079 非常事態宣言は治安悪化を招く・ストレスの閾値 [Apr 30, 2020]

なんだか「週刊コロナ」みたいになって心苦しいのだが、それだけ大きなニュースなのでご勘弁いただければありがたい。

先日NHKニュースで、「配送に携わっている運転手に、『東京からコロナウィルスを持ってくるな』と心無い言葉を投げる人がいる。行き過ぎはよくありません。」と言っていた。

自分達でさんざん危機感をあおっておいて、「行き過ぎ」とはそれこそマッチポンプだろう。もっとも、彼らはマッチポンプという言葉を知らないのかもしれないが、私がひっかかったのはそこではない。

何の落ち度もない人にそういう言葉を投げることを「言いがかり」という。そういうことをする人は決して多くはないが、集団の中に必ずいる。「迷惑をかけない偏差値」とか「攻撃性に抑えがきかない分布」があるとすれば、平均から2σ下回る人は正規分布表によると100人に1.5人くらいいる(σは標準偏差で、2σずれているとは偏差値でいうと30未満)。

私も他人のことは言えず1σくらい下なので、このご時世に近所で熊谷ナンバーとか品川ナンバーを見ると「どっから来てんだよ。自粛だよ自粛」と思うけれども、面と向かって言うことまでしない。それをするのは、ある意味かなりの人である。

そういう私でも、これ以上自粛が長引いてストレスがたまれば、ある時点で閾値を超えて暴発する危険はある。それはまた別の機会に書くとして、今日の問題はそういう2σ超の人が普段どこにいるかである。

考えるに、そういう人達が普段どこにいるかというと、多くはパチンコ屋であり、競馬場競艇場であり、場外売場である。夜の盛り場まで含めれば、おそらく全国で十万のオーダーになるだろう。

中年以上の男の数を3000万人として、1.5%は45万人である。彼らは、普段ならパチンコ屋や競馬場競艇場にいるのに、行くところがなくて昼日中の街中に出没しているのである。

安倍はお坊っちゃまだし、小池は世間知らずなので、普通のおとなしいサラリーマンがパチンコ店やギャンブル場に出入りしていると思っているかもしれないが、そんなことはありえない。そういう場所には、平均より2σずれた人達がいるのである。

しばらく前からそうした業界はイメージアップを図り、瑛太やら渡辺直美が出ているのだが、もとをただせば鉄火場でありカタギの近づくところではない。私自身は半世紀近く出入りしていたけれども、そういう人が多くいるのを忘れたことはない。体が触れたらいきなり殴られるくらいは、十分ありうる場所なのである。

非常事態宣言だといって、そういう人達を吸収してきた場所をすべて閉鎖して、彼らがおとなしく「Stay Home」すると思ったら大間違いである。街中をうろついて、好きなことができないストレスを発散する。それが表面化した一つが、他人に言いがかりをつけることではないだろうか。

禁煙が徹底されるようになって目立たなくなったが、そうした人達の特徴の一つが、タバコを振り回しながら歩くことである。いまだって多くの市街地で歩行喫煙禁止のはずだが、コロナ騒ぎ以来そういう連中を明らかに多く見かけるようになった。

だから、このままいくと、間違いなく風紀は乱れ、治安は悪化する。これを避けるためには諸外国のように、法律に罰則規定をちゃんと整備して、それに基づいて警察がパトロールするしかないけれども、日本ではそこまでする気はない。

わが国は治安がいいので心配する必要はないという人がいるかもしれないが、私はそういう楽観的な考え方はとらない。そうした輩は統計上100人に1.5人必ずいるし、彼らから身を守ることを念頭に置かなければいつか災難がふりかかるからである。

(急に思い出したが、「南西下北天下銭所」を逆読みすると、「しょせん勝てん、来たか災難」となるそうだ。三角寛のサンカ本に載っているらしい。)

愛読する小田嶋先生が、一律10万円給付は経済対策ではなく治安対策だと書いているけれども、そのとおりである。このままの状態で自粛だけが長期化すれば、風紀の乱れ、治安の悪化は避けられないだろう。


競馬場やパチンコ店を閉めっぱなしにしたら、いろんな人達が昼日中から街中に出没することになる。(写真は記事と関係ありませんw)

 

