても同じところで間違えるのは、年齢的に脳が老化しているに違いない。特に化学式が覚えられない。まあ、これは若かりし頃、高校・大学受験の頃も苦手だったから、老化なのかそもそも頭の構造がそうなっているのかその両方なのかよく分からない。まあ、合格点さえいただければ100点を取る必要はないから、あまり気にしないことにする。

2017年11月19日。低気圧が抜けて前日の雨は止んだが、西高東低・強い冬型の気圧配置で朝から風が強い。朝からというよりも夜中から突風がうなりをあげて雨戸を鳴らすので、よく眠れなかった。朝食はいつものメニュー、トーストとコーンフレーク、サラダ、コーヒー。朝食をとったら支度してすぐに出発しなければならない。

京成佐倉から実籾まで京成電車に乗り、実籾から15分ほどの歩きである。駅を下りると日大に向かう人の列ができているが、心なしか前期(6月)の時よりも疎らなような気がする。会場に着いてもそれほどの人数はいないようで、みんなすんなりと2号館に吸い込まれて行く。

今回の試験室は206号。200人以上入る大きな教室である。甲類の受験者は受験番号からみると60名ほど。残りは乙4である。甲類と乙4では大分違うのだが説明だいじょうぶかなと思っていたが、「退出についてはその時説明します」などとあっさり片付けたので時間が余ったくらいだった。

試験開始まで5分以上間が開いた。私の席はいちばん窓寄りで、すぐ外がグラウンドなので野球部らしき掛け声が聞こえる。大学受験だと部活も遠慮するのだろうが、危険物取扱者くらいだと気も使ってくれないようである。

思えば、45年くらい前からいろんな試験を受けてきたが、おそらくこれが最後になるかと思うと、感慨がある。合格したことも不合格だったこともあるけれど、試験準備のために勉強すること自体は嫌いではなかった。大学の後半くらいには「もう試験はいいや」と思ったものだが、それ以降も入社試験やら運転免許やら今回のような資格試験やら、いろいろ受けた。

もしかすると運転免許の更新にボケていない証明のための試験などができるかもしれないが、今のところ一応は予定されている試験はない。最後の試験になるならきっちり受からないといけないな、と気合いを入れ直して試験が始まった。

試験会場の日大実籾校舎2号館(右)。6月よりもひと気が少ない受験会場でした。

2.中性子の質量なんて言われても・・・

危険物取扱者甲種の試験問題は45問、制限時間は2時間半である。45問の内訳は法令が15問、物理・化学が10問、危険物の性質・消火が20問で、それぞれの科目ごとに60%以上の正答率が求められる。

まず、問題1から15までは法令である。前にも書いたように、法令という科目自体があまり好きではない。他人の決めた規則はどうだったでしょうという問題に興味が沸かないし、決めた人間がどういう理由で決めたか、決めた本人以上に分かる訳がないからである。

それでも、2問を除いてあまり迷うことはなかった。

1.保安検査の対象は、地下タンク貯蔵所か屋外タンク貯蔵所か。

保安検査とは、また細かいことを聞いてくるものである。私の場合、定期検査とか予防規程とか危険物保安監督者の要不要ですらおぼつかないのに、市町村長が行う保安検査までは手が回らないのであった。移送取扱所なら分かるのだが、あと一つ何だったか。地下タンクか屋外タンクの2択まで絞ることができ、あとは2分の1。屋外タンクを選んで、結果的にはセーフ。

2.2類と混載できないのは、3類か5類か。

混載禁止の問題は割とよく出題されるが、4類は1・6類以外とは混載できる。では2類(可燃性固体)はという問題だが、覚えていなかった。3類は自然発火・禁水、5類は爆薬、どっちもだめなんじゃないかと思うが、5類の方が怖そうなので選ぶ。帰って調べると3類はダメで5類はOK。これは覚えてないとできない。こういうのは昔から苦手である。

引き続き、一番心配した物理・化学の10問。こちらも迷ったのは2問。

3.どっちが嘘?「陽子は中性子より軽い」「原子核の質量は陽子+中性子より軽い」

そもそも原子と陽子・中性子の質量の問題を危険物取扱者で出すのかという話だが、これも2択に絞った。私のつたない物理の知識では「陽子と中性子の質量は同じ」「陽子と中性子の質量を合わせると原子核の質量」のはずなのだが、40年間で物理の基本理論が変わったかもしれない。後者の方が怪しいと思ったのだが、なんとか正解を引き当てたようだ。陽子の重さは電子の分だけ中性子より軽いらしい。

4.1モルの物質を燃焼させたとき、酸素が2モル必要となるのは何か。

5つある選択肢のうち、酢酸は確かCH3COOHなので、2O2必要である。ところが酸化プロビレンの分子式が分からないものだから、確信が持てなかった。プロピレンというくらいだからCは3つのはずで、そうなるとOは6つ以上必要だろうと思って酢酸にしたが、なんとか正解だったようである。酸化プロピレンはCH2CHOCH3で、アセトンCH3COCH3の異性体。

