522 広沢寺温泉 [Mar 25, 2018]

この日のスケジュールを予定どおり終了して広沢寺温泉まで下りてきたのは午後2時半前。3時間に1本のバスが出るのは3時10分だから、あわただしいけれどもひと風呂浴びていくことができる。去年来た時にはバスの時間が分からずここを素通りして七沢温泉まで下ったが、今回はこちらにお伺いするつもりでちゃんとHPも調べておいた。

広沢寺温泉は林道から建物が見えるのだが、いったん通り過ぎて側道を戻り、一軒宿で風情のある建物の正面に出る。バス停は宿の真ん前にあるここが始発なので、厚木まで40~50分かかるが座っていければ問題はない(座っていければ、だが)。

玄関を入ると、廊下からその先から人でごった返していた。すぐには気付かなかったが、梅ノ木尾根ですれ違った20人超の老人グループである。20人もまとまって休める場所がないコースを歩いてきたあげくに、こんな小さな旅館の日帰り温泉に大挙して押し寄せていたのである。

ようやく仲居さんを見つけて、入浴料の1000円を払う。HPに立寄り入浴は露天風呂だけと書いてあったのでそれは承知していたが、なんと脱衣所も外にあって、露天風呂の浴槽に面して棚が置かれているだけであった。もっとも、浴槽から見える位置にあるので、鍵付きロッカーにしなくてもいいのは安心である。

カランは3つしかなく、浴槽も6~7人しか入れないから、それほど広くはない。落ち葉やらいろんなものが落ちているのは露天だから仕方ないとはいえ、1000円払ってこれでは少々物足りない。つい十日前に松山で入ったキスケの湯が、650円で施設完備だったのに比べるとえらい違いである。

泉質は強アルカリ泉と書いてある。なるほどすべすべする。沸かしているはずだが湯温がぬるく感じるのも露天のせいだろうか。外には老人パーティーが20人以上で休憩スペースを占領しているが、露天風呂は3、4人しか入っていない。みんな最初は、これで1000円取るのかという顔をしているが、お湯は決して悪くはない。

山の中とはいえ、厚木市街から40分ほどで来れる訳だから、宿泊需要がそれほどあるとは思えない。料理がすごいのならともかく、名物が猪鍋ではちょっと難しい。ならば日帰り入浴で集客するしかないと思うのだが、これでもう一度来ようと思う客がどれだけいるだろうか。

すぐ近くの七沢温泉の方が、まだ日帰り入浴向けにそれなりに整備されていたのに、ここの宿は内湯は使わせないし、露天風呂の設備は海水浴場のシャワー並みである。それでも、客が4~5人というのであれば仕方がないが、大人数入れてロビーも休憩室も一杯なのである。

幸い、体を拭いて着替えて出て来ると(繰り返すが、更衣室も戸外である。露天だから当然といえば当然だが)、大人数の老人パーティーは引き上げた後だった。がらんとした休憩室(ここも戸外である)に座って、自販機の飲み物でひと息つく。さっきの老人客はテーブルの上にそばのざるだの皿だの置いて帰ったので、たぶん食べ物を頼むことができるのだろう。

定刻10分前にバスに向かうと、すでにバスは止まっていて、驚いたことに座席は件の老人連中がすべて占めていて一つも余っていない。こんな大人数でマイナールートを歩きに来て非常識とは思っていたが、まさかバスの座席を全部占領するとは思わなかった。近くに駐車場があるし、これだけ大人数なら別途手配するのが当然だろう。

大人数のグループには以前から不愉快な思いをさせられてきたが、自分達が良ければ他人はどうでも構わないという主張をこれだけ続けられると、もうどうしようもない。バスの中では、じいさんは眠りばあさんはずっとしゃべり続け、一般登山客は大きなリュックを持って立ちっぱなしである。

西東京バスなら増発させるのだが、神奈中バスはそんな機転も利かず、すぐ後ろをがらがらのバスが走っているのにそのまま厚木まで走り続けた。こんなことになると分かっていたら、広沢寺入口まで歩くか、途中で下りて後のバスに乗り換えるべきであった。でも車内は激コミで、途中で下りることもできなかったのである。

[Apr 23, 2018]


広沢寺温泉玉翠楼。悪くない温泉ですが小規模なので、20人とかのグループで日帰り入浴に来るのは、宿的にはどうか分からないが客的にはどうでしょうか。