514 大正池から明神 [Oct 16, 2012]

めぐり合わせというのだろうか、長野県までは何度も来ているのに、上高地に入ったことがなかった。昔から上高地は交通規制が厳しかったから、避けるところがあったのかもしれない。今年は何とか平日に休みが取れたので、出かけてみることにした。

家を5時に出て松本インターに着いたのが9時。ここから駐車場のある沢渡(さわんど)までが長くて、さらに1時間かかった。沢渡からはマイカー規制のため、バスかタクシーでしか入れない。ちょうど駐車場に待機していたタクシーを使う。奥さんと2人なので、バスを使うより若干高くなるだけである。

車中、運転手さんがいろいろ説明してくれる。この日の予定は大正池から明神までだが、遠くに見える山並みのいちばん奥が明神岳で、その麓が明神になるらしい。ずいぶんと遠くに見える。年季の入ったトンネルが続くが、上高地に入る最後のトンネルだけが新しい。このトンネルができるまでは時間毎の片側通行で、さらに時間がかかったとのことだ。

20分ほどで大正池へ。昔は、上高地の代名詞が大正池であったように思うのだが、いまや大正池の周りにはそれほど人は多くない。道東のトドワラと同様、立ち枯れの木がほとんど倒れてしまったこともあるだろうか。それでも、大正池ができる原因となった活火山・焼岳を間近に見る景色は雄大である。

遊歩道を約1時間歩いて、河童橋へ。思ったより人が多くない上に、「2日前に熊の目撃がありました。」という貼り紙があって、ちょっと緊張する。最近はどこに行っても熊情報が出ているので、クマ避け鈴は常備する必要がある。

それにしても、梓川をはさんで穂高連峰の景色はすばらしい。TVではよく映る場所であるが、実際に見るのは初めて。頂上の方は雲に隠れて見えないが、何というか、登れるもんなら登ってみなさいと山が言っているようで、圧倒される。さすが日本を代表する景勝地である。

河童橋の近くまで来ると、いよいよ山並みが目前に迫ってくる。正面の雪渓沿い、標高差で数百m上に屋根のようなものが見える。岳沢小屋という山小屋のようだ。あそこまで登ってみたいと思うけれど、もうお昼なので登ったら下りて来れないだろう。

河童橋の上は写真を撮る観光客でごった返していたが、明神に向けてちょっと歩き出しただけで人通りは全然少なくなった。せっかく上高地まで来て、バスターミナルのまわりをうろうろしただけではあまり意味がないように思うのだけれど、それは人それぞれ楽しみ方が違うということだろう。

明神まではほぼ平坦な道。キャンプ場の横を通り、樹林帯を通り、梓川が大きく曲がっているところを通りしていると、明神館が見えてくる。ここから対岸に向けて少し歩くと明神橋、橋を渡ると穂高神社と明神池となる。

梓川の河原、ちょっと高くなったところに座る場所を見つけて休憩。休んでいるグループも2、3組で、ずいぶんと静かである。川の右岸も左岸も、山が間近に迫って何ともいえないいい景色である。来た甲斐があったなあ、また来たいなあと思いながら、川の反対側をバスターミナルに戻る。午前中の雨も上がって、晩秋の涼しい午後を過ごしたのでした。


大正池から穂高方面を望む。さすが上高地という素晴らしい風景。


この日の最上流到達地、明神橋。後方は明神岳。大正池からははるか遠くに見えたのに、目の前です。

[Oct 16, 2012]