095 パッキャオ、40歳初防衛 [Jan 20, 2019]

WBA世界ウェルター級タイトルマッチ(2019/1/19、ラスベガスMGMグランド)
マニー・バッキャオ O 判定(3-0) X エイドリアン・ブロナー

私の採点はジャッジ2人と同じ116-112。いくらブロナーが「俺の勝ちだ」と言ったところで、手数も少なく決定的な場面も作れなければ、判定に文句を言うことはできない。

正直なところ、試合前の予想を書く気にはならなかった。パッキャオの現在の立ち位置は、チャンピオンとはいってもクラス最強を争うところから遠く離れていて、かつて自らが破ったデラホーヤとかコットの位置にいる。そして、ブロナーはかつてのマヨルガとかフェルナンド・バルガスに比せられる。40歳の中量級チャンピオンが、Favoriteになるようなカードで、まじめに予想する気にはなれない。

たまたまマティセの力が落ちていたのと打たれ弱かっただけで、前回のKOは8年振りだったほどこの階級でのパッキャオは限界であった。ブロナーがマイダナ戦前の出来であれば、本来ブロナーが圧勝しなければならない試合である。あえて試合前予想をするならば、そう書いただろう。

ところがブロナーは精進を怠ってしまい、20代にしてボクシングの伸びしろをなくしてしまった選手である。今回に限っては、パッキャオ相手ということでキャリア初めてといっていいほどまじめにファイトしたのだが、残念ながら怠けた期間が長すぎた。

ブロナーもメイウェザーと同様スーパーフェザー(ジュニアライト)からスタートしたが、生活の乱れがウェイトを増やしたのではないかと疑うくらい、クラスを上げてからスタミナがなくなった。瞬間的なスピードは最後まで衰えないものの、スタミナに自信がないためか1Rから12Rまでずっと待機策である。これでは勝てないし、面白くない。

私は、ブロナーのボクシング能力はマイキーとかスウィフトより上だと思っていたし、油断負けしたマイダナ戦の前までは、メイウェザーを追って5階級制覇するだろうと多くの人が考えていた。実際、スーパーフェザー、ライト位まではすべて圧勝、KOの山を築いてきた。

ところが、スーパーライト以降の試合は、勝つ気がないのではないかというほど手が出ない。カウンターを決めても追い打ちがかけられない。今日の試合でも、かつてのブロナーであれば、パッキャオの突進を目の先三寸で見切ってカウンターを打てたはずだし、実際、数は少ないが決めていた。ところが、そこから倒しにいけないのである。

声を出しながら前に出て行く試合も以前は多かったのだが、今日の試合では終始パッキャオに前に出られて、テクニックをみせるのが精一杯。10歳以上年が離れているとは思えない試合だった。今後も、ネームバリューがあるのでどこかの王者決定戦に出る機会はあるだろうが、階級最強を争うクラスまで浮上するのは難しいだろう。

かたやパッキャオ、40歳を迎えての初防衛戦を快勝した。KOを逃したのはこのクラスなので折込済で、あるいはリングサイドにいたメイウェザーと再戦ということになるのかもしれない。

仮にそういう試合が決まったとしても、階級最強をめぐる戦いという訳ではないので、あまり興味が沸かない。ホプキンスは50歳近くまで世界戦線に生き残ったけれども、スティーヴンソンのような例もある。フライ級からスタートしたパッキャオは、まだできるというところでグローブを置くのが正解だと思う。

[Jan 20, 2019]