089 オリンピックチケット、とうとう払い戻し [Oct 30, 2020]

販売済のまま放っておかれていたオリンピックのチケットが、とうとう払い戻しされることになったようだ。

来年に延期するけれども、会場もスケジュールも変わらないという理屈でこれまで払い戻ししなかったのだが、今年と来年は日付が同じでも曜日が違う。そもそも今年、その場所でというのが契約の要件なので、払い戻ししないのは筋が通らなかった。(家では1枚も買っていないので、実害はなかったのだが)

10月に入り、ヨーロッパにおける新型コロナウィルスの感染拡大が深刻さを増しており、フランスは再度の外出禁止、ドイツでも劇場やスポーツ施設の閉鎖が決まった。クリスマス商戦の縮小も避けられず、ヨーロッパ諸国はオリンピックどころではない。

こうした状況を受けて、IOCから日本サイドに対し東京オリンピックの中止を申し入れたという未確認情報が流れた。組織委員会は「そんなことは決まっていない」と火消しに躍起となっているけれども、普通に考えれば当初予定の規模と日程でできる訳がない。

そもそも、オリンピックというのは本大会が単体で開かれるわけではなく、予選や選手選考を含めた準備段階が必要とされる。あと残り9ヶ月しかなく、各国で競技大会すら開催できない(プロスポーツの無観客開催がせいぜい)のに、どうやって選手団を組織し派遣できるのだろう。

仮に代表選手が決まって選手団が結成されたとしても、すべての国と地域から日本に来ることができるのかどうか、逆に、帰国の際スムーズに帰れるのかどうか。いまのヨーロッパのような状況ならば。完全に無理である。

常識的に考えれば、来年どうしても東京で国際競技大会をやりたいならば、限られた国から限られた選手を招待し、観客数も制限してやるしか方法はない。それではオリンピックの意味がないと多くの人は思うだろう。アメリカの放送局がそう思ったとたん、オリンピックは財政的に立ち行かない。

となると、オリンピック東京大会は、中止とするしか選択肢はない。あとは、どうやってソフトランディングするかである。

いまとなっては、そういうごたごたが嫌で安倍は腹が痛くなったというのが真相のような気がするが、チケットの発行枚数は500万枚に及ぶ。回収するのは、売る時の数倍の手間と時間、費用がかかる。

一度に払い戻しに来られてはたまらないので「来年行けなくなった人が対象」と言っているけれど、本音は中止・払い戻しだろうし、海外に販売したものもあるから中途半端にしてはおけない。

そして、オリンピック中止に伴うごたごたは、チケット払い戻しだけではない。協賛企業の中には返さなくてもいいという気前のいい会社もあるかもしれないが、やらないのなら払わない、返してくれというところもあるだろう。

そして、大会収入をあてにして施設を作ったところ、借金をしたところも間違いなくある。その収入がなくなったからといって、建設会社に払わなくていいことにはならないし、銀行も待ってくれない。

直接競技に関係するものであれば救済の手段もあるだろうけれど、オリンピック需要を当て込んだレジャー施設や宿泊施設、旅行会社、通訳その他の対人サービスなど、そのつもりで投資したという言い訳が立つところはいくらでもある。

オリンピック中止と発表したとたん、それらのトラブルが集中して発生するのである。コロナは不可抗力だからあきらめましょうとなるのかどうか。私は、オリンピックに前のめりになったような連中は、そんなにお行儀のいいものではないと思っている。

端的な例がカシノである。統合型リゾート法案をろくに審議もせず強行採決し、現在カシノはその気になれば開業できることになっている。ここまで急いだのは、オリンピックに来る外国人観光客を当てにしていたのだが、その目論見は大きく外れた。

今年になって、地方自治体とカシノ企業の間で動いた国会議員が逮捕・起訴されたが、われわれ庶民に見えないだけで、カシノで動いたカネは巨大で、そのおとしまえを巡るトラブルは相当数起こっているはずである。国会議員の逮捕は、氷山の一角に過ぎない。

東京オリンピックが中止になっても個人的に痛くもかゆくもないが、その影響でますます暮らしにくい世の中にならないかどうか、すごく心配である。

[Oct 30, 2020]


NHKニュースによると、大会組織委員会がとうとう、東京オリンピックのチケット払い戻しをすることになったようです。中止に向けて、ソフトランディングの一環でしょうか。