021 再びイン・ザ・マネー ~テニアン06年5月(ポーカーの奥深い世界第21話) [May 19, 2006]

日付はすでに2006年5月12日に変わっていた。日本時間で11日午後9時前に成田を出発したNW018便は、サイパン国際空港に現地時間午前1時過ぎに到着した。この4月から増便されたノースウェストの夜の直行便、乗るのはもちろんはじめてである。特典がなかなか取れなかったのでまさか混んでいる?とちょっとだけ危惧したが、もちろん乗客はまばらである。3人席の中央に陣取り、占有面積だけならワールドビジネスクラス以上である。ワインを頼むと5$取られるのは玉にきずだが。

コミューター乗り場でしばらく待つと、ダイナスティのKさんと、ハイローラーご三方が登場、まーずさん、びびり姫さん、そしてKさんである。5人でチャーターされたタガエアーへ。中空に明るい満月が出ていて、夜中だというのに月明かりで海岸線も寄せる波も見渡せる幻想的な光景を楽しんでいるうちにテニアン着。リムジンにご相伴させていただいてホテルへ。

今回はトーナメント参加で2泊付くのだが、5Kプログラムに参加する。これは、5000$のノンネゴチップを購入することにより、3泊のルームと180$のF&Bがコンプとなるもので、前回に続いて今回も挑戦することにした。とはいっても180$は使い切れないし、1泊浮くだけなのでリスクも大きいのだが、コンプを気にして打つのが落ち着かないからである。到着したのが3時近かったので、その晩はキャッシャーで手続きだけして部屋に戻る。

翌朝は7時に目が覚める。4時間弱しか寝ていないがそれほど眠くない。早くもギャンブル脳が高揚しているらしい。トーナメントのスタートは午後8時の予定なので、午前中はまず5K現金化の戦いである。現金化の戦いは、大波に乗るよりも確率どおりの結果を求めたいところである。BJ、バカラの控除率の範囲である4~500ドル以内に負けを抑えられれば、コンプの得と大して変わらない。だから本来はミニマムの小さいBJから入るのが正解なのだが、誰もいないバカラ卓へ。やっぱり絞った方が楽しいからである。

ここで、珍しく手が来た。まーずさんと2人で、バンヅラ8目。その後、潮が引いたのでいったんBJに移って、再びバカラに戻るとバンヅラ9目である。5Kのノンネゴを消化してさらにパープル($1000)1枚、ブラック($100)数枚が残り、早くも今回遠征のプラスはほぼ確定した。時間はまだ12時前。ここでいったん部屋に戻って昼休み。サテライトトーナメントまで体力の温存(お昼寝)である。

午後4時にカシノに下りたが、まだサテライトトーナメントは始まっていない。午前便で到着しためぇ社長やLupinさん、ダッファーさんがBJ卓にいる。ごあいさつした後、お気に入りの冷麺定食を食べて待っていたが、それでも始まらない。結局午後6時を過ぎてカクテルパーティーが始まってから、サテライトトーナメントの開始となった。

時間がないためか、Raise or Foldという特別ルール。これは、フロップが開いて以降はコールが認められない(チェックは可)というもので、2人以上が参加するとほぼ確実にオールインになる。私にはあんまり影響はないが、ブラフ or セミブラフで下ろそうという人にとってリスクの大きいルールといえそうだ。一回目は何にもしないうちに10人が4人になったが、手を待っているうちにどんどんブラインドが上がってしまう。結局最初の参加でさっそくレイズ・リレイズ・オールインとなり、そのままゲームオーバーとなった。

2回目のサテライトの序盤で、Lupinさんとオールイン合戦となる。ハンドはKK、LupinさんはAKで確率どおり勝つ。このダブルアップで波に乗った。途中、打ちすぎて大幅にチップを減らしたが、その後じわじわと挽回し最後は地元の常連フランクとのヘッズアップ。4対6で不利だったがなんとかがんばって逆転。賞金350$を獲得した。名誉のみのトーナメントを入れても、久々の勝利である。ただし、次回以降のトーナメントでは、すでにエントリーしている場合には賞金とはならずリバイ権利の獲得となるそうなので、みなさんご注意ください。

