195 SUPERBOWL LIV展望&回顧 [Feb 2, 2020]

SUPERBOWL LIV (2020/02/02、マイアミ・ハードロック・スタジアム)
Oサンフランシスコ・49ナース(NFC) +1/+100
  カンザスシティ・チーフス(AFC) -1/-120

オフェンスvsディフェンス、ランvsパス、プレイオフ逆転勝ちvsプレイオフ楽勝、60代コーチvs40代コーチなどさまざまの対抗軸が目に付く一戦、共通なのは両チームとも西地区を制覇してプレイオフをホームゲームで勝ち上がってきたということだ。

50年ぶりのSuperbowlとなるチーフスはDivisionalに続いての逆転勝ち。Divisionalはイージーなパスドロップが目立ったが、Championshipでは不用意な反則が目立った。マホームズの大活躍で逆転はしたものの、盤石という勝ち方ではなかった。

特に気になるのは、序盤でのミスが多く点差をつけられることである。これは、シーズン中からみられた傾向だが、一発勝負のプレイオフでこういう試合が続くのはいかにも不利である。

49ナースはハーボウル以来のSuperbowl。当時はQBをアレックス・スミスにするのかキャパニックにするのかという迷いがあったが、今年はガロポロのパスでいくかランで攻めるかという選択肢である。

Championshipでコールマンが負傷、2週間あるのでQuestionableだが、フル出場は難しいように思える。モスタート、ブリーダだけでも十分な破壊力があるものの、ここ2戦のようにランだけという訳にはいかないかもしれない。

ディフェンスは安定して強力であり、Championshipではパッカーズ相手にレギュラーシーズンと同じ勝ち方をした。ミスが起こるとすればガロポロのパスで、RBにもWRにも経験の浅い選手が多いので、Superbowlの舞台でどうかという不確定要因もある。

昨年マクベイがベリチックにやられたようにコーチの経験差も気になるが、アンディ・リードもスパニュオーロも、ベリチックほどのSuperbowl経験がある訳ではない(そんなHCはベリチックだけである)。Championshipをほとんどすべてランでプレイしたシャナハンなら、惑わされることもないだろう。

試合展開としては、49ナースがランで入ることはほぼ確実なので、チーフスがこれを止められるかが第一のポイント。スパニュオーロが対策を講じてくるだろうが、すべて止めきるのは難しいかもしれない。

そして、ランが押さえられたとして、49ナースのパスオフェンスをどう攻略するかという問題がある。キトル、サミュエル、経験豊富なエマニュエル・サンダースといったターゲットを、すべてカバーするのは大変である。

ただ、今シーズン49ナースが敗れた相手はラマー・ジャクソン、ラッセル・ウィルソン、マット・ライアンであり、マホームズなら49ナース以上に点を取れるのではないかという期待はある。(その観点からいうと、アーロン・ロジャースの力は落ちているということである)

そして、少し気になるのは、49ナースが時々よく分からない苦戦をすることである。Week7のレッドスキンズ戦やWeek11のカーディナルス戦がそうだし、Week17のシーホークス戦後半も突然の失速だった。

だからもしかすると、49ナースは先々週がピークで今週は下降線なのかもしれない。レギュラーシーズンも、Week12にパッカーズに大差勝ちした後、レイヴンスに負け、セインツと2点差、ファルコンズに負けと下降線に陥った例がある。

いずれにしても、49ナースが勝つとすればプレイオフの戦い方を続けてランでゲームコントロールする場合だろう。逆にチーフスが勝つとすればノーガードの点の取り合いにして、最後にボールを持っていたのがマホームズという展開が最も可能性がある。

チーフスはパスドロップを2、3回しないと調子が出ないようなので、予想としては49ナース乗り。ただ、チーフスが勝つとすればマホームズがMVPであることは、ほぼ確実だろうと思う。

 

[Comment from ビートルさん]

専門家たちの予想はAFC王者のチーフスに傾いていると聞きますが(6割強がチーフスを推している)、強固なディフェンスのNFC王者49ersは安定して力を発揮する可能性が高いので、私は五分五分とみています。

 ただ、どちらに勝ってほしいかというとチーフスです。まだリーグ統合前だった1970年以来50年ぶりの栄冠を勝ち取ってくれればうれしいです。また、マホームズの魔法のようなプレーは非常に魅力的であり、彼の輝く姿を見てみたいですね。
 確かにチーフスのプレーオフでの苦戦癖は心配ですが、逆に言えばどんな逆境も跳ね返せるという自信を有しているかもしれません。

 ちなみにこのカードはスーパーボウルでは初めてですが、1994年(93年度)に「もっとも対戦を熱望された組み合わせ」でした。あの時はチーフスに移っていたジョー・モンタナと、49ersで彼からエースQBの座を奪ったスティーブ・ヤングがスーパーボウルで激突する姿を見てみたいというファンが多かったものです。結局、どっちもカンファレンス決勝で負けてしまって幻になってしまったのですが。

