711 牛久周辺 [Sep 20, 2010]

しばらく出かけない間に、長く暑い夏が終わりそうである。この前の日曜日は、ぽっかり予定が空いて、そんなに暑くもなかったので、ふと思いついて牛久周辺に行ってみることにした。最初の目的地は、阿見町にあるプレミアムアウトレットである。

家から茨城県南部は、利根川を渡るだけなのにあまり行ったことがない。さらに北の栃木県には年に2~3回は必ず行くのに、妙なものである。利根川沿いを佐原・銚子方面にしばらく走り、長豊橋を渡って茨城県へ入る。そのまま408号を北に進めば牛久方面である。ここから東に方向を変えると、JRAトレセンのある美浦から霞ヶ浦に至る。

最近このあたりには高速圏央道がつくばから南下してきているので、結構太くてまっすぐな道ができている。408号は国道なのに、昔からあるため曲がりくねってしかも細い。プレミアムアウトレット方面は、牛久の中心地へ入る少し前で高速方面に右折する必要がある。なにしろこのアウトレットは高速のIC(阿見東)と隣接しているのである。

最近はやりのアウトレットモール、関西方面に行くたびにりんくうとか三田とかの宣伝をよく目にしていた。もともと、メーカーの規格外品を安く売ったのがアウトレットだから、大消費地の近くには作りにくい(既存代理店に不利になる)。ところが長引く不況のため、メーカーも悠長なことを言っていられなくなったのか、最近では各地にアウトレットが作られている。

アウトレットの大手には、三菱系のプレミアム・アウトレットと、三井系の三井アウトレットパークがある。りんくう、三田、御殿場、そして今回訪問した阿見は、いずれも三菱系のアウトレットである。大規模な開発が必要であり、かつ、高速ICなど交通の便のいいところに立地できる政治力ということになると、やはり財閥系不動産会社が有利なのであろう。

さて、一般道から行くと高速道路を巻いて、裏手から入ることになる。広大な駐車場があるが、思ったほど埋まってはいない。入場門を入ると下の写真のような感じで、人の姿もまばらである。ただし、COACHのお店とフードコートは11時前なのに一杯。アダィダスも結構混んでいたようでした。

家の奥さんは「たち吉」で食器を、フォーションでジャムを仕入れていました。「思ったよりお店が少ない」という意見でしたが、おそらく採算が合えば二期・三期と拡大していくのでしょう。

このアウトレットでもう一つ注目すべきは、間近に牛久大仏があること。高速をはさんで反対側になるが、モール内のどこからでも(店の中とかを除いて)大仏様を見ることができる。

この大仏様、中に入ると800円かかるけれど、近くに行くだけならタダである。この大仏ができた頃墓地と一緒に宣伝していたので、てっきり墓地開発業者が作ったと思い込んでいたけれど、なんと東本願寺の施設であったのには驚いた。身長100m、ブロンズ像としては世界最大の仏様で、浄土真宗なので当然阿弥陀如来ということになる。

 


阿見プレミアムアウトレット。あまり人通りはないように見えるが、混んでいる店は入りきれないくらい混んでいたりする。


牛久大仏。高さは100m、胸のあたりにある展望台は60mくらいになるそうだ。

 

牛久大仏を訪れた後、市内中心部へ走りシャトーカミヤに向かう。ここは以前、牛久シャトーと言っていたと思うが、現在はシャトーカミヤが正式名である。

明治時代に酒造界に一時代を築いた神谷傳兵衛氏が、日本で初めて本格的なワイン醸造所を作ったのが、ここ牛久である。いま考えると、気候的には甲州とか信州とか、もっと適した場所があったのではないかと思うが、おそらく大消費地・東京へ運送するには、もっと近い方がよかったのだろう(野田に醤油工場が立地したのと同様の事情か)。

もう一つ大きな理由は、設立当時ここ牛久周辺には何もなかった(だからブドウ畑や醸造場が置けた)ということがあったと思われる。現在は周辺はマンションや住宅、店舗が並ぶ市街地となっているが、シャトーの昔の写真をみると、周りには何もないのである。

周りにブドウ畑もなくなってしまった現在、ここシャトーカミヤは醸造場というよりも合同酒精のアンテナショップ的存在である。施設自体が国の重要文化財に指定され、建物内にある神谷傳兵衛記念館には、明治の元勲達がここを訪問した際の写真や、当時の醸造用具、主力製品であった「蜂ブドー酒」の古い瓶などがゆったりと展示されている。

さて、私はワインは大好きであるが、国産の葡萄酒は好きではない。ごくまれに白ワインの悪くないものはあるが、シャブリ並みの値段なのであえて選ぶ意味が見当たらないのである。それ以外のほとんどのワインは、国産愛好者の方々には申し訳ないが、ごめんなさいという感じである。もちろんカリフォルニアのナパ・バレーのように、将来急にレベルアップする可能性は少しはあるかもしれないが(それまで生きていられるだろうか)。

そんな訳で、ここも国産のワインだけ売っているんだろうなーと思って、いままで来たことがなかった。今回も、せっかく牛久まで行くのだから、寄って「電気ブラン」でも買って来ようというのが、そもそもの動機なのであった。(浅草の神谷バーは、もちろん神谷傳兵衛氏が開店したことに因んでいる。電気ブランは合同酒精の製品なので、ここで売っているのだった)。

ところが行ってみて驚いたのが、国産のワインだけでなく、海外のワインも結構置いてあるということであった。何しろ神谷傳兵衛記念館の一番目立つ場所に、1950年代くらいからの「シャトー・ラフィット・ロートシルト」(ラベルの絵を世界的画家が描くことで有名。ワイン自体もボルドー最高と呼ばれるクラス)が毎年分展示されているのである。

だから、「電気ブラン」を仕入れた後、思わずワインショップで手頃な値段のものを買ってしまった。鍵の掛かったショーケースの中には数十万円する年代ものの銘柄ワインもあったけれど、もちろんそんなものは手が届かない。2級クラスのセカンドラベルだけれど、それでもいつ開けようか楽しみにしているのでありました。


国指定重要文化財のシャトーカミヤ。中にはレストランやビアガーデン、ワインショップ、そして博物館(神谷傳兵衛記念館)があります。

[Sep 20, 2010]