026 リタイア3年、改めてリタイア関連支出について [Sep 25, 2019]

早いもので、7月末でリタイアから丸3年が経過した。「石の上にも3年」と言うくらいだからそれなりに長い期間なのだが、思い返すとあっという間だった。とりあえず、大きな不安なく生活できていることは何よりである。

切りのいいところで、改めて3年間の支出について振り返ってみたい。まず、通常の生活費を除く退職関連の臨時支出についてまとめると、下表のとおりとなる(通常の生活費については、年金生活2017~2019をご参照下さい)。

早期退職するにあたって、生活費の不足分やローンの期限前返済とともに、大きな割合を占めるのが税・保険料等の臨時支出である。もちろん、こうした支出があることは最初から分かっていて、それを見込んだ資金計画を立ててはいたものの、かなりきつかったことも確かである。

注意すべき点は、例え手取り収入が減ろうとも、再就職すればこれらの支出は不要となるということである。だから、働くことがさほどのストレスでないという人ならば、あえて完全リタイアというリスクをとる必要はないかもしれない。

私の場合は、当時の職場であのまま働いていたら体かメンタルかその両方がやられると思ったので完全リタイアした。再び3年前に戻れるとしても同じ選択をするだろう。3年といえば残り人生の10分の1である。カネやら何やらより優先しなければならないことはたくさんある。

表に示したとおり、リタイアに要した臨時支出は合計200万円を優に超える。実はこの他にも気をつけなければならない点があって、初年度の国税は源泉徴収されてから確定申告で戻ってくることになるので、その金額について数ヵ月間の資金繰りが必要である。

私の場合はその資金繰り額が約40万円となり、ばかにならない負担額であった。確定申告で無事戻ってきた時には、たいへんほっとしたものである。この金額にプラスして、月20万円を年金受給までの生活費として定期預金に組んでいたので、退職に際して用意した金額は結構大きなものとなった。それでも、「老後資金2千万円」とは桁が違う。

正直なところ、リタイアするよりストレスの少なくて済む仕事を長く続けた方が賢いとは思う。ただ、後悔しても始まらない。そういう仕事を選んでしまったことは変えられないし、あれを長く続けるのは無理であった。

念のため付け加えると、住民税はサラリーマン当時の収入で増減するけれども、年金保険料は定額だし、任意継続の健康保険料は加入者平均である。サラリーマンから国保にすぐ移れば、おそらくこれ以上の保険料がかかるのではないかと思われる。

こうした税・保険料負担が軽くなるのは、退職3年目になってようやくである。前年の所得がなければ住民税はかからないし、所得税は年金収入だけになるので大幅に減額となる。奥さんの年金保険料は全額免除されるし、健康保険料は均等割だけになる(それでも結構な負担だ)。

そして退職4年目になる今年、年金収入がフルカウントされるので、健康保険料が3倍増となったのは以前書いたとおり。住民税も増えるので、いまのところの試算ではこれだけで月約3万円である。かつて、年金生活の税・保険料負担を月3万円と見込んだが、その中には固定資産税とか雑保険料を含んでいたので、その分オーバーしてしまったことになる。

ただし、もう1年ほどすると奥さんの年金保険料の負担がなくなる。私が若い頃には3つ年下くらいがいい歳回りとされていたのだが、こういうメリットがあるとは思わなかった。もっと若い奥さんをもらった場合、年金保険料の負担がさらに長く続くことになるが、これも後からは選べないことである。

表1 リタイア後3年間の税・保険料推移(単位:円)

 退職1年目2年目3年目4年目見込
所得税158,6630
16,89717,000
住民税482,000214,600046,200
年金保険料257,940196,080
098,040
健康保険料308,389
461,25867,000218,000
合計1,206,992871,93883,897379,240

注.年度途中の7月末に退職しているため、健康保険料は2年目の数字の方が大きくなっています。また、退職1年目は、自分の年金保険料も加算されています。

 

