リタイア3ヵ月

ごあいさつ
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7月末でリタイアして、3ヵ月が経過した。

前にブランクがあった25年前は2ヵ月半で再就職したから、最長不倒ということになる。できるだけ生活ペースを変えないように過ごしているので、改めてどうこうという感じはしないが、考えてみればどこにも所属していないというのは子供の頃以来のことだ。

毎朝出勤しなくたって、社員証を持っていなくたって、朝になれば明るくなるし日が暮れると夜になる。別に地球は私のことを考えて回っている訳ではないし、私の身の振り方が変わったところでどこの誰に影響するものでもない。ごくごく限られた家族とか周りの人に関わりがあるだけである。

先月はしばらくの間、四国に遠征していた。第5次の歩き遍路区切り打ちのためである。リタイアしたらのんびりいろいろ考えながら歩けると思っていたのだが、実際には、坂道になれば早く登ってしまいたいと思うし、トイレや水のことやら、スケジュールのことやら考えてばかりいる。貧乏性といえばそれまでだが、なかなか悟りの境地にはたどりつけないものである。

日常生活も同じようなもので、資金計画は破たんしないよう計画を練ってあるのだけれども、失業保険はちゃんと入ってくるのかとか、年金をもらうのを遅らせるにはどうするかとか、いろいろと考えてしまう。

自分では、せっかくなくなったストレスの種を作っているような気もするのだが、もしかすると生きているということはこういうことなのかもしれない。昔、山岸凉子の「妖精王」で、「悩む者」が生き返らせる薬で、「悩まぬ者」が死んでしまう薬という場面があったが、きっとそうなんだろうと思ったりする。

[Nov 1, 2016]