WILDCARD WEEKEND
Week17のナイトゲームは、SF@SEAのN西地区優勝決定戦。前半はシーホークスが勝てそうにないゲームだったが、最後は接戦になった。インチ届かなかったけれども、ビーストのTDもあり面白かった。最後まで決まらなかったAFCの残り1枠は、テキサンズの主力温存に助けられたタイタンズが確保して、2シーズンぶりのプレイオフ登場を果たした。
さて、今週からいよいよプレイオフ。ワイルドカードは今年から日程が変わって、土曜日にAFC、日曜日にNFCが行われる。
Saturday Evening
バッファロー・ビルズ(ワイルドカード)
Oヒューストン・テキサンズ(南地区優勝) -2.5
ともにプレイオフは決定してFirst Round Byeがなかったので。先週は主力を温存した。昨年の対戦はテキサンズが、’15シーズンはビルズが勝っている。ワトソンは’17ドラフト、アレンは’18ドラフトと、ともに若いQBの対決である。
テキサンズは2011年からの9年間で6度目の地区優勝。2000年代のコルツに代わって南地区の盟主の座を確立しつつあるが、プレイオフでの実績がほとんどないのが悩み。ワトソンになって初白星を目指す。-2.5のオッズは恵まれた。
ビルズは久々にプレイオフ登場した一昨年と同様ディフェンスが堅い。Week14にレイヴンスに24点しか与えなかったが、Week9以降でラマール・ジャクソンを30点未満に押さえたのは49ナースとビルズだけ。ただ、21点以上取られると厳しいだろう。
Saturday Night
テネシー・タイタンズ(ワイルドカード)
Oニューイングランド・ペイトリオッツ(東地区優勝) -5.5
昨年のレギュラーシーズンはタイタンズが、一昨年プレイオフではペイトリオッツが勝っている。元コーチングスタッフとの対決は珍しくもないが、元所属選手がHCになって対決するというのも、ベリチックの時代がそれだけ長いということだろう。
ドルフィンズにゲーム・ウイニングTDを決められて第3シードに転落したペイトリオッツだが、残念ながらいまのチーム力からすると仕方がない。シーズン初めの展望で、エデルマンとRBしかパスを投げられる相手がいないと書いたが、事態は改善していない。
とはいえ、タイタンズも強調できない。今シーズン9勝のうち、勝率5割以上だったのはチーフスとテキサンズだけ。チーフスはマホームズが休み明けで、先週のテキサンズは主力を温存している。順当にいけばペイトリオッツだろう。
タイタンズの突破口としては、リーディングラッシャーとなったデリック・ヘンリーが大爆発するしかない。ペイトリオッツのオフェンスにかつてのような決定力がないので、ロースコアでランを生かせるゲーム展開に持ち込みたい。
Sunday Afternoon
ミネソタ・ヴァイキングス(ワイルドカード)
Oニューオーリンズ・セインツ(南地区優勝) -7.5
49ナース、パッカーズと同じ13勝ながら、カンファレンス内の勝率で下回るセインツが第3シードになった。ファルコンズに負けた一戦が効いてしまった。
とはいえ、史上最多TD記録を更新したブリーズの勢いは年齢を感じさせないもので、序盤戦の欠場がかえってよかったのではないかと思うほどである。カマラも徐々に調子を戻しつつあるので、オッズどおり圧勝を期待したい。
ヴァイキングスはホームで連敗してレギュラーシーズンを終えた。主力を温存したWeek17はともかく、1stダウン7回のWeek16はひどかった。プライムタイムに全く勝てないカズンズは頼れない。ディフェンスのビッグプレイが連発できないと厳しい。
Sunday Evening
シアトル・シーホークス(ワイルドカード) -1.5
Oフィラデルフィア・イーグルス(東地区優勝)
Week12の対戦では、同じイーグルスホームでシーホークスが17-9で勝っている。しかし、季節が進んで真冬となり、イーグルスが4連勝中でシーホークスが2連敗中である。Underdogのイーグルスを狙いたい。
イーグルスが苦戦したのは、ウェンツがいま一つだったのと、RB陣に精彩がなかったのが大きな要因である。シーズン終盤にはレッドスキンズ、ジャイアンツに苦戦したがとにかく勝ち、一発勝負ともなれば分からない。
先週のシーホークスは惜しかったが、仮にあのインチが届いていたとしても第3シードで、今週も出なければならなかった。問題は苦手である冬場の東海岸で、このオッズは見込まれすぎ。
レイダースのサヨナライベントに出ていたリンチと先週契約したのに、いきなりダイビングTDを決めたのは盛り上がった。最後はあと数インチまで迫ったのだから、ケガ人続出で戦力不足と決めつけることはできない。
