610 ネットマージャン「天鳳」を楽しむ [Jul 13, 2020]

コロナの影響で山に行けない日が続いている。非常事態宣言は解除されたものの、首都圏の住民は山に来ないでくれと自粛要請が出ており、こういう雰囲気は続きそうだ。

という訳で山歩きの記事はしばらく載せられないので、ネットマージャンの記事を書くことにしたい。ギャンブル関連の記事は、スポーツブックを除けば2009年以来。十年以上ぶりである。お楽しみいただければ幸いである。

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1.ネットマージャンとの出会い

かれこれ四半世紀マージャンから遠ざかっていた私がネットマージャンをしようと思ったのは、コロナ騒ぎのStay Homeでやることがなくなってしまったからであった。

ABEMA TVを見ていると、ネットマージャンをしているという若手棋士が何人かいる。マージャンゲームというと昔ゲーセンでやった対コンピュータ2人ゲームの印象が強くて、課金しないと勝てないのだろうという思い込みがあった。

ところが、最近のネットマージャンは何十万人という会員数で、実際に相手するのも人間である。変に操作して評判を落とすよりも、安定した収入を背景にちゃんとゲームをさせた方が運用も楽なはずである。

もちろん、1卓の2人が組むインチキの可能性はなくはないが、1局(東風戦または東南戦)で組み合わせは変わるし、カネも賭けていないのにそこまで手間をかける奴もいない。それに、2人組んだからといって、必ず勝てるとは限らない(絶対勝てるのは2の2の天和だけ)。

あとは、一部のネットポーカーのようにメアドを教えたら変な勧誘メールが来るのだけが心配である。調べたところ、業界最大手の「天鳳」がそれほど悪くないようだ。さっそくインストールして、課金25日分550円を決済した。

「天鳳」の目玉といっていいのは、段級位制である。これは非常によくできている。

格付けられる最初の級は9級であるが、初段に上がるまでは降級がない。さらに、4位になった場合の減点も2級からなので、普通に番数を重ねれば多くの人は上位級までそれほど時間はかからないだろう(私は初段まで3日だった)。

4位のマイナス点は1級で東風戦-20、東南戦で-30。初段になると東風戦-30、東南戦で-45である。プラス点は段級によらず東風戦が1位+20で2位が+10、東南戦で+30と+15だから、初段になるとちょうどゼロサムゲームということである。

おそらくこのあたりが、最初の壁になるのではないだろうか。私も一度初段から1級に降級して、痛い目に遭った。ここを突破するにはそれなりに工夫がいる。

オーソドックスな方法は、4位を取らずに1・2位をとれるよう精進することである。実を言うと、一般卓の場合4位を回避することはかなり意図的に可能である。ルールを覚えたばかりの初心者も入ってくるからである。

もう一つの方法は、上級卓に挑戦することである。上級卓の場合、1位のプラス点が東風戦+40、東南戦+60となるため、三段までゼロサムとならないからである。


ネットマージャン天鳳。対局後は牌譜で振り返ることができるので、勝てば2度楽しむことができる。

 

2.ネットマージャンで重視すること

さて、リアルマージャンで何を重視するかというと、第1に卓を囲む人達との人間関係であり、第2におカネである(逆という人がいるかもしれない)。だからリアルマージャンでは、勝ち過ぎない、負け過ぎないことが重要である。

ところがネットマージャンの場合、卓を囲む人達は1回1回別だし(たまに2度3度当たることがある)、おカネは賭けられていない。だが、みんなが自分の上がりだけを目指してノーガードの打ち合いばかりでは楽しくないので、天鳳ではいくつかの工夫をしている。

その第一は、段級制である。人間、何かの格付けがあるとそれを維持したい改善したいと思うようになる。4位が続くと降級するので、なるべく振り込まないように努力する。結果として、おカネを賭けたのと同様にゲームを楽しむことができる。

先週書いたように級位は9級から始まり、段位は九段まである。勝ち続ければ昇級昇段する訳であるが、ゼロサムゲームであるからそううまくは行かない。特にマージャンは、運の要素がかなり大きいゲームである。

段級制の他にも、天鳳はいくつか個人データの統計数値を出している。レイティングはさまざまなゲームで使われている指標で、1500からスタートする。1位・2位が多ければ1600、1700と上がって行くが、3位・4位をとると下がる。

面白いのは、1級の平均レイティングが各級通じてもっとも低い1400台で初期値を下回ることである。これは、1級までは降級がないため、4位を多くとっても1級までは上がれるということでもある。初段は1500台、二段は1600台が平均で、そのくらいでないと段位維持は難しいということである。

