037 年金生活雑感 その時にしかできないこと [Mar 18, 2020]

コロナウィルスで中国・韓国との出入国がややこしいことになっている。そういえば、しばらく海外に出ていない。パスポートを確認してみたら、最後にラスベガスに行ったのは2011年、最後のマカオはそれより前の2010年春だった。

マカオにはさんざん行った、と言えるかもしれない。サンズができてから売上でラスベガスを超えるまでの一時期、訪れるたびに風景が変わるマカオを見てきた。ハンドルネームも、マカオにちなんだものを使い続けている。

奥さんからは「もう一生分遊んだでしょう」と言われてしまう。一生分かどうかは何ともいえないけれど、あの時代にしかできないことをしたということは感じている。

以来、10年が経過した。数ヶ月を開けずに通っていた頃はいつも、次はいつ来ようと思っていた。しかし、こうしてしばらく行かないでいると、あれほど頻繁に通った日々が夢のようである。

最近のマカオは政治家の収賄容疑で映像が出てくるくらいで、あまりイメージがよろしくない。グランドリスボアの映像を見ると華やかだけれど、昔のずんぐりしたリスボアのローカルさをむしろなつかしく感じる。

かつてはスタンプを押すページが足りなくなりそうだったパスポートも、今年の夏で期限が切れる。ちくわさんが中国本土に入る時に、スタンプを押す余白がなくなってあたふたした、なんてこともあった。

若い時から、その時しかできないことを思う存分するよう意識している。その方が、年取ってから後悔することがより少ないと思うからである。

いまは年金生活で海外旅行はなかなかできないが、タイパ島に建設中のカシノホテルや、ケアンズのホテルの窓から見た市街の風景、テニアンのこじんまりしたカシノと離島のさりげない風景など、いまも思い出すとなつかしい。もちろん、MGMの最後部の座席を1000ドル出して見たデラホーヤvsホプキンスもいい経験であった。

家の近所を散歩していて総武カントリーや習志野カントリーの横を歩くことがあるのだけれど、ゴルフをしたいとは全く思わない。あんなことに、どうして多くのカネと時間を浪費していたのだろうと思う。ということは、職場の付き合いでやっていただけで、本当にやりたいことではなかったのである。

一方で、もし今おカネと時間がもう少しあったとしたら、カシノでポーカーやバカラ、BJ卓を前に胸おどるひとときを過ごしたいとは思う。本当にやりたいこととはそういうことだ。

だから、環境がかなり違ってしまった現在でも、今しかできないことは何だろう、と考える。お遍路や山歩きに使う時間が多くなったのは、足腰が衰える前の今しかできないからである。いよいよ足腰が衰えてしまったら、生きている間にしかできないことは何か、考えることになるだろう。

いずれ遠からず当り籤が当たる日が来るのだが、そうやってその時にしかできないことを積み上げていくことができれば、心静かにフェイドアウトできるのかもしれない。


かつてのパスポート渡航記録。いつの間にか、海外に行かなくなって10年近くが経ちました。

 

先週、カシノや海外旅行から遠ざかっていることについて書いた。そういえば、フェイドアウトしつつあるものはそれだけではないようだ。今日はそのことについて。

コロナウィルスの影響でニューヨークのダウは乱高下しているが、日本の株価もようやく足並みを揃えたようで、先週大幅な急落があった。1週間で3000円近く下げて2万円を大きく割り込んでいる。

中国人観光客がいなくなって爆買いやホテル需要が壊滅しただけでなく、あちらの工場が止まっているのでいろいろな部品が調達できないでいる。消費も生産も停滞するし住宅建設にも影響が出ているという。GDPの大幅な低下も避けられない。

となれば、株安もやむを得ないところであり、今後さまざまなところに影響が出るだろう。そもそも、アクシデントは世の中に付き物であって、NYダウが3万ドル近かったり、日経平均が2万円を長らく上回っていること自体が普通でなかった。

いまでも少しだけ株は持っているけれども、差し当たり必要な現金は用意しているので、値下がりは望ましくないものの大きな影響はない。信用取引もやらなくなって久しいので、株価に一喜一憂することもない。

WEBを見ると含み益が飛んだとかいう記事を見かけるが、手持ち株式の配当利回りが2%以上あるので、銀行に預けておくより気分がいい。そして最後の砦は、ローンのなくなった家である。

思い起こせば、株式投資を始めたのは社会人になってすぐで、40年前のことになる。多くの人と同様に自社持株会が最初で、少しずつ他の株式にも手を広げた。

おりしもバブル最盛期にかかる頃で、今は昔になったNTT株も2株当てることができた。当時の値上がりがそのまま続けば、50歳になる頃には金融資産が1億円を超える計算であった。

ところが、ほどなくしてバブルが崩壊。以来、日経平均の最高値を更新しないまま30年以上が経過した。当時働いていた会社は合併を繰り返し、株価を換算すると4分の1以下になっている。最高値の頃に時価発行増資をしているが、当時から従業員福祉ではなく会社によるマルチ商法だと思っていた。その通りになった。

だから1億円の予定が2,500万円くらいのはずだが、それすら大きく届かないのは、売り買いが下手だということであろう。上がったと言えば喜び下がったといえば憂鬱になり、たまに売り建てすると急に値上がりして、すぐに損切りしなければならなかった。

それでも、ストレスがなくなったことはたいへんうれしいことである。信用取引をしていれば先週の乱高下で喜んだのか悲しんだのか、どちらにせよよく眠れなかったはずだ。

もうこの歳だから、1億円の金融資産など欲しいとは思わない。それより、ストレスなく平安な毎日がこのまま続くことが望みである。カシノや海外旅行と同様、株式投資からもフェイドアウトしつつある今日この頃である。

ただ、中国で生産が止まると原油価格まで影響があるのだから、ワイン価格も下がってくれないかとお気楽なことを考えている。

[Mar 18, 2020]