007 電気工事を自分でしてみた [Jun 1, 2018]

昨年秋に第二種電気工事士の免許を取り、一般家庭の電気工事ができるようになった。これまでも自宅のほたるスイッチの取り換えとかLED一体型の直付けなど、「取り付けは電気工事士に依頼してください」の機器を自分で施工してきたのだが、今般、新たなミッションが発生した。奥さんの実家の電気工事である。

こちらの家は積水の建売で、築年数としてはわが家よりも新しい。ところが、注文建築と建売の違いといえばそれまでだが、いろいろガタがきている。最初は暗くなってきている蛍光灯をLEDにしましょうということで取りかかったのだが、始めてみるといろいろ問題が出て来て大変だった。今回、その経緯を「職業訓練実践編」としてお届けしてみたい。

まず、台所の巨大な蛍光灯を取り外す。すでに蛍光灯が一本ダメになっていて、おまけに安定器も寿命なのでぶんぶん音がうるさかった。外してみると5kgはあろうという重いもので、よくこんなものを天井にくっつけていたものである。新しいLED一体型はわずか1kgほど。明るい上に軽くなって天井も台所もうれしそうである。

次に玄関と廊下の照明である。玄関は大きな蛍光灯で、廊下はごつい笠のついた白熱灯である。築年数は浅いのに、蛍光灯は暗く、白熱灯は一つ飛んでいて、三十年前の機器のように古びている。三十年前が悪い訳ではない。パナソニックのほたるスイッチなどは、四十年近く前から発売されていていまでも現役バリバリだ。

せっかくなので、すべてLED一体型で統一することにした。コイズミの薄型LED、AH42162L。直径13cmと小さいにもかかわらず、白熱球60W相当(使用電力は6W!)、重さはわずか0.3kgだ。わが家でも徐々にこれに切り替えている。工事が必要な業務用だが、ポピュラーなのでamazonで注文するとすぐに届くのもいい。送料込みで3,020円。一昔前のLED電球の値段である。

ところが、最初から備え付けてあった蛍光灯を外そうとすると、妙なことに気づいた。本来、電源線が出ているのは機器中央の穴のはずなのに、外枠ぎりぎりのところからVVF2心が出ている。電源線から正規に機器を取り付けると、天井の中央にならない。それをごまかすために、電源線を外枠近くの別の穴から通し、サイズが合わないのをアルミホイルでごまかしている。

おそらく、電気設備工事の際、設計書どおりに穴を開けないで変な場所に穴を開けたのであろう。それをごまかすために、わざと大きな笠の蛍光灯を選んだのかもしれない。建売ってこんなものなのだろうか。買主が気づくのは機器を取り換える時だけなので、その時には保証期限は経過しているという訳である。

もっと驚いたのは、スイッチを取り換えようと枠を外した時である(写真)。VVFのカバーが見たこともない色(バチ物?)なのはともかくとして、ポーチライトから来ているVVF3心のうち、スイッチにつながっているのは赤と黒だけである。白線はというと、ビニルテープでぐるぐる巻きにしてどこにもつながっていない。

予想されることは二つ。一つは2心を使うべき所を3心で工事して、向こう側もこうやって処理しているケース。反則ではあるが実害はない。もう一つは、設計図とは違うスイッチを使用したために白線をつなぐ場所がなく、困ってこうやってごまかしたケース。このケースでは向こう側がつながっているので、漏電・感電の原因となりかねない。

いずれにしても設計図どおりに工事していないことは明らかで、これがプロの仕事かとあきれた。資格を持っていても、モラルのない業者にかかるとこんなものである。いくら森本レオが宣伝したところで、下請けがきちんとしてなければちゃんとした家にはならない(森本レオだからか)。

さて、どちらの可能性をとるか。一晩考えて、おそらく後者のケースではないかと疑った。バチ物のスイッチしかないので、それに合うように配線の方をネグったと推測される。だから、白線の向こう側はつながっていて、かえって危険である。3線用のスイッチを買ってきて白線を処理し接続したところ、案の定、正常に動作した。言語道断である。

わが家の電気工事をしていても、VVFに縦の切れ目を入れていたり、接続部分から心線が見えていたり、電気工事士実技試験ではアウトになる施工が目についてはいたものの、ここまでひどい事例にお目にかかることはなかった。それでも試験は通っているのだろうから、いい加減にやっているという証拠である。不慣れでも、自分でやった方がはるかに安心できる。


廊下にはごつい笠の白熱電球が付いていましたが、コンパクトなLED一体型に換えたらすごくすっきりしました。


VVF3心の白、末端をビニルテープでぐるぐる巻き。言語道断である。これがプロの仕事かとあきれた。

 

キッチンの次は洗面所である。洗面所は浴室の隣にあって更衣室を兼ねている。それほど広くはないが、浴室からの湯気が流れてくるので、普通は蛍光灯は使わないで白熱電球にするはずなのに、よく子供部屋とかに使われている円形の蛍光灯が使われている。もう二十年近く前のものなので、スイッチを入れてから点灯するまで時間差がある。