[Jan 2, 2020]
DIVISIONAL PLAYOFF
先週のWildcard Weekendはワイルドカード勢が大爆発、OTで辛くも逆転したテキサンズ以外はすべてホームチームがお帰りとなった。
第6シードが勝つと次に当たるのは第1シードで、ここを抜けるのは容易でない。記憶に残るのは2005年シーズンのスティーラーズで、大本命コルツを破ってSuperbowlまで制覇したが、その時はロスリスバーガーがいて、ポラマルがいて、ジェローム・ベティスもいた。今年のタイタンズとヴァイキングスにそこまでの仕事ができるかどうか。ちょっと難しいかもしれない。
大ベテランのブレイディとブリーズがともに敗れた。インターセプトとファンブルロストのブリーズはミス負けたが、ブレイディはシーズン中からの課題がとうとう解決されなかった。シーズン後に引退が話題となるかもしれない。
NFC Saturday
ミネソタ・ヴァイキングス(ワイルドカード)
Oサンフランシスコ・49ナース(西地区優勝) -7.5
ヴァイキングスはレギュラーシーズン最後の2戦を捨てただけあって、万全の準備でプレイオフに臨んだ好ゲームだった。とはいえ、こういうケースでは連勝が難しいことも確かである。’18シーズンに24-16でヴァイキングスが勝っているが、あまり参考にならないだろう。
49ナースのランディフェンスはセインツとは一味違うので、ワイルドカードのようにランは出せないだろう。また、ボサを始めとするパスラッシュもきびしいので、カズンズが突破口を切り開くのも難しい。
ブリーズを苦しめたパスラッシュはジミーGにも有効と思われるが、RBはモスタート、コールマン、ブリーダを使い分けるので、カマラ一人のセインツのように押さえられるとは限らない。
ワイルドカードと同様、ディフェンスのビッグプレイが望みの綱だが、49ナースも同様にディフェンスが強いのでビッグプレイがあるのはお互い様である。
AFC Saturday
テネシー・タイタンズ(ワイルドカード)
Oボルティモア・レイヴンス(北地区優勝) -9.5
タイタンズは後半ブレイディを完全に押さえ込んで無失点だが、最後のインターセプトリターンTDは余計だった(その場でダウンしてゲームセットにするのが本当)。’17シーズンにタイタンズが23-20で勝っているが、ジャクソン加入前なので全く参考にならない。
オールプロ選出、MVPも濃厚なラマール・ジャクソンに懸念があるとすれば、昨年いいところがなかったプレイオフの舞台で普段通りのゲームができるかどうかということだけ。パスには紛れはあるが、ランに紛れはないので、イングラムともどもランでゲームを支配したい。
タイタンズはタネヒルがプレイオフ初登場初勝利をあげたが、勝利の立役者は182ヤード走ったデレク・ヘンリー。シーズン中はランディフェンスがよかったペイトリオッツが全く止めることができなかった。ヘンリーがレイブンス・ディフェンスを崩せば面白くなる。
ヘンリーとマリオタのタイタンズ、ジャクソン、イングラム、RGⅢのレイヴンスとハイズマントロフィーが集結する対決だが、人数が多い分レイヴンスに分がありそうだ。
AFC Sunday
ヒューストン・テキサンズ(南地区優勝)
Oカンザスシティ・チーフス(西地区優勝) -9.5
Week6のアローヘッドスタジアムでは、31-24でテキサンズが勝っている。その結果からみるとチーフスに-9.5のオッズは見込まれすぎのような気がするが、秋口と冬場では違う。テキサンズは気候にも苦しめられそうだ。
テキサンズはビルズに16点先行された。とても追いつけそうな展開ではなかったが、第3Q後半になってようやくワトソンに調子が出て、ホプキンスへのマークが甘くなったこともあってオーバータイムで競り勝った。
とはいえ、第4Qラスト2ミニッツ、4thダウンギャンブルしたのはプレイオフの戦い方ではなかった。あの場面はFGか、難しいと思えばパントすべきところで、本来OT以前に逃げ切れたゲームである。オブライエンの采配に疑問が残るところである。
チーフスは今期のレイヴンスに勝っている数少ないチームなので、ここを確実に勝ってチャンピオンシップに臨みたい。マホームズは寒さには慣れているので、ワトソンよりは影響は少ないと思われる。昔、マニングがジレット・スタジアムで苦しんだゲームのようになるのではないか。
NFC Sunday
シアトル・シーホークス(ワイルドカード)
Oグリーンベイ・パッカーズ(北地区優勝) -3.5
