142 SUPERBOWL XLIX 展望&回顧 [Feb 1, 2015]

SUPERBOWL XLIX(2/1、アリゾナ州フェニックス)
ニューイングランド・ペイトリオッツ(AFC) -1
Oシアトル・シーホークス(NFC)

書いていて思ったのだが、来年は50回、SUPERBOWL Lになるんですね。一文字になるのはSUPERBOWL X以来40年振り。

オープニングオッズでは両チームスクラッチ(-110)だったのだが、1週間経って多くのカシノでペイトリオッツFavoriteとなっている。とはいえ、-120対+100なのでほぼ互角であることには変わりはない。当ブログとしては、シーホークスに乗りたい。

何と言っても、チャンピオンシップで必敗の状況から逆転勝ちしたチームである。OTのプレイが最初からできていれば苦戦すらしなかったのだが、それは置くとして、10%の成功率とされるオンサイドキック、一か八かにしか見えない2ポイントコンバージョンなど、神がかりというものがあるとすれば、まさにそういうチームとなっているように思う。

そして、逆転のベースとなったのは、前半全く進まないオフェンス、ウィルソンの度重なるインターセプトにも切れなかったディフェンスであることは指摘すべきであろう。シーホークス以外のチームであれば前半で28-0になっているはずで、残り5分31-7だったらいかにシーホークスでも逆転のしようがなかったのである。

一方のペイトリオッツはコルツを粉砕してAFCチャンピオンとなった。コルツの軽量ディフェンスがペイトリオッツのランを止められなかったことで大差がついたものの、シーホークスのディフェンス相手にランが進むとは思えないので、やはりブレイディのパスがつなげられるかというところに最大の焦点があるだろう。

その意味では、CBシャーマンがどの程度回復して出てくるかということが重要である。ブレイディのパスターゲットは7割方グロンコウスキーとエデルマンで、シャーマンがマークするであろうアメンドーラやラフェルの比重は大きくはないけれど、ターゲットが少なくなればそれだけブレイディへのプレッシャーがかかりやすくなる。ランが出ないとなればなおさらであろう。

一方、ウィルソンの出来はチャンピオンシップよりも確実に上がってくるはずである。もともと、前半から飛ばすタイプのQBではないものの、マショーン・リンチやウィルソン自身のランを使い、ポケットから出てパスをうまく散らすことで、相手ディフェンスの体力を奪ってゲーム後半に優勢を確保しようとするだろう。もちろんベリチックは対策を練ってくるだろうから、このあたりの主導権争いも面白そうだ。

1990年代にペイトリオッツのHCだったピート・キャロルが古巣との対戦、シーホークスがペイトリオッツ以来のスーパーボウル連覇なるかどうか、シーホークスディフェンスがマニングに続きブレイディ攻略なるかどうかなどなど、見どころの多いスーパーボウルで、その意味ではグリーンベイが出てくるよりは面白い。

シーホークスのML(+100)、-7(+200)、-7から-12(+500)、-13から-18(+750)、-19から-24(+1100)あたりを組み合わせてと考えているが、去年もそうしたら35点差ついてしまったのだった。

[Jan 28, 2015]

SUPERBOWL XLIX(2/1、アリゾナ)
ニューイングランド・ペイトリオッツ 28-24 シアトル・シーホークス

ペイトリオッツのランが進まないとみてシーホークス有利としたけれども、ペイトリオッツがみごと逆転で10年振り4回目のスーパーボウル制覇を果たした。昨年とは違って、最後までスリリングでエキサイティングなゲームだった。

カースのミラクルキャッチで残り5ヤードに持ち込み、リンチのランであと1ヤード。まだ2ndダウンで、リンチでもウィルソンでも走って再逆転という場面で、なぜパスを選択したかは大きな疑問。もちろん裏をかくというのは作戦の常道だし、走ったとしてもファンブルしてターンオーバーということはありえるのだけれど、あの場面でパスはシーホークスらしくなかった。

仮に2ndダウン・3rdダウンが止められたとしても、最後までリンチに任せての力押し、もしくはウィルソンのスクランブルで力の勝負を臨むのがシーホークスらしかったと思う。それで勝てたかどうかはもちろん分からないが、裏をかくつもりが失敗というのは大きなダメージである。もし来年シーホークスが低迷するとしたら、これが原因となるかもしれない。

あるいは、ペイトリオッツがタイムアウトも取らず、あえてオフェンスに時間を使わせたということで、ランを止める自信があるのかと疑心暗鬼に陥ったのかもしれない。もし2ndダウンのランを止められてしまえば、最後のタイムアウトを取らざるを得ないから、次のプレイで時間がなくなるおそれがある。だから一つパスを混ぜるということだっただろうか。

その意味では、ペイトリオッツがよくリンチをマークして、ほとんどロングゲインを許さなかったのは大きかった。お互いにランを止め合えば、あとはブレイディとウィルソンのパス勝負。そこに持ち込めれば断然有利というのがペイトリオッツの戦略だっただろう。

もう一つ思ったのは、あの場面でランを使わずパスというのは、来期以降も見据えてピート・キャロルHCがあえて選択したのではないかということである。ウィルソンがスクランブルすれば最も成功確率が大きいが、この作戦は大ケガのリスクが常につきまとう。ウィルソンのドラフト同期RGⅢが活躍できたのは1年目だけだし、モバイルQBの多くはケガに悩まされている。

リンチのランも破壊的だが、ランニングバックがどこまでゲームメイクできるかというと疑問である。長いスパンでみて、シーホークスがリンチ中心のオフェンスをずっと続けるということは考えづらい。ここ10年のランニングバックでゲームメイクすることができたのはトムリンソンくらいで、リンチはトムリンソンの域には達していない。