カタログからいろいろ探したが、コイズミの防雨防湿型シーリング、AU45014Lがよさそうだ。屋外にも使用可能なくらい防湿効果があるだけでなく、設置半径が大きいのでこれまでの蛍光灯で開けた穴が隠れる。ただし業務用なのでamazonでは売っておらず、WEBで電気関係を手広くやっている業者さんのサイトから注文した。6,445円の代引き、もちろんLED一体型である。

送料・代引き手数料込の6,445円が高いか安いかという議論はあるが、工事不要の引掛シーリング対応の八畳用LEDで6000~7000円はするから、工事費が自前であることを考えれば安いし、そもそも業者さんに頼みに行くとすれば見積りして工事日を決めて1~2週間はかかるから、時間が節約できる。

品物が届いたのでさっそく工事に行く。これまで設置していた機器が重いのは、キッチンの蛍光灯と同様である。キッチンの5kgほどではなかったが、2kg近くはありそうだった。新しいLED一体型は0.9kg、そして、蛍光灯のように蛍光管を入れ替える必要はない(というか、できない)。このまま私の生きている間くらいは使い続けられるはずである。

設置してブレーカーを上げ、スイッチを入れると即座に点灯した。蛍光灯のように動作を待つ時間もなく、光源も安定している。そもそも、こういう場所は白熱電球が普通で、そうすればすぐに入れ換える必要もなかったのだが、積水は何を考えていたのだろう。

今回の締めとなる作業は、門柱灯であった。この門柱灯、建売で何年も放置してあったのがよくなかったらしく、住み始めてすぐに故障したらしい。購入後間もなかったので売主の積水に修理を依頼し、いったん直ったのだがまたすぐ故障、面倒なのでポーチライトのみで十年ほどやり繰りしてきたそうである。

まず、電灯を正常に動くものに入れ替えてみるが、案の定つかない。電灯をみても、動作していればあるはずの黒ずみとか虫が寄ってきた跡とか全くなく、点灯した形跡がない。次にスイッチを接続してみる。スイッチを入れても切っても何の動作もしない。ということは、どこかで線が切れているということである。

可能性は二つ、スイッチから機器の間の配線が切れているか、機器が壊れているか。配線が切れているとすれば、さすがに「にわか業者」の私の手には負えない。機器の方はどうか。いったん機器から配線をすべて外し、門柱まで来ている白線と黒線をテスターで調べてみる。抵抗を調べると動く。そして、ブレーカーを入れて交流電圧をみると、なんと100V来ている。

ということは、ここまでの配線に問題はなく、門柱灯の機器が壊れていたということである。積水はいったい何を直していったのだろう。さて、門柱のコンクリへの固定は屋内とは違って簡単にはいかない。これまでの機器はカールプラグというコンクリ用のねじ穴を埋め込んでいて、できれば同じ穴を使いたい。その間隔を計ると80mmであった。

ところが、こんな広い間隔は現在の主流ではないらしく、普通に探すとたいてい68mmである。困ったな、コンクリに穴を開けなきゃいけないかなと思ってよく探すと、パナソニックの製品で対応しているものが僅かながらあった。 パナソニックのエクステリア・アウトドアライト、LGW85040YKである。もちろん業務用で、送料・代引手数料込10,663円であった。

こちらも代引きで1週間ほどして届いた。5月下旬は危うい天気予報の日が続いたが、雨が降り出す前に工事にとりかかる。製品付属の木ネジだと長くてカールプラグに収まりきれないので、少し短い木ネジに代えて固定する。白線と黒線、アース線をつないでスイッチを入れてみる。無事に点灯。かくして十年以上未点灯だった門柱灯が復活したのでした。

これまでの門柱灯はシーリング材で防水しておらず、あるいはこれが故障の原因かと思われたので、ジョイフル本田でコンパクトなシリコンシーリングを380円で買ってきて防水。さすがにこちらはプロのようには行かず見た目がよくなかったが、とりあえず防水の役には立っているので勘弁してもらう。

かくして、奥さん実家の電気工事は一段落。電気工事士の資格を役に立てることができました。コイズミやパナソニックのカタログを見て、WEBで調べた通販で注文すると製品価格だけ払えば自分で工事できるのはうれしい。手軽かつ経済的であるのに加え、他人に杜撰な工事をされなくて済むいうメリットがあることも分かったのは、たいへん有意義なことでした。

[Jun 1, 2018]


洗面所・更衣室用防湿型シーリングライト。もちろんLED一体型。天井に張り付く面積が大きいため、これまでの蛍光灯を設置した穴が隠れるのがいい。


新装なった門柱灯。屋外なので一体型ではなくLED電球付。シリコンシーリングが下手なのはご愛嬌。