614 明カン再考 [Oct 6, 2020]

オンラインマージャン「天鳳」をプレイするようになって、4ヵ月になる。ところがその4分の3、6月中旬以降の約3ヵ月、全く勝てない日が続いた。

確率にはゆらぎがあり、ツイている時もあればツカない時もある。しかし3ヵ月間全くダメということになると、これは実力かもしれない。あるいは自分の習い覚えたマージャンが、時代遅れになっているのではないかという疑念が生じてくる。

私のプレイの基本方針はいくつかあり、そのうちの一つがディフェンス重視である。確率的に4回に1回程度しか上がれないのだから、残りの3回は他家の上がりである。だとすれば、できるだけ振り込まないよう守りに徹することが4位を取らないための戦略だと考えていた。

その基本方針は変わらないのだが、微妙なところでこれまでの自分のやり方が通用しないように感じている。だから、他のプレイヤーのやり方を見て、取り入れるべきところを取り入れようと試行錯誤しているところである。

その一つがカン、特に明カンをするしないである。前に書いたように、天鳳で久しぶりにマージャンをプレイして、誰もが4枚揃うとカンするのに大変な違和感を感じたことは事実である。

いただいたコメントでも、どちらかというと肯定的な意見であった。カンすることによりチャンスが増すのであれば、他家にドラが増える(かもしれない)リスクを冒しても見合うというのが、現在の多数派のようである。

これについては、なるほどそうすべきというケースがあるし、やはり止めておくべきではないかというケースもある。前者については自分もやってみるし、後者については引き続き控えるということになる。以下では、まず前者について書いてみたい。

下の図1は、今までの私ならまずしなかった明カンである。白を鳴いたものの、上がってもせいぜい1300点でオーラスがさらに続く。4位との差は2300点で、振り込めばあっという間に入れ替わる。カンしたら、自分に有利か相手に有利かは半々である。

ここでは、九索を明カンしてドラに期待してみた。驚くべきことにその九索がドラになって、いっぺんに満貫確定。2・5萬4萬待ちをツモって、一気にトップである。

図2は開始早々の東2局。親で七対子のイーシャンテンからドラ九萬を打ちたくないので急きょ対々和に組み替えた。九萬をカンしたのは親なので他家が下りてくれるのを期待したのだが、案に相違して誰も下りてくれなかった。

結局、南家と北家がリーチをかけてきて、最後五萬が出て対々ドラ4のハネ満となった。これも、以前ならダマで流して親満までだっただろう。

たまたまこうなっただけだったかもしれないが、短期間で2度のトップという成果があったことは確かである。本来は下りてもらうつもりのところを勝負されたのでケガの功名ではあるにしても、少しだけ現在のマージャンをキャッチアップできたかもしれない。


図1 誰も3万点に届かず南入。白のみ1000点では仕方がないので明カンしたが、以前ならまずやらなかったことである。


図2 ほとんど必要ないが、ドラカンで他家が下りてくれることを期待した。実際は誰も下りてくれずリーチをかけられたが、何とか親ハネをあがることができた。

 

さて、そのようにカンが有効なことは場合によってあるのだが、やはり首をひねらざるを得ないケースもある。そのうちの一つが、リーチをかけられた後、特に親のリーチ後にする明カンである。

図3のケースは、三索待ちのテンパイである。發をカンして符ハネするしカンドラが乗るかもしれないけれども、開始早々の東一局でそれ以上に優先すべきは、大きなマイナスを食わないことだと思っている。

開始早々勢いに乗って突っ走るという戦略もあるだろうけれど、他家のリーチ後であればチャンスの倍のリスクがある(自分は表ドラだけ。リーチ者は裏ものる)。まして親のリーチでは、2倍のさらに1.5倍ということになる。

こういう場合、昔のリアルマージャンでは黙って發を捨てるのが当然とされていた。テンパイがくずれる訳ではないし、絶対安全牌である。チャンスは増えない代わりにノーリスクだし、裏ドラを乗せて親の上がりを高くしたら他家の迷惑になる。

このケースではもちろんカンドラ、裏ドラは親に乗って、親はハネ満となった。たまたまカンした人が振り込んだので実害はなかったけれど、こうしたケースではツモられたり振り込んだりして私自身が被害を受けるケースが非常に多いのである。

牌譜でこうした一局を振り返ると、いまのプレイヤーはほとんど下りないのを改めて感じる。その要因の一つに、リアルマネーが賭けられていないことはもちろんあるだろうけれど、それ以外にも理由はありそうだ。

おそらくその理由の一つが、カンドラがもろに乗った快感が非常に大きいということがあるのではないだろうか。図3でカンドラ表示牌が白なら、2000点の役が發ドラ5で12000点になる。ちょうど、前回の私のケースと同じである。

ただ、12000点になる倍の確率で親のリーチは18000点になるかもしれず、東一局で18000点振り込んだ日にはその半荘がほとんど終わりであることを考えると、私ならカンはできない。

とはいえ、「たかが」マージャンである。親っパネを振り込んだところで、懐が痛む訳ではない。それよりも、自分の役が飛躍的に高くなりトップを取れる可能性が高まる方がうれしいという考え方も分からないではない。

「より高く上がるためにより高く上がられるリスクを許容する」か、「より高く上がられるリスクを回避するため自分のチャンスを棒に振る」か。私のような考え方は、ネットマージャンの時代にはそぐわないのかもしれない。

[Oct 7, 2020]

追記(2020/10/15):
その後に調べたところによると、天鳳の仕様上カンドラがたいへん乗りやすくなっていて、カンを多発するのはそれに対応した戦略ということのようです。本当か嘘かわかりませんが、カンドラ・裏ドラは事前に決まっておらず、展開や点差に応じて事後的に決められるとか。それはマージャンではないでしょう。


図3 カンした後リーチをかけられるのと、他家のリーチ後にカンするのではリスクの大きさが違うと思っている。それも親のリーチである。この後カンドラが乗って親はハネ満となった。(私は対面)