063 最近の天気予報は天気図を出さない [Mar 20, 2019]

TVを見るのは、毎朝TV体操をしてから「もういちど日本」までの1時間弱に限られる。だから、他の局とか他の時間帯のことはよく知らないので、あるいはNHK6時台の番組だけなのかもしれないが、気になることがある。

それは、天気予報で天気図を出さないケースが増えていることである。最初は見逃したかと思っていた。ところが、よくよく見てもやっていない。6時53分頃の全国予報でも、57分頃の関東地方の予報でも、天気図を出さない日がほとんどである。

天気図を出さない天気予報を見ていると、一般大衆は考えなくてもいい、結果だけ知れば十分であると言われているようで、かなり気分がよくない。言葉は悪いが「愚民化政策」ということになるだろう。

確かに、気象予報士という国家資格があって、予測をしているのもNHKのコンピュータだろうからそれを知らせれば十分というのも分からないではないが、天気の予測などいくら権威がある人がやっても半々である。降水確率10%で雨が降ることなど珍しくないし、最高気温なんて大抵当たらない。

それよりも、ほぼ確実な数時間前の天気図を見た方が、まだ予測が可能である。外れたとしても自分自身の予想だから自分で責任をとるだけのことだし、家にいる場合と外に出る場合とでは見方も違ってくる。

山歩きをする人にとって、天気図を読むことは最低必要な事前準備の一つで、天気図を見ないで山に行くのは1/25000図を持たないのと同様に無謀である。日中に他の情報を入手できないケースがほとんどだから、頼りになるのは天気図しかない。

もう50年近く前の話になるが、NHKラジオで各地の気象状況を聞いて、そこから天気図を自作していたことがある。山に行く人にとって身に付けなくてはならない技術で、いまでも登山部ではやらされているのではないかと思う。いまでもあの白地図は売っているのだろうか。

いまや、スマホで気象協会にアクセスすれば出て来る時代になったけれども、大切なのは結果よりも過程、考え方を身に付けることである。どこに低気圧があれば天気が荒れるのか、どういう気圧配置でどちらから風が吹くのか、天気図を作ればおおよそ見当がつく。

地域ごとに時系列で天気分布が示されれば分かったような気になるけれども、せいぜい5kmメッシュ、10kmメッシュである。ピンポイントで自分のいる場所の天気を示す訳ではない。そんなことに全幅の信頼を置くから、ゲリラ豪雨だといってあわてることになる。

天気予報も天気図もない昔、「観天望気」と呼ばれる風向き、雲の様子、空の色などで数時間後の天気を予測した。それこそ気圧まで体感で把握できる人が少なくなかったという。それらを手掛かりに危険を察知した人の話は、昔の本を読むとよく出て来る。

現代人にそれを求めるのは無理としても、少なくとも天気図を見れば、向こう2~3日どういう天気になるか予想することができる。そういうことを一切しないで時系列予想だの降水確率だのばかり見ていると、予報が外れた場合に被害が大きいし、なぜそうなったかが分からない。

NHKも以前はちゃんと天気図を出していた訳だから、いろいろアンケートとかやった結果、「天気図を出している時間があったら時系列予想や洗濯の乾き具合、花粉情報を流す方が視聴者のニーズに合致する」ということになったのだろう。

そうやって誰も天気図を見なくなれば、やがて学校でも教えなくなるし、興味を持つ人もいなくなる。ブロだけがやり方を知っていて、一般人は予想結果だけ教えておけばいいというのはたいへん危険な考え方だと思うけれども、多くの人がそれを望んでいるのであれば致し方ないのかもしれない。

[Mar 20, 2019]


最近の天気予報は天気図を出さないことが多い。個人的に、たいへん違和感がある。