HCとしてはそのあたりまで考えに入れて、パスを選択したのではないかとも思っている。実際、誰が見ても、プレイオフ以降ウィルソンのランをほとんど使っていない。チームの長期的な戦略を考えた場合、ウィルソンはもっとパスをさせるべきだし、リンチがいなくても勝負できる駒を増やさなければならないと考えたのかもしれない。

今オフでは、2年連続でスーパーボウルに進出したこともありサラリーキャップが厳しくなることが予想されるが、ああいう作戦をとるということは、あるいはリンチ放出も想定しているのかなとちょっと思った。

一方のペイトリオッツ。ブレイディが最後まで冷静でいられたのは、第1Qに自らの失投でのインターセプトがあったからで、その意味ではケガの功名ということかもしれない。そして同年代のブレイディ優勝を見て、マニングが現役続行を決意する可能性が大きくなったとしたら、何よりのことである。

ただ試合全般を振り返れば、4TDくらいはブレイディなら取れて当り前ともいえる得点であり、やはりディフェンスの頑張りで勝利を手にしたということになるだろう。

来季のことをいうと、ペイトリオッツを目の敵にするライアンHCがジェッツからビルズに移って引き続き同地区ということになるけれども、余程のことがなければ地区優勝は動かないし、コルツには大きなダメージを与えた。デンバーはマニングの去就が不透明だし、出てきたとしても年齢的に多くは望みにくい。止められるとすれば今年同様レイヴンスということになるが、来年もペイトリオッツがスーパーボウルに出てくる確率はかなり高いと考えている。

[COMMENT from ビートルさん]

 第49回スーパーボウルはAFC王者のペイトリオッツがNFC王者のシーホークスを接戦の末に下し、見事に10年ぶり4回目の世界一に輝きました。昨年は凡戦になったスーパーボウルでしたが、今年は双方の力と技が真っ向からぶつかり合った好ゲームであり、歴代ベストゲームの一つに入る試合だったと思います。

 試合経過は一進一退であり、前半はペイトリオッツがやや優勢でしたが、前半終了直前にシーホークスが約30秒でタッチダウンを奪って追いついてから形勢が逆転。後半の第3クォーターにはシーホークスが10点のリードを奪ったのに対して、ペイトリオッツは攻守ともに手詰まり感が漂い、このままリードを広げられて完敗かという雰囲気になっていました(私もこれではペイトリオッツは苦しいと思っていた)。

 しかし、最後の第4クォーターになってペイトリオッツが攻守ともに息を吹き返し、シーホークスを無得点に抑える一方で二つのタッチダウンを奪って逆転。ブレイディのパスは素晴らしく、特に最後のドライブは彼が現役最高のQBの一人であることを再確認させられる見事なものでした。

 だが、今回の試合のドラマはここからでした。押されるばかりだったシーホークスが反撃を開始し、どんどんエンドゾーン目指して進撃。特にウィルソンからカースへ通ったパスは奇跡的なものであって、もはや逆転と連覇は確実な情勢に見えました。まるで第42回、46回大会のデジャヴであり、画面に映ったブレイディはもう茫然自失と言った感じでした。私は「まだスパイゲートの天罰は有効だったか」と思ってしまいました。
 もはやこれまでかと思われたペイトリオッツを救ったのはルーキーのバトラー。起死回生のインターセプトでチームに勝利をもたらしました。これまた信じられないようなプレーで、思わず拍手してしまいました。パスインターフェアの危険も恐れず(実際、場内に「パスインターフェア」という誤報が流れ、シーホークスファンが歓声をあげる一幕もあった)、思い切ったプレーで勝ち取ったインターセプトだったと思います。
 まあ、シーホークスがパス攻撃を選択したことについてはいろいろと批判もあるでしょうが、結果論で責めるのも酷な話でしょう(あの局面でラン攻撃はある意味見え見えの戦法ですし)。

 最後にちょっと乱闘騒ぎになってしまったのは残念でしたが、試合としてはとても見ごたえのある満足できる内容でした。

 さて、来シーズンですが、もしかしたら重要なルール変更が行われるかもしれません。何とゴールポストのバーの間隔が4フィート縮められる可能性があるそうです。もしこの変更が実行されれば、ゴールが決まりにくくなるわけですから、長い距離のフィールドゴールはさらに難しくなりますし、今まで半ば「自動的に」決まっていたトライフォーポイントのキックが外れる可能性も高まります。試合の進め方も大きく変わってくるでしょう。まさに1974年にゴールポストの位置がゴールラインからエンドラインに10ヤードほど後退させられた時に匹敵する大改正になりえます。
 既に今年のプロボウルでこの変更ルールは実験されています。その結果は名手ビナティエリが簡単なフィールドゴールを一本、トライフォーポイントのキックを二本外すという結果をもたらしました。まあ、チームメイトがいつもとは違う点は差し引かねばなりませんが、かなりの影響があることは見て取れます。ルール改正が実行されるかはまだ分かりませんが、果たしてどうなることだか。

 来シーズンも面白い展開になってほしいですね。同じチームが勝ち続けるのはよくないので、まだスーパーボウル未制覇のチームには頑張ってほしいです。ビルズとかブラウンズとかに浮上の兆しが見えてきたのは、良い傾向です(なお、ブラウンズなどケビン・コスナー主演の映画『ドラフト・デイ』で物語の舞台になっています。そろそろツキがめぐってくるかも)。

[Feb 2, 2015]

カテゴリーNFL