071 この時期に香港・韓国に行くというのはどうなんだろう [Aug 13, 2019]

今朝のNHKおはよう日本のニュースで、ちょっと信じられない人達を見た。ナレーションとかインタビュアーの様子を見ているとごく普通の人を取材しているつもりのようなのだが、私には恐ろしいことに思えた。

一家族は「観光で香港に家族連れで来ていた」のを、香港国際空港でインタビューしたものである。「飛行機が止まって帰れない。こんなになるとは思わなかった」というようなことを言っている。

仕事で香港に行かなければならないとか、百歩譲ってバックパッカーの一人旅なら分からなくもない。業務なら何かあっても労災が下りるし、バックパッカーがリスクを負うのは自分の命だけである。ところが、件の人達はそうではない。この時期に、レジャーで、自分だけでなく女房子供をリスクにさらして平気なのである。

香港がたいへんな混乱状態であるのは、1ヵ月も前からニュースでしつこいほどやっている。香港島の公園周辺や、チムサーツイの大通りでも、警官隊とデモ隊が衝突している映像が繰り返し流されている。そんな時期になぜ、家族を連れて香港に行かなければならないのだろう。それもレジャーで。

家族連れで香港旅行に行けるくらいだから、そこそこの役所とか大企業に勤めているんだろうと想像はつく。そういう連中でもこの程度の頭なのである。

もう一家族は香港に向けて成田を出たエアが、香港に着陸できず成田に戻ってきて「英語と中国語でしかアナウンスがないので、何が起こっているのか分かりませんでした」だそうである。もしかしたら、インタビュアーは日本語で説明がないのはサービス不足と言いたいのかもしれないが、海外の航空会社がそこまでする義務はない。

日本語のアナウンスがないということは安い中国系のエアでも使ったんだろう。繰り返すがバックパッカーとか、片言でも英語・中国語が分かるとかではないのである。家族が危ない目に遭うかもしれないのに、わざわざリスクの高いエアを選ぶという神経が、私には到底理解できない。

想像するに、この人達の頭の中では、自分の命が危ないかもしれないというリスクが判断できないのではないかという気がしている。どっちが高いか安いかばかり考えていて、どういうリスクがありうるのか、そもそもいまの時期に楽しむことができるのか、考えていないのではないか。

ごく最近の日本でも、小学校に異常者が乱入したり、人ごみに暴走車が突っ込んできたりした事件はあったはずだし、大震災では何万人もの人が亡くなったり行方不明になったりしている。さらに日本から外に出ればカントリーリスクがある。それくらい分かりそうなものだが、こういう人達は自分の身にも危険が迫るかもしれないと考えるだけの頭がないのではないか。

私が中学・高校時代には連合赤軍のリンチ殺人があり、成田空港反対闘争があり、セクト同士の内ゲバ事件もかなりあった。だから、学生運動をしている連中に近づくと文字通り危険だということはよく理解していて、まだ当時残っていた立て看に近づいたり、危ない連中と関わり合いにならないよう心掛けたものである。

サラリーマンになってから、JAL123の墜落事故があった。あの便は当時東京に実家のある大阪勤務者がよく使っていた便で、私もよく乗った。時には同じ勤め先の3~4人が乗り合わせることもあった。あれで500人もの人が亡くなった。本当に、自分が乗っていてもおかしくなかったし、リスクはすぐそばにあるということを思い知った事故であった。

そして、ついこの間、とはいっても二十年以上前だが、私が通勤しているまさにその時間に、地下鉄サリン事件があった。いまも時々TVで流れる、路上に救急車が何台も止まっている場所は、当時の勤務先からすぐ近くである。

そういう経験をしていると、致命的なリスクというのは本当にすぐそばにあって、避けようとしても避けられないことだってあると思う。にもかかわらずこの人達は、あえて目に見えるリスクの大きい場所を、わざわざ自分で選んで、しかも家族もろとも行こうというのである。信じられない。

その意味では韓国も同様で、いまだに韓流ドラマを流し続けるTV局の連中の低能さ加減は救いがたいので放っておくしかないが、あえて観光しようという人が少なからずいるようである。対馬や九州の人達がこの時期だからこそ国際交流というのは地政学上理解できるけれども、わざわざリスクを負う必要はどう考えてもない。

念のため私の考えを述べると、少女像を置いて気が済むのならさせておけばいいと思うし、韓国だって建前では三権分立だから、裁判所が賠償命令を出すのは韓国政府だって止められない。それでどこかの企業が損害をこうむるというのなら、責められるべきはそういうカントリーリスクの大きな国に投資決定した経営者である(退職金もらってとっくにいないだろうが)。

この時代、いい目をみるのはカネやコネがある連中で、いくらまじめに頭を使ったところでろくなことはないと投げやりな気分になりがちである。だが、そんな連中もせいぜいこの程度であれば、締めてみればどちらがいい目をみたかなんてわからないし、そんなことを気にするよりどうやってすぐそばにあるリスクを避けるかに頭を使った方がましなようである。

[Aug 13, 2019]


中国当局への容疑者引き渡し抗議行動で、香港国際空港は発着できない日もあるほどの混乱状況に陥った。(Nikkei Web)