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005 オールイン!(ポーカーの奥深い世界第5話) [Jul 21,2005]

なんだか、韓流ドラマの題名みたいですが。

さて、7月16日は久々に日本ポーカープレイヤーズ協会本部、別名上野虎の穴に出撃である。今回のテーマは「オールイン!」。

このところ通勤電車の行き帰り(なんと往復3時間かかるのだ)に、どうすればトーナメントで勝てるのか、をずっと考えていた。もちろん、強くなって堂々と勝ち抜く、というのが王道なのは分かっているが、強くなるまで待っていたら先に寿命の方が尽きてしまう。少なくとも、「1/出場者数」くらいの確率で何とかならないものか、ない知恵を懸命に絞って考えた。

結論はこうである。長期戦になれば実力差のとおりの結果になることは目に見えている。ならば、自分のチップを減らさないうちに、じゃんけん(オールイン勝負)をしてしまえばいい。1人勝ち抜けば2人分のチップに、そこでまたじゃんけん勝負で4人分のチップに、と倍々ゲームで増やしていけば、なんと!4人勝ち抜けば16人のトーナメントに、5人勝ち抜けば32人のトーナメントに優勝できる計算になる。5連勝くらいなら、バカラでもBJでもそんなに珍しくない。

問題は、半分の確率で1トビ(最初にトーナメントから脱落すること)になる、ということである。これは許容するしかない。もう一つの問題は、相手がオールインしてきたときに受けられるか、また自分がいい手の時に相手が受けてくれるか、ということである。これはもちろん運次第であるのだが、一般的に、オールインする方は一種「気合」なのだが、受ける方はそれなりの成算がないと「お前さん、何を考えているんだい?」と言われてしまう。これも、許容することにした。別に、下手な者が下手に見られても大して困らないからである。

あとは、余計な勝負をしないということである。特に、じゃんけんは二人でやるから確率が半分なのであって、3人でやれば確率は1/3になる。3人じゃんけんは出来るだけ避けたい。その意味で、ポジションが悪い時はAが来てもフォールドである。プロップもほとんど見ない。という作戦を胸に、まずはスト杯ミニ、種目はセブンカードスタッドである。

テキサスホールデムと違い、この種目はベットアップのタイミングが非常に難しい。特に、ハイカードが他のプレイヤーに行ってしまい、かつアクションは自分が先などという場合、ローペアで勝負に行くのはリスクが大きい。それでも、この日はうまいこと中盤で勝負手を取って、とりあえず持ち点3000点を倍の6000点にすることができた。

この後が延々と続く消耗戦になった。14人が8人になり決勝テーブルに移ったが、誰も飛ばない。減ってきたチップをオールインし、フルハウスで取って8000点にまで戻したが、またじりじりとチップを減らす。レートだけが段々と切り上がり、開始2時間を越えてブリングイン400、レートは900-1800となった。平均チップ量は5000点くらいだから、みんな一杯一杯である、はずである。

ここで、転機が訪れた。なんと、ブリングインが3連発である。ブリングインだから、オープンカードが一番弱い。のみならず、手札も弱いのである。ここに来て、黙って1200点取られてしまうのはきついので、3回目にはついて行くが、やはり手は来なくて、結果自然死にかなり近い脱落となった。

やはり、長期戦では分が悪い。少々無理目でも、短期決戦で勝負をかける他はない、と再度今日の作戦を確認した。6時からは、5000点持ちのストラドル杯メインである。

ストラドル杯メインは3テーブルスタート。テーブルはほぼ満杯。5000点スタートで、最初はリミットゲーム、ブラインドも25-50からと低いので、ほとんどフォールドでチップもあまり減らない。3Rか4Rからノーリミット、いきなり勝負となる局面が来た。手札はAh8h、A入りのスーツは初めてである。75-150くらい(100-200かもしれない)のブラインドにAさんが確かミニマムレイズ。このAさんには以前、飛ばされたか最後の勝負手を負けた記憶がある。ここで、メイク2000のリレイズ。

正直ここではAさんはブラフだと思っていたので、「オールイン」と言われたときには正直なところ参った。しかし、1週間考えてきた作戦だしそもそも序盤で2000点減るのは今日の作戦からいって絶望的だから、コール。幸い私の方がチップが多かったのだが、それでも300か500余すくらい。オープンするとAさんはAJである。多分この時点で7:3とか8:2で不利。周囲からは、「何でこんなんでコールするの?」という視線。勝つにはフラッシュか8が落ちるかしかない。

プロップは黒一色でフラッシュ目は消えた。ターンでも、Jも8も出ない。それでもリバーで、なんと8が落ちたのである。リバーの逆転確率は約7%、大逆転に成功してダブルアップである。誰かが「交通事故だな」と言った。まさしく、そのとおりである。