’17にはグリーンベイが、’18にはシアトルが勝っている。今シーズンは対戦がなく、プレイオフで初めてぶつかることになる。
シーホークスのワイルドカードはFavoriteだったが、ウェンツが前半で退場したのも大きく、その割にマッカウンにたびたび長いパスを決められるなど、安心して見ていられるゲームではなかった。(ちなみに、ウェンツ負傷はケガをさせるようなペターソンHCのコールも影響している。一昨年プレイオフに出られなかったのも、そういうブレイをコールしたからである)
カーソン負傷離脱の影響はたいへん大きく、リンチは復帰したものの何十回もボールを持たせる訳にはいかないので、それだけウィルソンの負担が大きくなる。プラス面はメトカーフがブレークしたことで、マークをきつくすればロケットが空く。
パッカーズは13勝で第2シードを確保したが、チャージャース、イーグルスに敗れるなど盤石ではない。地の利とシーホークスのRB難でパッカーズを推すけれど、今週はこのゲームが最も波乱含み。ベテランQBが苦しんでいる流れの中で、ロジャースが踏ん張れるか。
[Comment from Saitohさん]
TAIPAさん、明けましておめでとうございます。
今年もブログ読ませていただきたまにコメントさせて頂きます。
先週の私の予想は2勝2敗でした。
シーホークス以外が上位陣が手厚いと思ったのですが
プレーオフに滑り込んだタイタンズ相手ならべりチックが
何とかするのではないかと思ったのと
セインツはミスが多かったですね。
2QのFG失敗が最後まで響いた気がします。
NFC Saturday
ミネソタ・ヴァイキングス(ワイルドカード)
Oサンフランシスコ・49ナース(西地区優勝) -7.5
ここは難しい、セインツ戦みたいに戦えれば-7.5のハンデは
大きいが第1シードを信用して49ナーズ載り。
AFC Saturday
テネシー・タイタンズ(ワイルドカード)
Oボルティモア・レイヴンス(北地区優勝) -9.5
今のラマージャクソンをタイタンズが止めるイメージが湧きません。
そしてあまり注目されていませんがレイヴンズのDFは強そうなのでレイヴンズ載り。
AFC Sunday
ヒューストン・テキサンズ(南地区優勝)
Oカンザスシティ・チーフス(西地区優勝) -9.5
week6は参考にしないものの今年のチーフスは反則が多く
ドロップも結構見られる。昨年ほど強くはないのではないか
と思っていますので-9.5のハンデに乗じてテキサンズ載り。
NFC Sunday
シアトル・シーホークス(ワイルドカード)
Oグリーンベイ・パッカーズ(北地区優勝) -3.5
第2シードでありながら反則も多くドロップもよく見かける
パッカーズ。(ブリーズとのベテランQB対決が見たかったです。)
何故13勝出来たかと言えばA.ジョーンズを巧く使った攻撃と
ロジャースの勝負強さだと思います。
で、プレイオフでシーホークスが何の対策も考えないとは
思えないのでここはシーホークス載りです。
-3.5のハンデがあるように思えません。
以上、私も勝手に予想してみました。
今年もよろしくお願いします。
[Jan 8, 2020]
CONFERENCE CHAMPIONSHIP
テネシー・タイタンズがSuperbowlに最も近いと思われたレイヴンスに完勝した。MLで+300を超えるチームがUpsetを起こしたのは、2012シーズンのレイヴンスがブロンコス(+8.5/+350)、ペイトリオッツ(+9.5/+350)に勝ってSuperbowlに出た時以来。
私は、レイヴンスが負けるとしたらああいう負け方、つまりリードを奪われてジャクソンがパスを投げるしかなくなり、ドロップ、バスミス、インターセプトというのが最も可能性が大きいとみていたが、それをやるのがタイタンズというのが予想外だった(チーフスだと思っていた)。
ハーボーのプレイコールも不可解で、なぜ開始早々からパスぱかりコールしたのか、やらなくてもいい4thダウンギャンブルをしたのか、よく分からなかった。HCだけがプレイオフに慣れているので、普段通りやれば勝てるという意識が強すぎたのだろうか。
有馬さんはレギュラーシーズン中は各チームともレイヴンスに特化した対策をとらなかったためと解説していたが、この試合でもジャクソンはちゃんと走っているし投げている。パスオフェンスが分断されたのはレシーバー陣の度重なる落球のせいで、それだってランを中心にすれば避けられたかもしれない。
AFC Championship
テネシー・タイタンズ(ワイルドカード)
Oカンザスシティ・チーフス(西地区優勝) -7.5
