080 10万円給付はすぐに税金で召し上げられる [May 5, 2020]

先週、補正予算案が可決されて、一律10万円給付が決まった。30万円があっさり撤回されたので、10万円だってどうなるか分からないと思っていたが、経済対策であれ治安対策であれ、早くやるに越したことはない。

コロナ騒ぎで収入がなくなり、家賃の支払いに困っている人は大勢いる。それは、病気のせいというより政府・行政の不手際のせいである。自分達の不手際に対処するのは当然のことだ。

さて、WEBをみていると私の感想とはみなさん違うようなので、あまり同意されないだろうけれど書くだけ書いてみたい。

すでに固定資産税は引き落とされたし、もうすぐ自動車税や地方税も請求される。7月からは年金保険料(奥さんの)や健康保険料が加わる。コロナだからといって、自動振替だから待ってもらえない。その金額は、10万円が給付される頃には10万円を超えるだろう。

いまの人達は物分かりがよくなったので、目的も使途も違うのだから払って当然というのだろうが、半世紀前はこうではなかった。もっと、税金を支払うことに抵抗があり、使い道にもうるさかった。

消費税導入の際にも、広く浅く消費税をかければ直接税を減らすことができるというバラ色の未来が示されたけれども、結果的には他の税金はそのままで消費税だけが純増となった(高所得者の税率は下がった)。さらに、その税率は上がる一方である。

高速道路の料金だって、いつの間にか払うのは当然という空気になってしまったが、もともと償却が終われば無料になる建て前だったはずである。実際に無料になったものもあるが、収入の大きい道路ほど言い訳をつけて有料のままである。

何が言いたいのかというと、もともと税金など最小限にすべきで、こうした時期には請求や納付を猶予して当然だし、「10万円給付」などと偉そうにしないでくれということである。そもそも、誰のカネですかということである。

1人当たり10万円で総額12兆円にのぼる事業規模を自画自賛しているけれども、安倍のカネでもなければ公明党のカネでもない。国民の多くから取っているものを、みんなが困っている時に戻すのは、当り前のことではないだろうか。

12兆円にしたところで、つい最近の完全な人災である銀行・住専の破綻処理は、税金棒引き等々含めれば数十兆円のオーダーである。世界的なパンデミックの対応に十兆円の財政支出は、私はそれほど桁違いのものとは思わない。

そして、全国津々浦々の山間部に造りかけのまま放置されている道路や、管理できなくなった砂防ダム、使われなくなったハコもの等ムダな土木建築に使われた税金は、少なくとも数百兆円というケタの違うものであったと推測される。

年金生活者や生活保護受給者はコロナで所得が減った訳ではないので、10万円を返せとか受け取るなと言う人達がいる。言いたい人には言わせておけばいいのだけれど、その考え方にはおかしな点がある。

というのは、コロナで直接の影響を受けた受けないにかかわらず、この財源を賄うのは赤字国債である。結局のところ、影響は国民全体に及ぶということである。

それが、消費増税という形になるのか、インフレによる実質所得の減少という形になるのかは分からない。最新の財政理論の主張するように政府の負債は中立なのかもしれないが、いずれにせよ、何らかの形で国民全体にリスクを負わせることは間違いないのである。

[May 5, 2020]


10万円一律給付は決まったけれど、よく考えるとすぐに税金で消えるのでした。