202 2020シーズン中盤戦展望 [Oct 22, 2020]

毎年同じことを書いてもう20年になってしまうが、NFLを見ていると一年があっと言う間である。コロナで開幕がどうなるかと心配していたのに、もう無観客のスタンドに見慣れてしまった。

毎週少しずつ観客を入れていて、昔のパ・リーグくらいのスタンドの空き具合である。私には、超満員よりも好ましく見える。不思議なのは無観客でも中継にクラウドノイズが入ることで、むしろベンチからだけ声が出ている方が今年らしくていいと思うのだが。

コロナの影響で早くもスケジュール変更が出ている。キャム・ニュートンの陽性判明でペイトリオッツ@KCのゲームが月曜日に延び、スティーラーズ@TENはWeek7に移動となった。この先もこういう事態は続くだろうから、バイウィークだけで対応できるのか心配である。

Week5が終わって、今シーズンの趨勢が徐々に現れてきた。期待ほど伸びないチーム、予想通り低迷するチームがある一方で、強豪チームの仕上がりは総じて悪くないようだ。今週・来週は両カンファレンスの中盤戦展望をお送りしたい。まずAFC。
([  ]内のパーセンテージは、10/14時点のCBSによるプレイオフ進出確率)

暫定第1シード テネシー・タイタンズ(4-0)[93.8%]

昨年チャンピオンシップに出ているチームに失礼だが、ここまで好スタートとは意外だった。手堅く守ってヘンリーのランでゲームを作り、元ペイトリオッツのゴストコウスキーが決めるというパータン。QBは違うが2000年代前半のペイトリオッツに似ている。

昨シーズン、レイヴンスに一泡ふかせた実績がある。A.J.グリーンとアントニオ・ブラウンが合体したような若手レシーバー、A.J.ブラウンも要注目で、コロナ集団感染の影響も心配することはなさそうだ。

暫定第2シード ピッツバーグ・スティーラーズ(4-0)[93.2%]

ロスリスバーガーがカムバックしてくればこのくらいの好成績は当然。レイヴンスと2戦残しているが、他の相手関係から10勝は確実で、ワイルドカードを早々に決めるだろう。ビッグ・ベンのカムバック賞は相当有力。

今週、好調ブラウンズとの対戦があり、続いてタイタンズ、レイヴンスとプレイオフに出てくるであろうチームと戦わなければならない。ここから3週間で、地区優勝を争うかワイルドカードにとどまるか、目途がつくことになるだろう。

暫定第3シード カンザスシティ・チーフス(4-1)[98.3%]

チャージャースに大苦戦したのに続き、Week5にはレイダースに金星を提供してしまった。もちろん、この時期からピークに仕上げる必要はないものの、多少心配が残ることも確かである。今週のビルズ、来週のブロンコス戦で立ち直りを図りたい。

メインターゲットのヒル、ケルシーが健在で、ルーキーRBのエドワーズ=イーレアがいい。ただし、ディフェンスが信用できないのは昨年同様で、結局のところマホームズ頼みになってしまうのが課題。

暫定第4シード バッファロー・ビルズ(4-1)[72.5%]

ラムズはともかくマイアミ相手に接戦では先が思いやられるが、ともかく地区首位を確保している。今週から、KC、ペイトリオッツ、シアトルときつい相手が続く。プレイオフで勝てるチームかどうか、真価が問われる連戦となりそうだ。

ジョシュ・アレンのパス成績が上位にきているが、タイタンズ戦の2INTがあったように過大評価はできない。このチームの真価はディフェンスなので、そのあたりの修正が図られるかどうか。CBSのプレイオフ確率はペイトリオッツを下回った。

暫定第5シード ボルティモア・レイヴンス(4-1)[99.9%]

Week3のチーフス戦は完敗だった。序盤で差が開いて手の内を見せるのをやめたという可能性もあるが、攻守ともほとんど新しいことをしなかった。いずれプレイオフで再戦があるだろう。