次に示したのは、リタイア後3年間の臨時支出の推移である。ここで臨時支出とは、月間生活費20万円と先週お示しした税金・保険料以外の支出のことである。現金支出はラウンドナンバーしか分からないのに対し、カード決済したものは端数まで記録があるので、項目によって数字の細かさが違うけれども、ご容赦いただきたい。

前回お届けした税・保険料の約200万円(資金繰りを含めるとプラス40万円ほど)に加え、月々の生活費の他に支出している金額がおおよそこのくらいある。

最も大口なのは旅行関連費用である。この中には、月々のお小遣いから手当てしている近場の日帰り山行の費用は含んでいない。リタイア1年目と2年目は30万円台、3年目は約28万円を支出している。

最も大きいのは四国お遍路の費用で、3年目までは春・秋2度、4年目の今年は秋1度である。次回が区切りの第10次で、予定どおり歩けば四国を一周した後、高野山奥ノ院をお参りして結願である。足掛け5年で四国お遍路歩きを完了することになる。

四国以外にも、奥さんを連れて北海道へ行ったり、他にも泊りがけで行った旅行費用も含まれている。ツアーを使ったことは三十年以上ないので、夫婦でも10万あれば日本中どこにでも行ける。昔は海外にも行ったものだが、費用面だけでなく国内旅行の方が安心だし行きたいところも多い。

次に大きいのは酒関連費用である。リタイア1年目には約30万円というとてつもない支出になっているが、これはワインのプリムール(樽詰め先物買い)や銘柄日本酒の購入によるものである。

言わずもがなのことだけれど、余裕があれば買うけれどなければ買えない。2年目約15万、3年目約12万円と身の程に合った金額に減少しているのは、なによりのことである。それでも、現役時に買ったワインは何年か分の在庫がある。ワインは何年か置くとさらにおいしく飲めるという利点もある。

その下の段にある「+α食費」とは、月々の食費の枠内で収められない少し贅沢な食品で、多くはそば・うどん・味噌などの通販購入である。やはり3年間で徐々に減らしていて、いまでは月平均5千円。現役時の半分に減らすことができた。

とはいえ、ぎりぎりの生活をずっと続けているとストレスになるし、負担できる範囲内であれば少しは贅沢したいものである。ここ1~2年、四国からみかんの購入が増えた。お遍路歩きでご接待いただいた恩返しと考えている。

これらの支出に最大で年間70万円超、3年間で180万円ほどかかっていて、税・保険料と合わせて約400万円になる。幸いに、退職金からローンを返してそれくらいの余裕があった。それでも、老後必要な資金が2000万円などということにはならない。

その400万円のうち、半分は税・保険料である。これを払わずに済ませるには、完全リタイアせず働き続けるという選択肢がある。私だって、ストレスが少なく勤め続けられる職場であれば、年金受給まで働き続けたかったのは山々である。それができなかったのは、心身のストレスが大きすぎたからだ。

そして残りの半分はいわば贅沢品であり、なければないで済むものである。特に酒関連支出など、その気になれば半分にでも3分の1にでもできるだろう。できる範囲で優先順位をつけて楽しめばいいというだけである。

前に書いたことの繰り返しになるけれども、収入と支出が償わない場合、まず支出を削るのは当たり前である。欲しいものをあきらめなければならないのは切ないけれども、身の程を知ることも大切だ。そして、残りのおカネでどうやって生活を充実させていけるかに頭を使った方が使い甲斐があると思う。

あと何十年も生きる訳でもなし、投資だとか副収入だとか、いつまでもそんなことを言っている時間はない。金融機関やら証券保険会社のセールスに踊らされて、そんな余分なことに頭を使う暇はないのである。

[Sep 25, 2019]

 

表2 リタイア後3年間の臨時支出推移(単位:円)

 退職1年目2年目3年目4年目見込
旅行費用363,000345,000280,000150,000
酒関連支出295,985156,145116,98380,000
+α食費86,35279,97857,92550,000
合計745,337581,123454,908280,000