先週、「攻撃性に抑えがきかない分布」で平均より2σ以上偏りがある人達が、パチンコ屋や競馬場競艇場に行けずに昼日中の街にあふれてきているという記事を書いた。

その時少し触れたのだが、2σほど偏りがない人でも、いつまでも自粛自粛と言っていると閾値(いきち/しきいち)を超えてしまうだろうと思う。今日はそのことについてもう少し書いてみる。

最近TVを見ていると、わずかな時間でもかなりむかつくことが多い。おそらく私も、閾値が下がっているのだろう。知ったような説教を垂れるキャスターや、操作したデータでだまそうとする自称専門家、やるべきことをせず指図ばかりする政治家。新聞をやめて本当によかったと思う。これ以上そんな記事を読んでいたら、どこかの血管が爆発する。

誰にとっても、自分がしたいことを止められれば心穏やかではいられない。しかし、それ以上に腹立たしいのは、こういう機会を利用して自分達の有利なように計らいたいという彼らのさもしい根性である。

もともとインドア派で引きこもりが苦にならない私にしても、「外出はしないでください。接触8割減」とか言われると、知ったことかと思う。他人に指図したり説教したり、嘘のデータで言いくるめることを快感と感じる人達と付き合ってはいられない。

先日WEBを見ていたら、「このご時世に他府県ナンバーの車が多い。自分が感染者かもしれないという自覚をもって、この時期県境を越えるのはやめてほしい」と書いてあった。他府県ナンバーの車に傷をつける人もいるらしい。

「感染の危険があるので遠出はやめましょう」と言われれば納得するれども、「他人に感染させる危険があるのでお前は外に出るな」と言われるとちょっと待てと思う。少なくとも私にとって、「自分が感染者」とかいうキャッチフレーズは逆効果である。

そんな広報をするくらいなら、なぜ1月からきちんと検査しなかったのかということである。中国も台湾も韓国もやっていた。やっていないのは、おそらく北朝鮮と日本だけであろう。感染拡大しているデータがあるなら、ちゃんと出せということである。

いまだに検査を十分してないから感染者数が1日数百程度なのだろうが、あれで拡大しているとみんな納得しているのが不思議である(前も書いたが、コロナがなくても肺炎で亡くなる人は1日平均約300人いる)。

感染爆発するとオリンピックができないというサメの脳味噌・森の事情できちんとした検査体制をとらなかったツケを、なぜ関係ない自分がかぶらなければならないのか。ちゃんと検査していれば少なくとも現状を正確につかめていたはずで、少なくとも私は、正しい生データを見れば納得する。

大部分の人達は、本来なら自分がリスクをとって活動できていたはずのところを、自粛などというあいまいな形で行動に制限を加えられている。そのストレスは不手際をした政治や行政に向かうべきところを、自分が我慢するのだから他人も我慢させるという方向にスライスしているのである。

おそらく、第二次大戦中もこんな状況で、「ぜいたくは敵だ」とか「欲しがりません勝つまでは」とみんなでお互いを監視していたのだろう。軍部が横暴だとか政府が無能という要因もあるけれども、そういう付和雷同性が被害を大きくしたのではなかろうか。

話は戻って、このように理不尽な形でストレスが加えられると、他人の行動に目くじらをたてる方に傾く。結果として、普段なら2σ以上ずれている人が言いがかりをつけるところが、1σ以上にまで範囲が広がるのである。

つまり、普段ならそういう人は100人に1.5人しかいないはずなのに、100人に16人くらいにまで増えてしまうということである。言いがかりをつける人が10倍である。危なくてやっていられない。

本当のことを言えば、1日歩いて2、3人しかすれ違わない「3密」の逆の「3疎」という山はいくらでもあるし、家の近所を歩くよりむしろ安全である。とはいえ、車を止めて落書きされたり傷つけられたりしたら嫌だし、そういう連中が100人に16人もいるとしたら、ウィルスよりずっとこわい。

ゴールデンウィークに家から出るなと言われて、ストレスの閾値を超えてしまう人達は大勢いるだろう。それを避けるためには、御用学者や自称有識者が言うことではなく、正確な情報、生データが何より大事なはずなのだが、多くの人はそう思わないのでますます危険な人が増えるのである。

[Apr 30, 2020]