193 2019NFL終盤戦展望 [Dec 11, 2019]

先週DAZNのサンクスギビングゲームの中継を見ていたのだが、セインツatアトランタで、とうとう最初から最後まで「これを勝てば地区優勝」という話をしなかった。現地テロップには”3rd concecutive NFC South”と出ているのに。

DAZNはほとんどの重要ゲームを中継してくれて大変ありがたいのだけれど、有馬さん以外なら現地音声のまま流してほしいと思う。音声切り替えできないのに、NFLやアメフトにあまり詳しくない人の実況を聞くのは苦痛である。

Week13まで終わって、AFC東・北・西地区はほぼ大勢が決した。混戦となっているのは南地区だが、Week17までもつれ込むかどうかはタイタンズの出来次第。タイタンズが踏ん張れば、Week17のナイトゲーム”Win or Go Home”はタイタンズ@ヒューストンになる。

暫定第1シード ボルティモア・レイヴンス 10-2(Superbowlオッズ 34.0倍、プレイオフ進出確率 95%)

いまや飛ぶ鳥を落とす勢いで、何しろオフェンスのスピード感が尋常でない。ラマー・ジャクソンはヴィックのラン記録に迫り、今後数十年語り草になるような活躍である。Superbowlも現実味を帯びてきた。

49ナース戦ではパスが通らず走ればファンブルで苦戦したが、それでも勝つところが強い。Week16でブラウンズに借りを返さなければならないが、Homefield Advantageは確実。Divisional Roundはチーフスかテキサンズ。チーフスが出てくればWeek3の借りを返す戦いになる。

暫定第2シード ニューイングランド・ペイトリオッツ 10-2(Superbowlオッズ 8.0倍、プレイオフ進出確率 95%)

10勝2敗の成績だけみれば常勝軍団の面目躍如だが、戦い方には翳りが出ている。以前の展望で触れたようにターゲットがエデルマンとRBだけでは引き出しが少なすぎる。ベンガルズ、ドルフィンズが残っているので連続地区優勝は逃さないだろうが、そろそろブレイディ以降のチームを考える時期に来ている。

ゴストコウスキーのケガでキッカーに不安があるのも、戦術が限定される一因。長い距離で4thダウンギャンプルしなければならないようでは、ここ一番で影響が出るかもしれない。

暫定第3シード ヒューストン・テキサンズ 8-4(Superbowlオッズ 34.0倍、プレイオフ進出確率 85%)

テキサンズはチーフスとの直接対決で勝っているので、同じ星の場合は上位に来る。ただし、地区優勝争いのタイタンズと2戦残っているので、進出確率はチーフスよりやや低いとみる。

レイヴンス戦で粉砕されたようにディフェンスにはやや懸念があるので、ワトソンとホプキンスに頼る部分がどうしても大きくなる。勢いに乗っていればそのままだが、昨年プレイオフのコルツ戦のようなこともあり、波が大きすぎるのが難点。デンバー、タンパ戦を確実に取れば、プレイオフには残れそうだ。

暫定第4シード カンザスシティ・チーフス 8-4(Superbowlオッズ 9.0倍、プレイオフ進出確率 90%)

地区2位のレイダースに連勝したので、地区優勝が濃厚になった。ただ、今週のペイトリオッツ戦に勝ってもまだ1ゲーム差あるため、First Round Byeは難しい。いずれにしてもプレイオフでもう一度レイヴンスと当たる可能性大。

マホームズがヒザのケガで休んで以来、パスの精度が落ちたように思うのは気のせいだろうか。今シーズンレイヴンスに勝っているのはブラウンズとチーフスだけで、現状レイヴンスを止められるのはチーフスだけだろう。

暫定第5シード バッファロー・ビルズ 9-3 (Superbowlオッズ 101.0倍、プレイオフ確率80%)

ビルズが連勝し、9勝ラインに達した。残り全敗でもタイブレイクには持ち込めそうだが、あと1勝でプレイオフを確実にしたい。今週の相手はレイヴンス、若手QB同士のフレッシュな戦いだ。現状では少し足りないかもしれないが、どこまで食い下がれるか。

若手のオフェンス陣がスピード感ある攻撃を繰り出すところは魅力的で、レイヴンスに共通するところがある。ベテランのゴア+若いシングレタリーのRB陣と、ディフェンスの踏ん張りでプレイオフ1勝をめざしたい。

