416 丹沢中川温泉 [Nov 26, 2018]

檜洞丸に登った日、後泊で中川温泉に泊まった。前泊が約4千円で済んだのと、この宿が5千円で取れたので、合わせて1泊分の費用という計算である。

泊まったのは「丹沢ホテル時の栖(すみか)」。同社のWEBサイトの予約ページには、「見つけたあなたは超ラッキー。当日限定朝食付きプラン」というのがあって、当日限定で1人だと5,000円で泊まれるのである。

当日限定だから、その日に空室がないと泊まれない。だから「見つけたあなたは超ラッキー」なのだが、月曜日泊という平日であり、多分空いているだろうと朝のうちに見たところ、幸い空いていた。さっそくクリックして当日予約を押さえた。

ただし、このプランでは夕食はつかない。おそらく当日予約だと食材の手配が間に合わないためと思われるが、周囲に飲食施設はないので、自分で用意しなければならない。

それもあって、今回はあらかじめ夕食用の食糧も準備していた。昼は活動食のみで過ごし、アルファ米のドライカレーと、チョコレートワッフル、レモンチキン、アーモンドとカシューナッツを夜に回す予定だった。それに森伊蔵をスキットルに入れて持ってきた。これで何とかなるだろう。

実際にホテルに着いてみると、自販機も売店もちゃんとあって、カップヌードルもつまみ類も置いてあったのでそんなに心配することもなかった。とはいえ、行くまではどんな宿かは分からない。売っているけどバカ高いという宿だってある。

幸い、ここの宿は価格も良心的で麓の値段とほとんど変わらなかった。スーパードライ(500ml)400円と、コーラ160円、クーリッシュ140円を買って部屋の冷凍庫付き冷蔵庫に格納、まず温泉に入る。

中川温泉はアルカリ性単純泉で、pHは9.46、かなり強いアルカリ性である。湧出温度は30℃ということだから、加温している。アルカリ性というと、のめこい湯のようにめぬめしたお湯かと思ったらそんなことはなくて、それほど癖のないさらさらしたお湯である。

貼ってあった泉質表によるとナトリウムイオンと硫酸イオンが多く含まれているが、色やにおいはない。効能があるとされるのは、神経痛やリウマチ、打撲といったポピュラーなものの他、自律神経失調症、不眠症、うつに効くと書いてある。

山梨県に近い温泉はすべて「信玄のかくし湯」と呼ばれてしまうのだが、ここもそうである。甲相国境尾根より南にあるのでここは古くから相模であり、後北条氏の地盤ではないかと思うのだが、細かいことは言わないでおこう。

丹沢と奥多摩は近いけれども地勢的に異なる由来を持つ。500万年前(!)に丹沢山塊が後から移動してきて本州にぶつかり、さらに伊豆半島が後からぶつかって(100万年前!)、現在の地形となった。比較的新しい時代なので(恐竜で有名なジュラ紀は1億5千万年前)いまなお造山運動は続いていて、そのため山容が安定せず通行止めの箇所も多い。

部屋の窓からは、まっすぐに立ち上がっている裏山が見える。何ヵ所かで斜面が崩壊して、下には落石が積み重なっているのが見える。山を越えた向こう側が玄倉川で、通行止めになっている玄倉林道もきっとこんな状態なのだろう。

さすがに標高差1000mを越えるこの日の登り下りは響いて、アルファ米ドライカレーと森伊蔵、現地調達のコーラフロートで十分満足した。午後7時半には電気を消しておやすみなさい体制に入ったが、部屋の外からしばらくにぎやかな声が聞こえてきた。考えてみれば山小屋ではなく普通の温泉宿なので、まだ宵の口だからこんなものである。

翌朝の朝食は7時半と遅めなので、朝もう一度お風呂に入りに行った。前の晩もお客さんがいてにぎやかだったが、朝も私の他に2人入っていて、朝食会場もテーブルが一杯であった。当日限定特別プランがあるくらいだからさぞかしすいているんだろうと思っていたら、結構賑わっている宿なのであった。

朝食がまた気が利いていて、ご飯、味噌汁、アジの開き、お新香、簡易コンロで湯豆腐が付いて、おかず3品は切干大根、まぐろ山掛けとほうれん草白和えであった。5,000円でここまでしていただいては、かえって恐縮するほどでありました。

[Feb 4, 2019]


中川温泉にある丹沢ホテル時の栖(すみか)。ホテルの名前でバス停があり、歩いて5分くらい。


「見つけたあなたは超ラッキー」の当日限定プラン。豪華な朝食付きです。