994 歩き遍路モデルプラン・讃岐編

いよいよお遍路歩きも終盤、「涅槃の道場」讃岐である。

[44日目]前日泊・観音寺市内、当日泊・弥谷寺周辺
8:00 観音寺市内 [移動10分] → 8:10 六十八番琴弾八幡宮 [お参り30分・移動15分] → 8:55 六十九番観音寺 [30分・80分] → 10:45 七十番本山寺[30分・210分] → 14:45 七十一番弥谷寺[50分]

観音寺から善通寺まで1日でお参りするのは時間的に難しい。この間、泊まれる場所は弥谷寺山門近くのいやだに温泉しかないので、そうでなければJRみの駅から移動することになる(弥谷寺から約1時間)。

六十八番札所は現在観音寺境内の神恵院となっているが、真念「道指南」でも琴弾八幡宮となっているので、ここをお参りしてから観音寺に行くのがいいのではないかと思う。

琴弾八幡から観音寺まで、銭形砂絵を見たことがない人は展望台から回って行くことができるようだ。観音寺・神恵院で本堂・大師堂をお参りすると4回続けて般若心経を唱えるので、ちょっと大変である。

本山寺へは川の堤防の上を歩くのんびりした道。そこから弥谷寺へは国道を通るので交通量が多い。多少距離はあるがため池に沿った側道を歩くのもよい。弥谷寺は、西の恐山といわれる霊場だ。

[45日目]前日泊・弥谷寺周辺、当日泊・善通寺宿坊
8:00 弥谷寺 [移動80分] → 9:20 七十二番曼荼羅寺 [お参り30分・移動10分] → 10:00 七十三番出釈迦寺 [30分・50分] → 11:20 捨身ヶ嶽[20分・40分] → 12:20 出釈迦寺 [20分・40分] → 13:20 七十四番甲山寺[30分・30分] → 14:20 七十五番善通寺 [60分] 

弥谷寺からは国の史跡になった天霧山麓の遍路道を曼荼羅寺まで。ここからは弘法大師が修行した我拝師山が間近に迫る。

いやだに温泉で一泊したのは、出釈迦寺奥ノ院の捨身ヶ嶽禅定にお参りするため。舗装道路ながらたいへん傾斜のきつい坂なので、時間には余裕をもって登りたい。

出釈迦寺前にはうどんの出店があり、お昼を食べられる場所はここくらいしかない。ちょうど捨身ヶ嶽を往復してきた後なので、ひと休みして体力を回復しよう。次の甲山寺へは田圃の中のあぜ道を歩く。

善通寺は本堂エリアと御影堂(大師堂)エリアが離れている上、多くの塔頭があるので時間はいくらあっても足りない。御影堂の戒壇めぐりは、いろは会館に泊まると翌朝のお勤め後に入れる。

[46日目]前日泊・善通寺宿坊、当日泊・坂出市内
8:00 善通寺 [移動60分] → 9:00 七十六番金倉寺 [お参り30分・移動70分] → 10:40 七十七番道隆寺 [30分・120分] → 13:10 七十八番郷照寺 [30分・80分] → 15:00 坂出市内

この日はいろいろなオプションがある。まず、金刀比羅宮から別格十七番神野寺に1日かけ、琴平町に泊まるコース。別格十七番神野寺は琴平から片道2時間。弘法大師が建設に携わった満濃池の堰堤にあり、お大師様の活躍が史実上確認できる場所だ。

金蔵寺・道隆寺から別格十八番海岸寺は遍路地図に書いてある距離ではなく、往復4~5時間かかるとみなければならない。この場合には丸亀あたりで日が暮れるので、郷照寺は翌日となる。

八十八ヶ所だけ回るのであれば早い時間に坂出まで達するので、電車移動を許容するなら高照院までお参りして、JR加茂川駅から坂出に戻るか高松まで移動することも可能。

いずれにしても、五色台に麓から登って白峯寺・根香寺をお参りした後、一宮寺まで歩くのはたいへん忙しいので、白峯泊とするのが安全。だとすれば、あまり急ぐことはない。

[47日目]前日泊・坂出市内、当日泊・白峯寺周辺
8:00 坂出市内 [移動40分] → 8:40 七十九番 高照院 [お参り30分・移動120分]→ 11:10 八十番国分寺 [30分・90分] → 13:10 一本松林道出合[10分・90分] → 14:50 八十一番白峯寺[60分] 