 どちらが勝つにせよ好ゲームを期待します。双方が持ち味をしっかり発揮してほしいですね。

 

SUPERBOWL LIV (2019/02/01、マイアミ)
カンザスシティ・チーフス O 31-20 X サンフランシスコ・49ナース

今年のプレイオフは一方的なゲームや流れが行って帰ってという大味な試合が多かったので、モメンタムが行ったり来たりして最後までスリリングな展開が楽しめたSuperbowlだった。

ただ、個人的には、49ナースがあれだけガロポロに投げさせたのはどうだったかと思う。コールマンとモスタートのランが合計17回で76ヤード、一方でガロポロにパスを投げさせた回数が31回である。

かたや、デミアン・ウィリアムスのランが17回で104ヤード、マホームズが9回29ヤード。ラン回数はチーフスの方が多い。終盤までずっとワンポゼッション差なのに、これでは勝てない。

ゲーム序盤はチーフスを3アンドアウトに押さえた49ナースのペース。FGで先制してTDを返されたのは仕方がない。そこから仕切り直せばいいのに、ガロポロにパスを連投させてインターセプト、モメンタムはチーフスに移る。

ここをディフェンスががんばってFGに押さえ、ユースチェックをレシーバーにして追いついたあたりから、再び49ナースのペース。後半に入ってマホームズが2度のインターセプトを喫し、残り時間は12分で10点差、得意のランで時間を食いつぶすチャンスであった。

ところが、シャナハンはここでもガロポロにパスを投げさせる。3rdダウンロングならば仕方ないけれども、2ndダウンからパスを投げて失敗するから、時計も進まないしランも使えなくなる。

100ヤードも200ヤードも走るRBがいるのに彼らを使わないことで、プレイアクションでパスを通すのが得意なガロポロも良さが出なかった。逆転してブリッツをかけられた場面は、かつてブレイディがスパニュオーロにやられたSuperbowlを思い出した。

試合全般を通して、簡単なドロップや反則、キッキングミスが少なく、ディフェンスも相手の強力な攻撃を押さえて、締まった試合だったと思う。だから選手にはそれほど大舞台の影響はなく、ガロポロはもともとあのくらいのパフォーマンスである。

Superbowlの舞台でいつもと違ったのは、マホームズである。ベンチの作戦だったのかもしれないが、前半ロングパスをほとんど投げず、2度のインターセプトもQBの責任のように見えた。後半のロングパスがなければ、ヒルは一体どこにいたんだろうというゲームであった。(チーフスが勝てばマホームズがMVPというのは、予想通りだった)

そして、マホームズ以上によくなかったのは、シャナハンではないだろうか。前半2ミニッツでランの後タイムアウトをとらなかったのは(GMがタイムアウトのジェスチャーをしていたが、審判はもちろんとってくれない)、相手に弱気を見透かされた。

そして何よりも、2ポゼッション差の残り12分をランで攻めることができなかったのは、プレイオフを勝ち上がってきた原動力のランよりも、よくやっているディフェンスよりもガロポロを頼りにしたということで、私には順番が違うように思える。

第4Q最後の攻撃も、ランは最初のモスタートだけであった。タイムアウト3回あればランを交えて問題ないはずで、3ダウン10だってランで5ヤードずつ進めばファーストダウンである。

終盤まで緊迫したスリリングなゲームではあったが、49ナースが得意のランでがりがり行かなかったのはかなり消化不良であった。Championshipがピークでそこからやや下降していたという見方もあるが、私はHCの要因が大きいように感じた。

[Comment from ビートルさん]

すごい試合でした。

 第54回スーパーボウルはNFL100周年にふさわしい面白い試合になりました。試合の大半は49ersのペースで進み、このまま押し切るかと思われましたが、第4クオーターの半ばからチーフスが覚醒し一挙に3タッチダウンで大逆転という凄い展開でした。双方が持ち味を出した好ゲームだったと思います。

 それまではチーフスは攻守ともに押されており、頼みのマホームズが2回目のインターセプトを喫した時点で「勝負あり」という空気すら漂っていました。流れをひっくり返したのは残り7分程度でのサードダウン15ヤードで彼が決めたロングパスだったと思います。ここでパントとなるとそのまま押し切られた可能性が高かったことを思うと、まさに起死回生の一撃でした。また、それまで「やられっぱなし」という印象すらあったチーフス守備陣が最後の最後で奮起して49ersの攻撃を抑え込んだことも大きかったです。

 これでチーフスは旧AFL時代以来の50年ぶりの世界一。喜びもひとしおでしょう。どうやらNFLに新しい風が吹き始めたようです。あまりにも強すぎたペイトリオッツの時代が終わり、新時代の幕開けを告げるチーフスの優勝だったと思います。

 来季はもっと面白くなると期待しています。次はタイタンズやビルズなどが優勝するとよいなと思っています。

[Feb 4, 2020]

カテゴリーNFL