ありがたいことに、法令も物理・化学も過去問に出ている問題が多く、ひねくれた問題が少なかった。定期点検が必要なのは100倍か150倍かとか、pHとか聞かれたら嫌だなと思っていたのだけれど、そういう問題はなかったので助かった。あとは性質・消火の20問だけだ。

5.本当?嘘?「過酸化カルシウムが分解すると水素を出す」
6.「亜塩素酸ナトリウムが分解すると水素を出す」

この2問は続けて出題されたので迷った。1類危険物が分解されて出すのは酸素と記憶していたので第一感は両方嘘だが、2題続けて同じような質問と答えになるのはおかしい。

どちらかが引っかけ問題だと思ったけれど、そこで考えた。もし、どちらかを直して、そちらが正解だったら両方間違いになる。それよりは、1つは間違いかもしれないがそのままにしておいた方がいい。多分、この2つの問題は2つのうち1つだけが正解だろうと思う。

7.アジ化ナトリウムはエーテルに溶けるか?

アジ化ナトリウムの間違い探しは、選択肢5つのうち他の4つは合っていそうだ。残りの1つが「ジエチルエーテルに溶ける」これは分からない。ナトリウムが入っていると大抵水には溶けるのだが、エーテルまで覚えていない。いくら考えても分かりそうにないので、溶けない方に賭けてみたらそうだったみたいだ。

8.硫化リンの色は何色?

硫化リンも間違い探し。融点・沸点は合っているようで、問題は「白色の結晶である」かどうか。自慢じゃないけれど、赤とか黒は覚えているが白、黄色、灰色は全然覚えていない。純粋なら白で市販品は不純物が入っているので灰色なんていう危険物もある。硫黄が入っているから黄色かもしれないと思って選んだら、当たっていたみたいだ。

9.アクリル酸は冬の戸外では凝固する?

アクリル酸も間違い探し。乙4の時にも出て、確か水溶性のはずだ。だから「水に溶けない」が間違いのはずだが、「冬の戸外で凍ることがある」というのが本当か嘘か分からない。きっと凍るんだろうと思って水溶性に賭けてみた。帰って調べると融点は20℃くらいで氷酢酸並み。これはあまり参考書には載っていない。

性質・消火も迷ったのは5問で残り15問は大丈夫そうだ。アゾビスイソとかペンタメチレンテトラミンとかヒドロキシルアミンとか、マイナー危険物が出なくてよかった。

見直しして再確認する。法令と物理化学は8割、性質・消火は75%は取れた計算になり、合格圏には楽に入っている。だとすれば、変に見直すよりもこのまま提出した方がいい。2時間半の試験時間を半分残してしまったが、11時20分に退出した。すでに風は止んで暖かいくらいになっていた。

合否発表は12月7日、2週間以上先である。


到着した結果発表ハガキをみると、法令で1問、物理化学で1問間違えただけでした。

3.堂々合格!! 甲種危険物取扱者

12月7日、結果発表の日になった。正午過ぎに消防試験研究センターのホームページから結果をみると、・・・あった。大丈夫とは思っていたものの、実際に合格者の番号の中に入っているのを確認するのは、気持ちのいいものである。

千葉県の甲種合格者は185名。番号をみると、私の受験した部屋の他に受験者は二百数十人いたよううである。番号からみると全部で408名+αが受験している。1割くらい当日欠がいたので、正味受験者は370人くらい。ということは、合格率ほぼ50%ということになる。

翌日さっそく届いた結果発表のハガキを見て、ちょっとびっくりした。法令は93%、物理化学は90%、性質・消火は100%である。法令・物理化学で8割、性質・消火で75%は大丈夫と思っていたけれど、予想以上の出来である。特に性質・消火が全部合っていたとは驚きである。つまり、2問続けて「第1類を分解すると水素」という間違いを探す問題が出たということである。

ともあれ、これで「60の手習い」、昨年のちょうど今頃からスタートした職業訓練と資格試験は、めでたく中締めということになる。何はともあれ、お疲れ様でした(と自分に言っておく)。

この1年で取得した資格の中では、電気工事士第二種の免許はさっそく有効に活用させていただいている。新築から17年経ったわが家の電気関係はいろいろガタが来ていて、これまでも蛍光灯からLEDへの付け替えなどの工事におカネを払っていた。これからは、やろうと思えば自分で器具を探して来て自分で工事することができるのである。

しばらく前から気になっていたのは、ほたる灯(位置確認灯)のランプがつかなかったり消えかかっていたりしたことで、この工事は電気工事士の資格がないとできない。これからは大手を振って自分でできるので、ホームセンターでほたる灯600円弱を買ってきて早速取り替えてみた。

スイッチの部分を外して、新築の時に業者さんがやった取り付けをみると、器具の結線で被覆を剥きすぎて心線が露出している。「これじゃ剥きすぎ。試験落ちるぞ」とか突っ込みながら器具を交換した。業者さんにお願いしたら何千円かはかかるだろうから、もう2つ取り替えて免許費用の元は取れたかもしれない。

[Dec 13, 2017]


電気工事士の資格を活用して修理したわが家のほたるスイッチ。