215 大師の里湯(善通寺いろは会館) [Oct 16, 2018]

善通寺は八十八ヶ所最大のお寺であり、霊場会の本部でもある。お寺がそのまま市の名前になっているように、昔から門前町として栄えてきた町である。観音寺もお寺の名前が市の名前になっているが、お寺の規模は善通寺の方が相当大きい。

いろは会館は宿坊であるとともに、善光寺の事務室があり、お坊さんも食事をとる食堂がある。さすがに弘法大師が生まれ育った地であり、家族経営がほとんどの札所と異なり企業体といえる規模である。

「いろは会館」とはもちろん、弘法大師がいろは四十七文字を作ったといわれることに基づくもので、宿坊は50室、最大収容人員250人と八十八ヶ所最大の規模を誇る。

その浴室も収容人員に応じたたいへん立派なもので、「大師の里湯」と名付けられている。大師の・里湯なのか大師の里・湯なのか迷うところだが、細かいことを気にしても仕方がない。弘法大師が杖で突いたら温泉が出たという場所は全国いたるところにあるが、この温泉の湧出地も善通寺町三丁目だから善通寺の真下であり、もちろんお大師様由来なのだろう。

入浴開始の午後4時に入りに行ったら私だけで、こんな大きなお風呂を一人で使っていいのかと思ったくらいだったが、夕方遅くになるとバスツアー遍路が何十人と到着したので、その人達が入ると一杯になってしまうのだろう。

脱衣所にも何十という棚があり、籠が置かれているのだが、温泉施設につきものの洗面所が少ないのは宿坊ならではというところか。この宿坊、トイレはたいへん新しくウォシュレットも最新式なのだが、洗面所は昔ながらの流しで、蛇口も水だけしか出ないのはこれもお寺らしいところである。

脱衣所に泉質表が貼ってある。ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩泉。石灰分の強い重曹泉であり、湧出温度は18.6度なので沸かし湯ということになる。今回お遍路で回った温泉は愛媛・香川県境近くで、地理的には比較的近いのだが、微妙に泉質が違うのはおもしろい。

お湯は特に匂いもなく、刺激もないが、前日まで2泊続けてビジネスホテルのユニットバスだったので、ゆっくり手足を伸ばせる大きな湯船は格別であった。ゆっくりさせていただいたおかげで、翌朝1時間にわたる朝のお勤めで正座したけれども、ぶざまな真似をしなくで済んだのは何よりだった。

[Nov 23, 2018]


さすがに善通寺、宿坊にこれだけ大きな浴室を作るんだなあと思ってたら、バスツアーの団体客が泊まるんですね。