077 非常事態宣言と正常性バイアス [Apr 14, 2020]

正常性バイアスという言葉がある。脳の働きのひとつで、目の前に壊滅的なことが起こっているにもかかわらず、これは正常の範囲内でわが身に危害が及ぶことはないと判断してしまう傾向のことである。

近年の例では、東日本大震災で津波警報が出たのに、実際に津波が来るまで避難を始めなかった人達が少なからずいたらしいし、御嶽山の噴火では噴火後の山頂直下で写真や動画を撮っていた人達がいたという。

3月の3連休には、花見に行ったり聖火だオリンピックだと言っていたのに、東京都の感染者(重症者ではない)が1日100人程度で非常事態宣言だと大騒ぎである。だったら始めからあわてろという話である。

先週非常事態宣言があって、週末には都知事がいくつかの業種に営業休止(協力)を要請した。非常事態宣言はいまのところGW終了まで予定されており、その先も延長される可能性がある。

図書館や公共スポーツジムは宣言以前から自粛しているので、見た目に大きな変化はない。TVでは相変わらずお笑い芸人がいろんな番組に出張っているし、局アナは街の様子を報道するという名目で外に出て不要不急の取材をしている。無人カメラでできるだろうし、インタビューなどもっての他だ。噴火後に動画を撮影していた人とあまり変わらない。

私が心配することではないかもしれないが、このままだと正常性バイアスが働いて、多くの人がたいしたことはないと思い込んでしまうだろう。

私も、前に書いたとおりコロナウィルスが壊滅的な被害を与えるとは思っていない。とはいえ、予想を超えた大きな感染爆発となる可能性は少なくないので、いろいろな情報は目を通すようにしているし、リスクの大きい行動は避けるように心掛けている。

そういう観点からすると、「非常事態」と言いながらやってることはいつもと同じだったり、「前例にとらわれず」「しっかりと」「みなさんに」布マスク2枚配るような口だけ非常事態は、百害あって一利なしなのである。

私の住んでいる県も非常事態宣言が出されているので、一日に何回も、防災無線で「不要不急の外出はしないようにしましょう」と放送がある。迷子のお知らせ(大部分は認知症の高齢者)の放送はちゃんと聞くけれども、「非常事態宣言が・・・」と始まったとたん、早くもろくに聞かないようになってしまった。「光化学スモッグ」と同じである。

TVでは「感染者が過去最多の一日△百人を超えました」などと言っているけれども、これまでろくに検査をしていないのだから陽性者が増えるのは当り前である。ちゃんと検査をしたら1日に数千人になるだろうし、そのくらいに増えても全く驚かない。

この間はTVで、「4日以上微熱がある人が全国で2万人以上いる」と言っていたけれども、コロナがなくてもそれくらいはいるはずだし、知りたいのはその中で人工呼吸器が必要になるのは何人くらいかなのである。医療崩壊と大騒ぎするけれども、コロナ対応医療機関を限定してキャパシティを超えるのは、ちゃんと必要病床数を見極めない役所の頭が悪いのだ。

いま個人的に気をつけていることは、マスコミはじめいろいろなノイズに影響されないよう、頭をクリアにしておくことである。ひねくれているようだが、多くの人が騒いでいる時にはあわてる必要はなく、みんなが油断してる時こそアラームを全開にしなくてはならない。

GWまで、政府とマスコミの情報誘導で、感染者がますます増えているという報道が続くだろう。それはそれで構わない。実際に重症者がどれくらいいて、万一重症になった場合どこで診てもらえるのかも、いまさら教えてくれなくてもいい。

自宅で自力で治すという覚悟と、最悪の場合、数日で容体が急変しても仕方ないとあきらめさえすれば済むことである。ただ、役所だの福祉だの善意だのに期待しない代わりに、自分の判断で「不要不急の」外出をする際には四の五の言わないでほしい。

[Apr 14, 2020]


家の前の公園には、市の防災無線のスピーカーがある。迷子の放送は気をつけて聞くのだけれど、非常事態宣言は聞くのをやめた。