平均順位、平均得点はそのハンドルネームで戦った全対局の平均である。各順位まんべんなくとっているとすれば、平均順位は2.5、平均得点は0となる。

さらに、1位率から4位率、和了(上がり)率、放銃(振込み)率、リーチ率、ハコテン率などさまざまの数字があり、参加したトーナメント(一般卓・上級卓、東風戦・東南戦、食いタン・赤ドラ有無)ごとに統計がとられている。

ただ、個人的な感想をいえば、これらの指標すべてをよくしようとするとかえって混乱するように思う。あくまで主力は段・級で、獲得した段はなるべく維持して、さらに上を目指すというのが基本的なスタンスになる。

そして、段位を維持しようとすると、どうしても4位をとらないような戦い方をすることになる。4位だけ段級判定がマイナス点となるので、4位さえとらなければ降級することはないのである。

しかし、4位にならないようにするということは、必然的にディフェンシブな戦い方となるので、多くの場合トップを獲得する確率も低くならざるを得ない。戦績でいうと、2位率と3位率が25%を上回り、1位と4位が下回るというパターンになりがちである。

リアルマージャンの場合、トップでなければ2位も4位も一緒で、トップをとれば次は4位でも問題ないのだけれど、ネットマージャンの場合はそうではない。トップをとっても4位1回で帳消しだし、4位でなければ1位も3位も現状維持以上である。


現在までの最高段位は三段です。

 

3.大事なのは楽しむこと

さて、前項で書いたのは、天鳳でリアルマージャンのおカネに代わるものが段・級であり、レイティングであり、ハンドル毎に集計される統計数値であるという事だが、反面、それらにこだわりすぎると、もともとの趣旨である楽しむことができなくなる。

リアルマージャンに例をとれば、これを負けたらいくら取られるなんてことを考えながらやっていても楽しくないのと同じことである。せっかく、負けても実害ないマージャンをしているのに、バーチャルな指標でくよくよしていたら何をしているのか分からない。

ネットといえどもマージャンだから、いつもうまく行くとは限らない。というよりも、どんなに正しい手順で打ったとしてもツモられるのは防げないし、聴牌しても半分以上は上がれない。

まして、4位にでもなれば、その悔しさは格別である。マイナスが溜まると、初段以上では降級のストレスが加わる。だから、段級にこだわりすぎると、こんなに面白いネットマージャンをしたくなくなってしまう。

長くマージャンをしていて、このゲームほど大小の波が行ったり来たりするゲームは、他にないのではないかと思う。だから、4位になる時はどうやってもその波を避けられないことが多い。

「天鳳」の牌譜機能で、勝ち負けに限らず1局を振り返ることは必ず行っているが、4位のゲームで自分の努力で避けられたと思うケースは半分もない。大抵は他に選びようのない手順で、振り込みを余儀なくされているのだ。

ギャンブル/ゲームには上手・下手のスキルによる差がつきものである。ただ、マージャンの場合、ポーカーのようにスキルで運のよしあしがカバーできるのかどうか、個人的には疑わしいと思っている。

その第一の理由は、ポーカーの場合「下りる」という行為によって被害を最小限にとどめることができるけれども、マージャンの場合は下りようと思っても3人相手に安全牌を打ち続けることは至難だし、ツモられれば被害の発生は避けられないからである。

第二の理由は、天鳳の機能のひとつである高段者対局の観戦をしていて思うのだが、ある程度のキャリアを積んでいれば、打ち方はそれほど変わらないからである。どういう配牌であればどういう作戦をとり、どういうケースで下りるか。リーチをかけるかダマテンで待つか、どのタイミングで食うか、高段者も私もほとんど違わないように見える。

おそらく、本当にマージャンが強い人はとてつもなく運が強いか、あるいは運の押し引きがうまいかだと思っている。運というのは個人の努力とは別次元にあるものなので、運が向いてくるよう祈ることはできても、運を直接どうこうすることはできない。

だから、負けるのがくやしいのは仕方がないとして、段位が下がるから、レイティングが下がるからせっかくのマージャンを楽しめないとするならば、本末転倒なのである。

ネットマージャンは、空いた時間に楽しくマージャンができるように開発されたものである。ゲームをより楽しむために工夫されたバーチャルな仕組みを気にしすぎて、今日はやめておこうと思うとしたらもったいないのである。

いちばん大事なのは、ゲームを楽しむことである。ノーガードの打ち合いではなく、しのいだり冒険したりするのをより楽しむための仕組みである。ゲームを楽しむのに差し支えるならば、そんなもの気にしない方がよっぽどいい。

[Jul 13, 2020]


ツイているときはすべてうまく行く。配牌ですでに聴牌で、役があるのでリーチをかける必要もなくドラもついている。三色にしそこなったら、いきなり4索が出てくるのもすごい。