この日は白峯寺近くのニューサンピア泊を想定した。私は国分から登ってたいへん忙しかったので、翌日に一宮寺まで歩く予定であれば白峯寺に泊まるのがいいと思う。

それでも、高照院経由国分寺までのロードは長く、五色台への登りはこたえそうだ。林道出合の一本松まで約1時間半、ここも遍路ころがしとして有名である。

高照院では八十場の水と白峯宮、白峯寺では崇徳天皇陵など崇徳天皇にちなんだ旧跡を訪ねておきたい。なにしろ、真念「道指南」では、高照院とか天皇寺ではなく「崇徳天皇」で札所となっているのである。

白峯寺の境内は広く、天皇陵もあるので、早く着いたとしても見どころは多い。

表10 讃岐の札所・所要時間参考資料(1)

札所参拝時間特記事項所要時間(距離)遍路地図時間
68琴弾八幡宮302:30(10.3km)2:30
69観音寺30神恵院0:15(1.3km)
70本山寺301:20(5.5km)1:10
71弥谷寺503:30(12.2km)3:20
72曼荼羅寺301:20(4.8km)1:00
73出釈迦寺30捨身ヶ嶽0:10(0.6km)0:07
74甲山寺300:40(2.6km)0:40
75善通寺600:30(1.6km)0:30
76金倉寺301:00(3.7km)1:05
77道隆寺301:10(4.1km)1:10
78郷照寺302:00(7.1km)2:00
79高照院30白峰宮1:50(6.1km)1:40
80国分寺302:00(6.5km)2:00
81白峯寺60崇徳天皇陵3:00[3.4+4.1km]2:30

注.国分寺~白峯寺間は登山道3.4km、車道4.1km。その他は車道距離。

 

いよいよ大窪寺までお参りして結願。モデルプランではちょうど50日となりましたが、天候や体調もあるので何日か余裕をみた方がいいと思う。また、別格二十札所をお参りする場合には箸蔵寺で2日、慈眼寺、金山出石寺、仙龍寺、大滝寺で各1日、大山寺、海岸寺も八十八ヶ所の経路から半日以上を要するので、8~10日多くかかる。

[48日目]前日泊・白峯寺周辺、当日泊・高松市内
8:00 白峯寺 [移動150分] → 10:30 八十二番根香寺 [お参り40分・移動120分] → 13:10 飯田お遍路休憩所 [20分・120分] → 15:30 八十三番一宮寺 [40分・120分] → 18:10 高松市内

前日は白峯寺前のニューサンピア泊を想定したので、できれば一宮寺を午後にお参りして高松市街まで歩いておくと翌日が楽になる。

白峯寺・根香寺間は基本的に登山道だが、雨天の際は舗装道路を歩いた方が安全。私は山中を歩いたのでたいへん心細かった。また、この日は自販機だけで売店がほとんどない道を歩くので、非常食を準備しておきたい。

別格十九番香西寺は、根香寺から車道を通って香西方面に下りれば出られる。1~2時間余計にみればいいのではないかと思う。その場合は、出発を少し早めにするか、そのまま高松市街に出て一宮寺は翌日という方法もある。

飯田お遍路休憩所はきちんとした家の中で、ひと安心できる。ここから一宮寺までは香東川河川敷の自転車コースを歩けば信号待ちをしなくてすむ。左折するのは香東大橋なので間違えないように。

一宮寺はコンパクトでお参りにはそれほど時間はかからないが、お隣の讃岐一ノ宮・田村神社をお参りするため40分とした。

[49日目]前日泊・高松市内、当日泊・志度寺周辺
8:00 高松市内 [移動120分] → 10:00 八十四番屋島寺 [お参り40分・移動150分] → 13:10 八十五番八栗寺 [50分・130分] → 16:10 八十六番志度寺 [30分]

この日は高松市内であるが、屋島寺・八栗寺とも山の上にあるので、意外とハードである。もう一日余裕をみて、48日目に書いた香西寺とか、法然ゆかりの仏生山、真念の墓がある洲崎寺をゆっくりお参りするもよい。

