054 気を取り直して’08緒戦(ポーカーの奥深い世界第54話) [Jan 8, 2008]

不調のどん底のまま年末を迎えた2007年も終わり、新しい年の始まりである。嫌なことは忘れ、気を取り直して今年の緒戦ストラドル杯である。

なんといっても昨年は6月までは未勝利、ヘッズアップまで行って12連敗というハード・ラックだった。結局1年間で3勝18敗というひどい成績で、負けるから手が縮こまり、その結果さらに勝ちが遠のくという悪循環に陥った。しかしこれも12月31日をもってすべてリセットである。

負けが続くと何がよくないといって、普段ならその日のテーマをもってトーナメントに参加するのに、それができなくなることである。どうしても、勝ち残りたいという気持ちが強くなってしまうのだ。だから、昨年最も多かった負けパターンは、平均チップ以上持っているにもかかわらず何もしないで時間だけが過ぎ、いつの間にやらオールイン・シチュエーションというものである。WSOPシニア、AJPC予選はじめみんなこのパターンであった。

だから、今年は心機一転、勝っても負けてもテーマをもってゲームに参加することにしたい。だから、この日も、午後のリミットはこれ、夜のメインはこれ、というテーマを用意して、それを忘れないようにプレイすることにしたのである。

まずスト杯ミニのリミット。テーマがばれると手を読まれてしまうのでここには書かないが、うまく行ったり行かなかったりしながら、7ラウンド300-600までなんとか残る。2テーブルスタートで、あと一人飛ぶと決勝テーブル、5人回りである。こういうケースではいつもならファイナル進出を最優先に半分下りモードになりがちなのだが、チップが原点の3000点ほどなので、下りまくっていると狙われてしまう。

SBでハンドはAd4d。チップがたくさんあるボタンのHさんがレイズ。思い切ってコールしてみる。BBが下りてフロップはJ98、しかしダイヤが2枚。チェックしてベットされたが、ポットが3600あるからオッズは合うはずなのでコール。これでほとんど下りられなくなった。

ターン、これでAのワンペア&ナッツフラッシュドロー。Aが落ちたので現状勝っているとみてベット1200。しかしHさんに「分からないから」とコールされてしまう。出てきたのはKT、現状どころか、最初から勝っている。しかもQか7のダイヤ以外でなければ負けない。よしこれで安全圏・・・(この時点の勝率は86%:14%)。

と思う間もなく出てきたリバーは7h。逆転負けである。新年早々、縁起でもない飛び方をしてしまったのであった。

気を取り直して夜の部はスト杯メインである。今年から時間が元に戻って6時スタート。新年緒戦ということで、常連メンバーの方々がほとんど顔をみせての4テーブル。5000点スタートのノーリミット・トーナメント。今回のテーマは、「ジリ貧になる前に勝負する」である。

ブラインドの上がり方が緩やかなこうした大会で、昨年よくなかったのは手を待ちすぎてしまうことであった。上位10%のハンドで勝負すれば、勝率も高いしやられてもあきらめがつく。しかし、ここぞという時にそういうハンドが全く来ない。

確率的に、上位10%のハンドがn回配られるうち何度入るかというと、2項分布、近似的にはポワソン分布に従う。確率0.1でn=10回試行した場合のポワソン分布は、「0」、「1」、「2以上」の確率がおよそ1/3ずつとなる。

つまり、10回待って上位10%ハンドが来ない確率は約33%、100点満点の33点以下の運ということである。これが20回、つまり2周待って来ない確率となると約10%、100点満点の10点以下の運ということになる。その日はあきらめた方がよさそうだ。

ところが、実際2周手が来ないという場面が当たり前にあるのだが(私は係数の大きな男なのである)、そうするとなぜか、「ここまで待ったのだから、あと1周待てば来るのではないか」と思ってしまうのである。これが昨年良くなかった最大の要因のような気がする。

だからこの日は、2周以上待たないことに決めた。精神衛生上もその方がよさそうだし、いずれやられるとしても、ずるずるとオールイン・シチュエーションに追い込まれるのだけは避けようと思ったのである。

幸い、序盤でフロップでナッツフラッシュができてチップを増やす。しかし、ほどなく手がばったりと来なくなる。10000点近くあったチップが、8000点ぐらいまで減少する。2周待ったが手が来ない。いよいよ行き頃である。

ミドルポジションで8s7s。前がばたばたと下りて私の番。確か300-600でメイク2000点のレイズ。ここで左のmmxさんにオールインを食らう。チップを数えてもらうと、上にあと1975点。コールして負けても、まだ3800点くらい残る。

昨年までならフォールドだったけれど、心機一転ここはコールしてみる。mmxさんはAQ。ぶつかってない。この時点の勝率は61%:39%、そんなに率の悪い勝負ではない。しかし、世の中はそう甘くはなくて、8も7もフラ目もスト目もなしに負け、チップを半分以上減らす。

しかし、かえってこれが良かったのか、その後AKs、Q9o、AQoでそれぞれオールイン対決を勝ってなんとかファイナルまで残る。最後は77対AA対86勝率18%:71%:11%)でAAを握ったmmxさんに再びやられてしまい9着に終わったが、とても収穫の多い大会であった。

というのは、この夜、約4時間のプレイで、AAもKKも来ず、AKはオールインの一回だけという大して良くない運勢偏差値だったのである。にもかかわらず、一度はチップを20000点くらいまで増やすことができた。いつもと同じ打ち方をしていたら、またいつものようにあっという間にオールイン・シチュエーションとなってそのまま飛んでいたに違いないのである。

[Jan 8, 2008]