070 冷夏で電気代節約、GDP減るけれど何か問題でも? [Jul 25, 2019]

7月に入ってからずっと、雨が続いている。思えば、北岳に登った時が唯一のお天気で、その後は毎日休むことなく雨が降り続いている。三代将軍実朝であれば「八大竜王雨やめたまへ」とお願いするような長い梅雨である。

20日頃には梅雨明けという予想は外れ、24日現在まだ同じ状況が続いている。23日までの日照率は9%(千葉)と1桁に落ち込み、過去最低水準で推移している(日本気象協会HP)。

一方、最高気温の平均は25.8℃である(出典同じ)。最近数年が暑すぎただけで、1960-70年代の7月は26℃あれば普通だった。アラスカは猛暑だというし、北海道の気温はこのあたりより暑いので温暖化の影響は否定できないものの、もう少し日差しがほしいだけで暑さはこのくらいでいい。

注.7月下旬に一気に暑くなり、7月1ヵ月のデータでは日照率が21%、最高気温が27.5℃まで改善した。

冷夏というと思い出すのは1993年「平成の米騒動」である。全国的な米の不作でスーパーの店頭から米が消えた。トイレットペーパーであれば増産すれば品薄は解消されるが、米は次の夏が来るまで作れない。窮余の策としてタイ米を輸入したのだが、これがまた失敗であった。

いまから思えば、最初からカリフォルニア米なりオーストラリア米なり、日本に近い品種のコメを輸入すればあれほど拒絶反応が起こらなかったはずだし、消費者も無理して急いで買うことはなかった(結局食べなかったのだ)。私も当座の必要以上に買ってしまったが、子供も小さかったのでやむを得ないことであった。

タイ米にはタイ米なりの食べ方があって、タイ米だけで炊いてカレーライスにするなりチャーハンにすればよかったのに、日本米とブレンドして白飯にするものだから、まずくて食べられたものではなかった。タイにしても米が余っていた訳ではなく、なけなしの備蓄を日本のために放出したというのに、まずいのなんの言われたのではたまらない。

さて、去年の今頃は「命にかかわる暑さ。冷房をつけてください」と言っていたので、かなりの差である。7月の電気代をみてみると使用量が昨年比31%減の234kwh、請求額が29%減の6,729円だから、かなり助かっている。金額にして3,000円違うから、3日分の食費違うことになる。

景気という観点からみると、電気代が減っているということはGDPが減ることであるので、成長率にはマイナスの影響ということである。電気代だけでなく、雨降り続きで外出する機会も減っているはずだし、ビールの消費だって減っているだろうから、さらにマイナスである。7-9四半期の経済指標は、あまりいい数字にはならないだろう。

ただ、それで何か問題でも?というのが率直な感想である。みんなが電気代を節約できて、二酸化炭素排出量が減る。経済指標が仮に悪くなったとしても、生活には何の影響もなく、むしろ涼しくて過ごしやすい。

野菜や米の成長に影響が出るのは困るけれども、さすがに「平成の米騒動」のようにはならないだろう(いまなら、パンと麺類で過ごす)。そして、日本は東西南北に細長いので、全国おしなべて不作ということにはなりにくい。コメ不足になったり野菜が値上がりするのは、品薄を見込んで誰かが囲い込むのと、流通の不備によるものである。

世間一般ではGDPが裕福さを示す指標のように思われているし、長期的にはかなりあてはまるのだけれど、最近のように四半期ベースで前年比、前年同期比などと比べるのはあまり意味がない。企業が投資決定に使うならまだしも、国が政策決定に使って、前年比どうしたこうした、とやっているのはピントが外れている。

そのいい例がこの夏である。天気が悪くて家で過ごしたり、ビールの消費が進まないと消費は減るだろうけれど、生活水準や満足度に何の影響もない。四半期の利益で株価が上下する企業はともかく、国が生活実態とあまり関係ない数字に一喜一憂するのはおろかなことである。

まして日本の総人口は減っているので、今後、GDP成長率は間違いなくマイナスになる。そうすると一人当たりGDPがどうたらこうたら言い出すに決まっているが、みんな高齢者になるのに一人当たりだって怪しいものである。

むしろ国ですべきことは、豪雨や土砂災害で被災する人が多い中、どうしたらみんなが安全に暮らせるかとか、悲惨な事件をひとつでも減らすために、どうやって治安を維持するかとか、そういったことだろうと思う。

まあ、ワイドショーはみんな宮迫とロンブー亮なので、やっぱり日本は平和なんだろう。でもこれは、安倍の手柄ではない。

[Jul 5, 2019]


2019年7月の電気代は前年同月比3割減。冷房を使わずに済んだのは助かったけど、これでGDPが減る?