その後、しばらくまた見が続く。ディーラーのJumboさんが「チップリーダーが打たないから・・・」とせかすのだが、こんなところで生兵法の「チップの暴力」戦法など使っている余裕はない。次のひと勝負で、少なくとも決勝テーブルまでのチップ量を確保しなければならないのである。あと一人でテーブル整理というところで第二のチャンスが来た。

手札が9ペア、UTGくらいにいたSさんが残り3000点くらいでオールインである。ボタンまであと何人かいたので、私もオールイン。9000点以上あるので誰も来ないだろうと思っていたら、ボタン前のDufferさんもオールインである。

避けようと思っていた3人じゃんけんである。さいわいに、Sさんは2のポケットペア、Dufferさんも絵札2枚のノーペアだったので、現時点では私が一番強い組み合わせである。プロップ、ターンとも、何も起らない。このまま絵札も2も出なければ、私の勝ちである。

しかし、リバーで出たのは、出現確率5%弱の2なのである。Sさんはオールインを3倍にし、私はDufferさんとの100ほどのサイドポットを取っただけでテーブルチェンジ。手持ちチップは7000点ほどに減少してしまった

手痛い負けの余韻をひきずりながらテーブル移動。とはいえ、まだ原点よりは上だし、これから4連勝やり直せばいいと思って、第一テーブルへ。テーブル整理ということは、残り人数が2/3になったということだから、平均チップが1.5倍=7500点になったはずである。しかし、移動した先のテーブルを見ると、ほとんどの人が原点くらい、だから私のチップ量は決して少なくはない状況であった。なぜかというと、本日初参加というYさんが、目の子で30000点近くのチップを独占していたからである。

初参加といってもその打ちぶりは堂々たるもので、勝負どころとみると、メイク4000とか5000とか打ってくるのでなかなか対抗できないし、チップの厳しくなってきたプレイヤーのオールインはほとんど受け、しかも薄いところを引いてどんどん落としていくのである。現時点でのチップ量の相対関係では、彼にオールイン勝負をかけたところで全くプレッシャーはかけられない。それ以上に、いま対抗すれば吹っ飛ばされそうな勢いである。となれば局面が変わるまでは、がまんするしかない。

2度3度、A+絵札やポケットペアでオールインをかけるが、みんなに下りられてしまう状況が続く。AAやKKなど、全然来ない。それでも10000点をちょっと下回って停滞しているうちに、テーブル整理となった。ベスト8確定である。

残り8人のチップ量をみると、さきほどから独走を続けるYさんと、第二テーブルから大量のチップを抱えてきたJumboさんが40000点近く持って並んでいる。残り6人は合わせて二人のうちの一人分という状況である。上位二人を除く6人の中では決してチップ量は少なくないので、落ち着いて手を待った。そうこうしているうちに、上家のHさんのチップが厳しくなってきた。彼女がSB私がBBで、Hさんオールイン。上乗せ額が200とか300だったのでここでコールすると、なんとストレートをフルハウスでまくるという逆転勝利で、チップは再び10000点台に乗った。

それと前後して4人が脱落しあと4人。チップ量からみてオールインで4連勝くらいしないと逆転はできないが、それでも勝負できる体制になってきたと思っていたら、ここで予期しないことが起った。アンティ400、ゲーム1500-3000なのだが、残り4人だとすぐに順番が回ってくるのである。手がこないからといってフォールドばかりしていられない、ある程度の手でいかなければ、ブラインドにつぶされてしまう!ということに気がついた。ほんとにあっという間にブラインドが回ってくるのである。

幸い、A4が来たのでオールイン。Jumboさんが受けてくれて、ボードに4が2枚落ちてまずダブルアップ成功。しかし、20000点あっても、1周で6000点減ってしまうのでは風前の灯火である。次のBBで、KQoだったが、上家Nさんのオールインにコール。開くとQQ。こんなところでいい手を引くものである。Kが出ればまくれるのだが、今回は奇跡起らず敗戦。次のSBで残り少ないチップをやはりKQoでオールインしたら、受けたJumboさんの手はやはりQQ。きっちりやられて4着終了となったのでありました。

(ちなみに、優勝はJumboさん、2位Nさん、3位Yさん)

今回は幸いに、初手のオールインで薄いところを引いて勢いに乗れたのだが、オールイン戦法のいいところと限界がかなりよく分かったのは収穫でした。これを打ち破るにはどうしたらいいか?ポーカーの奥深い世界はまた私に宿題を出してくれたようです。

[Jul 21,2005]