トーナメントは8時開始予定がまたもや大幅に遅れた上、参加者が25名と少なく3テーブルの戦いとなった。持ち点は3000点。ラウンド1の25-50からラウンド3の75-150までの90分間はリバイが可能である。私のテーブルには上家に上野の常連Sさん、下家にびびり姫さん。しかし、最初飛び出したのはSさんのさらに上家にいるカリフォルニアスタイルのコリアン(以下、カリフォルニア男)だった。いきなり3者オールインを制して9000点を超えると、毎ハンド参加である。最初はコールで入り、フロップ後おもむろにレイズ、リレイズしてくる。持ち点はあっという間に10000点を超える。かなりやっかいだ。

しかし、そのうちにレイズにリレイズされると下りるようになり、私がチップを増やして7000点くらいにした時には逆に7000点近くにチップを減らしてきた。ここが叩きどころのような気がした。ラウンド3の残りは15分ほど。そろそろ、リバイの仕納めである。ハンドはAJs。そしてフロップにJが出た。ハイペアである。ポットよりかなり大きいがオールイン。まくり目があれば、コールしてくると思った。ここを取れば、ほぼファイナルは確実である。

コールしてきたのは、前回2位の茶髪コリアンダンディ、Mr.ヤンとカリフォルニア男。ポットは15000以上。Mr.ヤンはA持ちだったが、なんとカリフォルニア男は66。そしてフロップで6が落ちているのでセットである。その後リバーでAが落ちたので、いずれにせよオールインになったとは思うけれども、「早まった!」と思った。リバイに追い込むつもりが、逆に私がリパイに追い込まれてしまった。

すでにサテライトを勝っているのでリバイ自体には抵抗がなかったが、それより手持ちチップが3000点に戻ってしまったのは痛い。すぐに3ラウンドが終って休憩となった。ここでリバイ数を確認すると、25人の参加者に対して15である。しかも、日本からの参加者は、開始第一局AAでオールインしたらまくられてしまったというダッファーさんはじめ、ほとんど全員がリバイ、しかも複数回リバイも何人かいた。少なくとも15のうち10は、私の知っている人によるリバイというのはおかしかった。

だがその結果として、賞金プールは12000$にふくれあがり、1着4800$から5着600$までの賞金が確定した。テーブルは2つになり、ここからは、ファイナルテーブルをめぐる戦いである。この時点で3000点はもちろん最下位に近いが、ブラインドはまだ100-200だから追い詰められているという訳ではない。それでも2周回していたら2400点に減ってしまった。ブラインドは200-400に上がり、SB終ってボタンのときにハンドはAQoである。

アーリーポジションからチップをたくさん持ったまーずさんが3倍レイズ。ばたばたと下りて私の番。ここは考えどころだが、コールは中途半端、レイズするとオールインまで行ってしまいそうだ。しばらく考えてフォールド。そして次の回もUTGでまーずさんレイズ。ばたばたとみんな下りて、ボタン前の私のハンドは再度AQoである。ここは迷った。相手がAJとかなら優位だが、ポケットペアくさい。若干不利だけれども、ここを続けて下りるとじり貧になってしまい、”あのときAQで行っていれば・・・”と後悔するような気がした。熟考の末オールイン。いずれオールインになるのなら、攻める気持ちをみせたいからである。

まーずさん迷わずコール。ハンドはAK。まずい!!と思う間もなくフロップが開いてQ、Jが見えた。これなら、仮にターンでKが出てもQのまくり目とTでの分けが残る。結局Kは落ちずに75%をひっくり返してのダブルアップ。なんとか安全圏に脱出することができた。ほっとひと息ついて見渡すと、隣のテーブルに行ったはずのカリフォルニア男の姿が見えない。15000点持ってたので飛んでしまったとは考えにくいし、長いトイレ休憩かな?と思っていたら、結局戻ってこない。後で聞いたら、びびり姫さんがみごと討ち取ってくれたそうである。同じテーブルにいたら、相手のことなど考えずに、「グッジョブ!!!!」と大喜びしただろうと思う。

