065 中高年引きこもり?大きなお世話だ!! [Apr 5, 2019]

TVはほとんど見ないのだが、NHKの「おはよう日本」だけは見ることが多い。ニュースを見ても腹が立つことばっかりだからなるべく見ないようにしているのだが、見出しとかが目に入るので仕方がない。

朝7時のトップニュースのひとつが、「中高年ひきこもり」であった。推計61万人いるらしい。NHKの独自取材かどこかの大学の調査かと思ったら、内閣府の調査だそうである。

その定義を見て驚いた。

「学校や仕事に行かずほとんど家にいる状態」で、「家族以外との接触がほとんどなく」「趣味の用事や近所の買い物以外に外出しない」のが中高年ひきこもりの定義なんだそうだ。まるっきり私のことではないか。

内閣府がカネをかけて調査するのは、行政としてこのセクターに関心があるということだろう。しかしどう考えても、私のような退職者が行政に四の五の言われる筋合いではない。

その61万人の内訳をみると、家計収入の主体は父母が34%、自身が30%、配偶者が17%で、生活保護は9%という。生活保護はともかく、本人や配偶者、父母の働きで生計を維持している家庭が、行政の関心対象となるような国が古今東西どれだけあるのだろう。

各個人が独立して家計を維持しなければならないなどという価値観は、ここ2世代くらいの先進国の一部の風潮に過ぎない。人類の歴史の大部分、現在でも全人口の9割以上の比率で、現金収入があるのは家族のごく一部である。その中で助け合ってどうにか食べていけるというのが、人類のデフォルトなのだ。

老老介護や病気で社会参加できないというケースは、もちろんある。しかしその数は61万なんて途方もない数ではない。そしてそれらのケースは、「中高年ひきこもり」などという大ざっぱな括りではなく、個別具体的にそれぞれ対応が必要なはずだ。そういう細かな対応のために、市役所の福祉窓口があり、民生委員や市議会議員がいるのだと思っている。

こういう調査の気にさわるところは、「ひきこもりはよくないことだ」という価値観を隠そうともしないところである。このニュースを一目見て、「ひきこもりはよくない」「みんなで手をさしのべるべきだ」と思わない人は少数派であろう。でも、少なくともこの区分でひきこもりに分類される私は、自分がよくないとは思わないしいまのところ支援もいらない。

国や地方公共団体が税金を使ってしなければならないことは、安全保障、治安の維持と、国民・市民に健康で文化的な生活を保障することである。それ以上の自己実現とかカネ儲けなんて個人の自由に属することだ。

社会生活を営む以上、法律・規則に従う必要があるし、家庭生活を送る以上は各家庭のルールを尊重しなければならない。それ以上のことは、誰にも強制できない。「わが家ではカネ儲けはしなくていい」というのも、「学校に行かなくても勉強はできる」というのも、各家庭の自由に属することである。

こういうニュースを無批判で垂れ流しするメディアも情けないが、総理府(いまは内閣府か)というところも何を考えているのかよく分からない役所である。「61万人」という数字を出して予算折衝を有利にしたいのだろうが、総理府の職務に属することで問題がある事項は他にもたくさんある。

そうした未解決の問題は、それぞれ複雑な背景があり一朝一夕にどうこうすることが難しいのは分かる。しかし、そういう問題を嫌がって目新しい事柄を持ち出し喫緊の問題を先送りするなんていうのは、役人としてどうなんだろう。

児童福祉にせよ高齢者福祉にせよ、少子化や限界集落の問題にしたところで、総論ではいくらでもきれいごとを言えるが、最後は個別具体的にそれぞれ対応しなければならない。嫌だし面倒なことだが、そういうみんなが嫌がることをするために役人=公務員がいるのであって、試験に受かった奴に高給を保障するためではない。

働くだけの体力的時間的余裕があって働かない人を、昔は「怠け者」と言った。私は自分が怠け者であることを全く否定しないが、「ひきこもり」などと分類されて、行政の支援が必要な数に含まれるのはまっぴらごめんである。

本来、役人がやらなければならないのはもっと差し迫った、切実な境遇の人達に対する親身な支援である。片山さつきが大臣ではこんなものかもしれないが、国家公務員の知性水準低下も著しいようである。

[Apr 5, 2019]


「怠け者」であることは否定しないが、「ひきこもり」と定義されたくないです。数に入れて変なことに利用しないでほしい。