暫定第6シード ピッツバーグ・スティーラーズ 7-5(Superbowlオッズ 29.0倍、プレイオフ確率35%)

開幕週にロスリスバーガーがシーズンアウトとなり、ルドルフも使えずホッジスがQBを勤めるスティーラーズがこのままいけばワイルドカードというのには正直驚く。現状では残りどの試合も絶対有利とはいえず、この順位を守れる確率は3分の1。

ただ、これを機会に2000年に入ってからしばらく続いてきたビッグ・ベンの時代から、スムーズに世代交代が図れればしめたものである。ディフェンスが堅くランで勝負するのは古くからのチームカラーであり、きっちり準備できれば来年は楽しみである。

In the hunt 1ゲーム以内 テネシー・タイタンズ 7-5(51.0倍、40%)、オークランド・レイダース 6-6(67.0倍/30%)、インディアナポリス・コルツ 6-6(15.0倍/30%)、

タイタンズが0ゲーム差で、レイダースとコルツが1ゲーム差でワイルドカードを狙う。今週、タイタンズ@オークランドがあり、負けた方は厳しくなる。

タイタンズは残り4試合いずれもきつい相手だが、4連勝すれば地区優勝である。マリオタを下げてQBをタネヒルにしてからオフェンスが安定したが、これはシーズン前から予想されたことであった。毎試合”Win or Go Home”状態だが、その分チャンスもある。

レイダースはジェッツに大敗したのがどうにも痛かった。タイタンズ戦を乗り切れば後は負け越しの相手だが、同地区のアウェイなのでジェッツ戦の二の舞になるおそれがある。伝統的に反則で自滅するチームで、このところそういう試合が多い。

コルツはここぞという時にブリセットが欠場したりT.Y.ヒルトンが欠場したりする。残り4試合のうち3試合がNFC南地区相手で、ライバルを直接倒す機会がないところがつらい。

In the hunt 2ゲーム以内 クリーブランド・ブラウンズ 5-7(15.0倍/20%)

数字的にはプレイオフの目が残されてチームはあるが、現実的に可能性があるのはブラウンズまでだろう。ブラウンズはビルズに勝っているので、全勝すれば第5シードまで可能性がある。

シーズン前には躍進が期待されたが、メイフィールドがぱっとせず、ギャレットも無期出場停止になってしまった。同地区のレイヴンスは来年以降も強そうだし、スティーラーズも世代交代が進めば、再び長期低迷になりかねない。ただ、優勝決定しているだろうWeek16のレイヴンス戦を除けば、負ける相手ではない。

パンサーズのロン・リベラHCがシーズン途中にもかかわらず解任された。昨シーズンはパッカーズのマッカーシーHCが同じ目に遭ったので驚くことではないが、数字上はプレイオフの可能性が残っているのに、きびしいことである。

成績が上がらないのはニュートンのケガが大きな原因になっているので、ちょっと気の毒なような気がするが、あるいはニュートン後を見据えているのかもしれない。とはいえ、ノーブ・ターナーがアシスタントHC格になるようでは、あまり期待できないような気もする。

Week14が終わって残すところあと3週。NFCはハイレベルの争いが続いており、プレイオフに残る面々は見えてきたけれども、その中でどこが第一シードになるのか、ワイルドカードになるのか、はっきりしない。東地区優勝より勝率が上なのにプレイオフに残れないチームがでる可能性だけは、大きくなりつつある。

暫定第1シード サンフランシスコ・49ナース 11-2(Superbowlオッズ 29.0倍)[プレイオフ確率 95%]

いったんシーホークスに並ばれたが、再びリードして暫定第1シードを確保した。今週ファルコンズに勝つと、プレイオフ以上が確定する。その後はラムズ、シーホークスと続く地区優勝争いになるので、その前に決めておきたい。

序盤戦は相手が弱いだけと思っていたが、レイヴンスと接戦し、セインツを破った強さは本物。個人的にはガロポロは今一つ信頼できないが、ディフェンスが堅くランオフェンスが安定しているのが強み。あとは大一番で、普段の力が出せるのかということだけ。

暫定第2シード グリーンベイ・パッカーズ 10-3(Superbowlオッズ 17.0倍)[プレイオフ確率 95%]

