仮想現実より現実、Twitterより直の発言

ごあいさつ
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LineもFacebookもアカウントがないし、Twitterなんてやったことがない。だから、どこに誰がいるとか知らないし、そもそも興味がない。奥さんに至ってはスマホすら持っていない。

アメリカでは、記者会見がなくなってみんなソーシャルメディアで何億人というユーザーに直接発信している。でも、発信する内容がトランプのように与太話ばかりだから、聞く価値もあまりない。

直接発信しているといったところで、本人が入力しているかどうかは分からない。日本だと「秘書が勝手に打った」とはじまるのだろうけれど、一応アメリカでは自分のスマホから発信しているところまでは保証されているようだ。

こうなると、現実も仮想現実もたいして変わらないと改めて思う。政治家の場合は秘書とか政策立案スタッフも含めて「大統領」「大臣」とか「議員」という会社みたいなものだからそれでいいけれども、個人でそこまでやる必要はあまり感じない。

ブログを20年近くやっているけれど、徐々にアクセス数が減少している。おそらく、長い文章を読んで考えるという習慣がなくなってきているせいだろう。人のブログをみていても、瞬間的に消費されるような内容がたいへん多い。

他の人のブログや文章を読んで、「なるほど」と思ったり「それは違うだろう」と考えたりしたい。けれども、そういう層はだんだんネットの世界からいなくなっているかもしれない。

「ブログ村」というところで更新のお知らせを出しているけれど、人目を引くようなタイトルは中身がないものが多いし、毎日嘘の記事を書いてアクセス数を稼ぐサイトもある。毎日亭主が浮気したり病気になったり、死んで遺族が更新する訳がない。

小説だって嘘だから読む人が読めばいいのだけれど、みんなこういうのに興味があるんだなあと思うと何だか寂しい。かつてのパソコン通信は、ハンドルネームでやりとりしていたけれどもっと真実味があった。

おそらく、仮想現実はどこまでいっても現実ではないし、ソーシャルメディアはどこまでいっても直の発言ではない。現実の人間の息遣いとか身振り手振りがないネット上の発言は、所詮そこまでのものである。

メタバースで感動する人がいるのは、ドラゴンクエストを朝から晩までやったので分からないではないが、あのCEOのアバターを誰が見たいのかと思う。それよりも、山に行って景色を見る方がずっといい。

じゃあなぜお前はブログやホームページを作っているんだと言われそうだが、私は最初から過去の自分・将来の自分を想定読者として書いている。「お客様は神様です」というのは、もともとそういう意味じゃないかと思っている。

[Nov 11, 2022]