順打ちだと、屋島寺は登りは整備されているが下りは登山道、八栗寺は登りが傾斜がきつく、下りはゆるやかである。ともに境内は広く見るべき場所は多い。特に八栗寺は五剣山の眺めがすばらしく、霊場の雰囲気が感じられる。

八栗寺から志度寺は遍路地図記載のルートと丁石や案内の指示するルートが違っているので注意。方向感覚を失なわず、東の方向を目指して国道11号に出て、琴電志度線に沿って進めば間違えない。

志度寺周辺に宿泊することにしたが、もし早く歩けるようであれば長尾寺まで進んだ方が翌日の登りが楽になる。特に、遍路道や女体山越えをする場合には、少しでも先に進んで翌日に臨みたい。

[50日目]前日泊・志度寺周辺、当日泊・大窪寺周辺
7:30 志度寺[移動150分] → 10:00 八十七番長尾寺 [お参り30分・移動90分] → 12:00 道の駅ながお [20分・120分] → 14:20 多和小学校前休憩所 [10分・90分] → 16:00 八十八番大窪寺 [40分]

いよいよ結願、八十八番大窪寺である。午後4時に大窪寺に入るためにはお昼までに道の駅ながおに着いておきたいところで、逆算すると長尾寺に10時、出発は7時半ということになる。

道の駅の少し前から始まる登り坂は額峠まで続き、その後はゆるやかな下りとなる。国道377号との合流点である多和にはいくつかの休憩所があり、多和小学校の休憩所にはトイレもある。少し先の竹屋敷にもベンチがある。

竹屋敷からの遍路道は意外と登り坂で、標高差100mほどある。舗装道路でそこまで登っているように感じられないものの、あまり飛ばすとバテるので注意。

この日の宿は民宿八十窪。結願祝いのお赤飯がふるまわれるはずだ。

[結願後・別格二十番]

結願後のルートをいくつか示しておきたい。まず、別格二十番大滝寺はコミュニティバスの終点近くから尾根伝いに行けるらしい。来た道を多和まで戻り、さらに国道377号を3km進んだ中山から、大滝寺への登山道がある。WEB情報では金毘羅様の鳥居から登山道が始まるとのこと。

大滝寺までの距離は5.5kmということだが、標高差が635m、累積標高差は1000m近くあって、おそらく片道3時間はかかるはずだ。八十窪から歩くと5~6時間ということになる。本当の登山道なので、登山装備(水・雨具・地図など)は必須。

お参り後は麓までのアクセスがこれまた厳しい。塩江までの下りは車道を約13km、3時間強。高松へのバスは1時間に1本程度。

[結願後・與田寺]

與田寺は四国総奥ノ院と呼ばれ、江戸時代には三本松から四国入りした多くのお遍路でにぎわったという。

五明トンネルから白鳥温泉を抜け、星越峠から三本松に入る。與田寺までは約18km、自販機があるだけでコンビニ等はないので、大窪寺の門前で準備しておくことになる。

與田寺からは三本松市街で、ホテルもある。行き倒れかけたお遍路が製糖技術を伝えて和三盆ができたという向良神社が、国道から少し入ったところにある。

三本松に一泊して、大坂峠を越え三番金泉寺付近に出るか、卯辰越から大麻比古神社に出て、一番霊山寺に向かう。

[結願後・一番霊山寺]

一番霊山寺への最短経路は、五明トンネルを右折しイチョウの大木をまっすぐ進んで、十番切幡寺付近に出るルート。午前中には徳島道の高架下を越え、一番に向けて阿讃山脈を北に望む見慣れた風景になる。

一番霊山寺までは約40kmあるので、十楽寺か安楽寺の宿坊で一泊することもできる。

[Jun 17, 2020]

表11 讃岐の札所・所要時間参考資料(2)

札所参拝時間特記事項所要時間(距離)遍路地図時間
82根香寺402:30[5.4km]1:40
83一宮寺40田村神社4:00(13.3km)3:30
84屋島寺404:40[12.8+1.7km]4:30
85八栗寺502:30[1.6+4.4km]2:00
86志度寺302:10(8.1km)2:00
87長尾寺302:30(7.8km)2:00
88大窪寺405:00(16.0km)4:30

注.白峯寺~根香寺間は登山道5.4km。一宮寺~屋島寺間は車道12.8km、登山道1.7km。屋島寺~八栗寺間は登山道1.6km、車道4.4km。その他は車道距離。