今週ベアーズ、来週ヴァイキングスと続く同地区対決が正念場。連勝で地区優勝とFirst Round Byeを確実にしたいが、連敗するとワイルドカードも厳しくなる可能性がある。

先週のレッドスキンズ戦もそうだったが、ロジャースがいるから圧倒的に強いかというとそうでもない。よく考えるとイーグルスやチャージャースに敗れているので、それほど強いゲームをしてきた訳ではない。Superbowlまで進みそうな雰囲気はあまり感じられない。

暫定第3シード ニューオーリンズ・セインツ 10-3(Superbowlオッズ 11.0倍)[プレイオフ決定]

地区ライバルが伸びなかったので早々に地区優勝を決めたセインツだが、49ナースに競り負けてFirst Round Bye圏内から外れてしまった。星一つの差なのでまだチャンスは十分あるが、昨年、一昨年とプレイオフで運がなかったので、今年もちょっと心配。

残り試合はコルツ、タイタンズ、パンサーズなので3連勝が期待されるが、先行する2チーム次第では3連勝しても第3シードの可能性がある。ブリーズは調子が出てきたが今度はカマラが今一つなのと、ディフェンスがよかったりよくなかったり。

暫定第4シード ダラス・カウボーイズ 6-7(Superbowlオッズ 21.0倍)[プレイオフ確率 60%]

カウボーイズが3連敗で負け越したが、それでも地区首位である。10年ほど前にシーホークスが7勝9敗で西地区優勝したことがあったが、同様の結末が現実味を帯びてきた。当時は、プレイオフ方式の見直しが検討された。

地区優勝争いをしているチームのHC更迭論がかまびすしいのはよくないと前回書いたが、その騒ぎも大きくなる一方である。私が思うに、Superbowlに進めないのはギャレットHCのせいではなく、プレスコット、エリオット以降の若手が伸びていないからだ。

暫定第5シード シアトル・シーホークス 10-3(Superbowlオッズ 29.0倍)[プレイオフ確率 95%]

いったん地区首位に浮上したが、ラムズに敗れて暫定第5シードに後退した。ただ、ここでパンサーズ、カーディナルスと続くスケジュールはたいへん恵まれていて、ワイルドカードはほぼ確実だろう。

1ゲーム差を維持すればWeek17の49ナース戦は勝ったチームが地区優勝、負けてもワイルドカードということになりそうだ。”Win or Go Home”にはならないが、ナイトゲームの最有力候補。

暫定第6シード ミネソタ・ヴァイキングス 9-4(Superbowlオッズ 21.0倍)[プレイオフ確率 80%]

ヴァイキングスが星を伸ばして、暫定第6シード。とはいえ、Week16、17の同地区対決はどう転ぶか分からないので、Week15のチャージャース戦はMust Win。もしここを落とすようだと、ラムズ、ベアーズとのワイルドカード争いは混沌としてくる。

ここまでNFCのプレイオフ争いがハイレベルだと、序盤早々にパッカーズ、ベアーズに落とした同地区対決の2敗はたいへん大きかった。かつてのような圧倒的なディフェンスがみられないので、カズンスとレシーバー陣に頼るところが大きい。

In the hunt  ロサンゼルス・ラムズ 8-5(9.0倍、25%)、シカゴ・ベアーズ 7-6(17.0倍、10%)、フィラデルフィア・イーグルス 6-7(17.0倍、40%)

プレイオフに滑り込む可能性のあるチームは3チームに限られた。ラムズとベアーズはワイルドカード、イーグルスは東地区優勝の可能性がある。

ラムズはエンジンがかかるのが遅かった。シーホークス戦は攻守に隙がなく、なぜレイヴンスにあれだけやられたか分からなかった。現時点で自力プレイオフはなく、全勝しても上位チームが負けないとシーズンエンドとなる。

ベアーズは3連勝で再浮上してきたが、残り3試合がパッカーズ、チーフス、ヴァイキングスである。2つ勝ってヴァイキングスが足踏みすればWeek17に”Win or Go Home”の可能性がなくはないが、1つでも負ければアウト。状況はきわめて厳しい。

イーグルスは残す3戦がすべて同地区。ということはすべて負け越しチームということで、スケジュール的にはきわめて楽である。ともあれ、カウボーイズに勝たないと何も始まらない。今度の直接対決はホームゲームでWeek16だ。

[Dec 10, 2019]

カテゴリーNFL