109 田酒に続き亀吉も品薄に~せいうち日記109 [Mar 12, 2018]

冬の間の日課だった朝の結露拭きが、2月下旬になるとようやく一段落してくる。気温の低い日はあるものの氷点下の冷え込みは少なくなり、毎日何枚も雑巾が必要になるほど結露がひどいということはなくなる。抗アレルギー薬「ザイザル」、点鼻薬・点眼薬が欠かせなくなるのもこの時期である。いよいよ春が近づいてきた。

昨年の春は毎日ポリテクに通っていたので、リタイアしたといっても半分くらいサラリーマンの生活をしていた。その意味では、初めて過ごすのんびりした春になっている。

さて、そんなのんびりした春に、悩まされていることの一つが日本酒の銘柄選びである。週に2~3回、スポーツジムのない日に奥さんと晩酌をするのがリタイア生活の大きな楽しみなのだが、収入が限られるので贅沢は言っていられない。若い頃はいろいろな酒を飲んでいたけれど、最近ではエビスビールor淡麗生350mlを1本ずつとワインor日本酒というのが定番である。

ワインについては、幸いなことに現役時代に仕入れたワインがエノテカのワインセラーにまだ何年分かはあるので、普段飲みのチリワインを月1度買うくらいで済むけれども、日本酒はちょっと難しい問題がある。青森の「田酒」と「亀吉」がごひいきなのだが、いずれも品薄で入手が難しくなっているのである。

日本酒の銘柄では、十五年くらい前まで「久保田千寿」を愛飲していた。たまに新潟に出張があると、新潟駅の売店で安く売っているものだから1升瓶を2本買って帰ってきたことも何回かあった。久保田の場合、「百寿」ではもの足りないし「萬寿」は高い上にそれほどおいしいと思わないので、「千寿」がちょうどいい頃合いなのであった。

ところが、2004年に起こった新潟県中越地震で蔵元が被害を受けてしまった。その後再開して現在に至っているが、味が変わっているのとあまりに大量生産しすぎなような気がして、以来久保田からは離れて現在に至る。

次に気に入ったのは「田酒」である。田圃の酒という秀逸なネーミングだが、実は「西田酒造店」の真ん中の2字を取っただけというシンプルさもまたいい。名前よりも何よりも、味わいがまたすばらしいのである。きりっとした淡麗辛口で、アルコールくささが全くなく、冷酒にして飲むと何とも言えない滋味が広がる。夫婦そろっていっぺんに気に入ってしまった。

あまりに気に入って、青森まで行って飲んできたくらいである(飲む話食べる話「田酒の旅」)。ところがこの記事を上げたあたりですでに品薄だったものが、最近はさらに入手困難となり、普通に買うと1本1万数千円するというのでは、リタイア後の懐には厳しすぎる。たまに何とか入手するものの、コンスタントに飲むという訳にはいかなくなった。

そんなふうに困っていた時、当時の記事を探すと2015年だから3年前になる。やはり青森に出張した際に店で見かけた亀吉という酒がたいへんにおいしかったのである。風味としては田酒に一歩譲るかもしれないが、アルコールくさくなくきりっとしたところは田酒以上ともいえるくらいである。何より、価格が3千円以下で庶民的なところがよい。

折りしもリタイア間際の支出切り詰め時期にあたっていたものだから、この亀吉を2~3本ずつ地元の酒屋さんから送ってもらって飲むという生活が2年ほど続いていた。しかし、その状況は長くは続かなかった。とうとう亀吉も、品薄状態となってきたのである。

普通に楽天とかで買うと5~6千円に値上がりしている。なじみの酒屋さんならこれまで同様の値段で買えるのだが、1回に1本しか買えない。1本だけでも2本でも送料は変わらない上に、1本の場合はパッケージ代が取られるのでたいへん割高である。たいへん困った事態になってしまった。

という訳で、去年の終わりくらいから新たな銘柄探しに右往左往しているのである。田酒も亀吉も青森なので青森の銘柄なら口に合うものがありそうだが、なかなかそううまく行かず、結局飲みづらくて料理酒にするということを繰り返している。そういえば内田百閒が、灘の大吟醸が口に合わず料理酒にしたと書いていたが、同じような悩みをかかえている今日この頃である。

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最近品薄となっている亀吉。グレードはいろいろありますが、普通の「特別純米辛口酒・精魂一途」が個人的には一番好きです。