チーフスは0-24と差をつけられた時はレイヴンスの二の舞かと思ったが、怒涛の反撃で逆に大差をつけた。きっかけとなったのはテキサンズのフェイクパント失敗で、何でプレイオフで、リードしているのに自陣深くでああいうことをするのか理解に苦しむ。
その後のチーフスの勢いからいって追いつかれた可能性は大きいとしても、勝負を第4Qまで持ち込めばディフェンスが切れることもなかっただろう。「まさかと思うだろうから成功する」などというのは勝手読みというものである。
オフェンスの決定力に差があるので、チーフスの優位は明らか。Week10にタイタンズが勝っているが、これはマホームズが休み明けという要因があった。テキサンズと同様、冬場のアローヘッドはアウェイでは戦いにくい。
チーフスはDivisionalで地獄の渕を覗いたから、ここは気を引き締めてかかるだろう。ドロップなどつまらないミスをしないことだ。先週も書いたけれど、マホームズはシーズン中盤の休みがいい方に働いているように思う。
タイタンズのDivisionalはデリック・ヘンリーの大活躍はあったものの、どちらかというとレイヴンスの自滅に近い。オフェンスもディフェンスもあれ以上のパフォーマンスを出せるとは思えないので、ヘンリーのランで食らいついていく以外に方法はない。
NFC Championship
Oグリーンベイ・パッカーズ(北地区優勝)
サンフランシスコ・49ナース(西地区優勝) -7
グリーンベイを推すのは、ひとえに+7のハンデが大きすぎると思うからである。+3から+4、せいぜい+5とみていた。タイタンズと同じようなハンデということになると、それはちょっと付けすぎと思うのである。
確かに、Week12にランボーフィールドで、8-37で戦意喪失してロジャースを下げてしまったゲームはいただけなかったが、また同じような負け方をするようならロジャースもそろそろ終わりか、ということになる。
49ナースのDivisionalはほとんど危なげがなかった。唯一どうかと思ったのは、第2Q終盤、自陣深いところでガロポロにパスさせてインターセプトを招いたところで、ランが出ているのだからリスクを冒すところではなかった。
結局はシャーマンのINTから連続ラン攻撃でTDを奪ったところで勝負あったのだが、ガロポロとロジャースの差はやはり大きいとみる。シャナハンHCが王道のランでゲームコントロールできればいいが、妙に楽勝ムードだと足元をすくわれる怖れはありそう。
もちろん、ロジャースにかつてほどのパワーがないことも確かなので、再びじりじり差を開かれる展開になると苦しい。ただ、いかに49ナースのパスラッシュが厳しくとも、何らかの対策はとってくるはずである。MLまでは自信ないがPSなら。
[Comment from Saitohさん]
先週の私の予想は1勝3敗でした。
レイブンズの慌て方、テキサンズはドタバタ、パッカーズは
勝負強かったです。
レイブンズはレギュラーシーズン4thダウンギャンブルが8/8だったので
過信したのでしょうか?
0-14になってラマージャクソンと首脳陣が冷静さをなくしたように
感じました。
それに対して不可抗力に近いとは言え0-24になってからの
マホームズは冷静で強かったですね。
>きっかけとなったのはテキサンズのフェイクパント失敗で、何でプレイオフで、リードしているのに自陣深くでああいうことをするのか理解に苦しむ。
まさにこの通りでテキサンズ自身の攻撃力を信用すれば
あんな不可解なプレイで流れを失くす必要はなかったように感じます。
AFC Championship
テネシー・タイタンズ(ワイルドカード)
Oカンザスシティ・チーフス(西地区優勝) -7.5
タイタンズはヘンリーのランに注目がいきますが
実はタネヒルの冷静さがストロングポイントになっている気がします。
>チーフスはDivisionslで地獄の渕を覗いたから、ここは気を引き締めてかかるだろう。ドロップなどつまらないミスをしないことだ。
この言葉通りでマホームズ以外のプレイヤーが普段通りプレイできれば
チーフス有利は動かないでしょう。よって私もチーフス載り。
もしチーフスに反則が多く出たら勝敗はわかりません。
NFC Championship
Oグリーンベイ・パッカーズ(北地区優勝)
サンフランシスコ・49ナース(西地区優勝) -7
ここも49ナーズ有利は動かないもののロジャースにとって残り少ない
スーパーボールへのチャンス
きっと接線になることの期待を含めて7点ハンデのパッカーズに載ります。
[Jan 15,2020]