向こうの卓は5人、こちらの卓は6人という状況で最後のひとりをめぐる争いとなった。本来はこちらの卓でショートスタックがいるはずなのだが、みんなほぼ均等にチップを持っていて飛びそうにない。そしてファイナルが見えているので誰も打たない。一方向こうの卓は、Kさんとびびり姫さんがチップを集めていて、残りの3人がショートスタックという状況だった。こちらの卓はBBがスクープして、向こうの卓のオールイン結果を待つという展開が続く。

そしてやはり向こうの卓からめぇ社長がゲームオーバーとなり、午前1時半、3大会連続のファイナルテーブルが確定した。チップはいつの間にか11200点にまで伸び、ほぼ平均チップの4位で予選通過をすることができた。

3大会連続のファイナルテーブルである。しかも、リバイから立て直して平均チップでのスタートである。予定時刻の午後2時を少し過ぎてからのリスタートとなったが、前回に続くファイナルテーブルのKさんが4万点を超えるチップを持っているので、ぶつかったら一撃で粉砕されてしまう。そのKさんが上家である。金持ちプレイをやられたら、チャンスは少なそうだ。

そして、序盤のオールイン合戦を制して2位に上がって来たのが、下家のカウボーイハットのアメリカンである。つまり、すぐ前とすぐ後にチップ長者を抱えて、やりにくいことこの上ない体制になってしまった。考えようによっては、チップリ2人に立ち向かってくる人が少ない分ブラインドでは参加できるのだが、それ以外ではほとんど参加できない状況である。

そうして動けなかったのと、大変なミスがあって、残り8名でショートスタックになってしまった。チップは3000点ほどで、オールインでもほとんど迫力がない。ここでハンドがAJs。コールで参加して、フロップでJがハイペアとなった。どうみてもここが勝負どころなので、この時点では大きくチップを増やしていたLupinさんが先に打っていたのだがオールイン。LupinさんコールしてハンドはJ7である。

7が出なければ勝ちというシチュエーションだったが、ターンで2枚目の8が出た。リバーはなんと7だったので、薄氷の勝利である。ここで一息ついたのだが、結局あと一歩が出なかった。イン・ザ・マネー争いでは、初日好調だった現地女性がチップリKさんのベットになんと2(デュース)ヒットか何かで付いていってそのままゲームオーバーとなり、あっさり5位以内が確定。次にオールインコールで大きくチップを減らしていたMr.ヤンが沈んで残り4人。Kさんが60%のチップを持ち、Lupinさんが30%、あとの10%を半分ずつ私と第一回大会の準優勝Mr.ダグラスという状況である。

そして、運命の時がきた。すでにブラインドは800-1600。私のSB、Mr.ダグラスのBBで、ここをフォールドすると残りは3000点と少ししか残らない。2人はフォールドして、Mr.ダグラスのチップは私を少し上回るくらい。オールインスチールができるとすれば、ここしかない。ハンドはJTsである。コールされるとすれば、A持ち、K持ち、ポケットペアか。どの場合であっても40%くらいの勝ち目はありそうだ。

覚悟を決めてオールインである。Mr.ダグラスは迷わずコール。ハンドはK4だったか。そして、フロップで4の方がヒットした。そのまま何も起こらず、トロフィー寸前でのゲームオーバーとなった。その後すぐにMr.ダグラスがLupinさんに沈められて、3人分のチップを集めたLupinさんが、チップリーダーKさんを長い戦いの末逆転して優勝の栄冠に輝いた。

今回のトーナメントでは、初日に比較的いい手がきて、ファイナルはやや低調だったように思う。だから、残り8名くらいからイン・ザ・マネーに目標を切り替えて、前回と違ってできるだけチップリに逆らわないように生き残りを図った。そして4位に残りかつ3位の目もかなりあったのだから、結果としては満足しなければならないのだが、実はかなり大きなミスがあった。ミスがあったから開き直れたところもあるので、なくても今回の調子では優勝争いは難しかったと思うが(初日にリバイの原因となったオールインを勝てなかった以上は)、まだまだ改善すべき点は多い。次にテニアンに来るときにはそうしたミスが起きないよう、引き続き精進していきたい。

[May 19, 2006]