9月の段階で万全の状態にする必要はないが、ラマール・ジャクソンのパスが正確性を欠くと、一昨年のプレイオフに逆戻りである。CBSが99.9%としているようにプレイオフの心配はないと思うが、スティーラーズ戦までには調子を取り戻してほしい。

暫定第6シード クリーブランド・ブラウンズ(4-1)[69.5%]

ブラウンズが暫定第6シード。開幕週にレイヴンスにやられたのは仕方ないところで、その後立て直しに成功している。メイフィールドのパフォーマンスは心配だが、ディフェンスがしっかりしているので安心して見ていられるチームになった。

今週のスティーラーズ戦が正念場で、地区優勝をめざすならこの一戦は落とせない。ニューヨークの2チーム、ベンガルスとの残り1戦、A南地区など残り試合には優勢が予想されるゲームが多く、ワイルドカードはかなり有望。久々のプレイオフが期待できそうだ。

暫定第7シード ラスベガス・レイダース(3-2)[22.1%]

チーフスを撃破したレイダースが暫定7位に浮上している。ところが、CBSのプレイオフ進出確率は22.1%とかなり低い。

もちろん地区優勝も望める位置であるが、同地区で勝ち越せるかどうか私も疑問視している。この数値が正しいかどうかは、来週からのタンパ、ブラウンズ、チャージャース3連戦を見てからの判断となるだろう。

In the Hant0.5ゲーム以内 インディアナポリス・コルツ(3-2)[43.6%]、ニューイングランド・ペイトリオッツ(2-2)[75.6%]

現状In the Hantの2チームがレイダースより評価が高い。実績から見てやむを得ないところだろうか。

コルツはレイダースとゲーム差なし。テキサンズが完全に出遅れているので地区優勝も可能な位置にあり、対戦相手の楽な前半にできるだけ勝ち星を積み上げたい。ただ、リヴァースがもう少し楽に投げられるかと思ったら、レシーバーとの連携が今一つ。

ペイトリオッツはニュートンが復活したものの、コロナ陽性により欠場を余儀なくされている。現状ビルズに先行を許しているが、ニュートンが戻ってくれば同地区への不安はほとんどない。CBSがかなり有力視しているのは、そのあたりを加味したものだろう。

In the Hant1.5ゲーム以内 マイアミ・ドルフィンズ(2-3)[9.2%]

圏外とみられていたドルフィンズが、49ナースを圧倒して浮上してきた。波はあるけれどもフィッツパトリックの決定力は昔から変わらない。ルーキーQBタゴヴァイロアの出番が、なかなか回ってこない。

中盤戦でそれほど強い相手はいないので、意外に勝ち星を伸ばすかもしれない。その分Week14以降にチーフス、ペイトリオッツ、ビルズが残っているので、それまで勝ち星先行でいけないと厳しくなる。

Almost Eliminated シンシナティ・ベンガルズ(1-3-1)[<1%]、デンバー・ブロンコス(1-3)[3.9%]、ヒューストン・テキサンズ(1-4)[2.7%]、ジャクソンビル・ジャガース(1-4)[<1%]、ロサンゼルス・チャージャース(1-4)[12.3%]、ニューヨーク・ジェッツ(0-5)[<1%]

以下のチームは数字的な可能性はともかく、現時点の状況からみるとほとんどeliminatedである。

このところプレイオフの常連だったテキサンズが早々に脱落、ヘッドコーチ兼GMのオブライエンが解雇された。采配はロメオ・クレネルがいるので心配ないが、ホプキンス移籍の穴を埋めるのは今年だけでは足りないだろう。

ジャガースのミンシューはここまでレイティング100点台で意外と安定しているが、フィッツパトリックに投げ負けるように決定力がいまひとつ。ベンガルズのバローは初勝利を挙げたが、ディフェンスのしっかりしたチームと当たると厳しい。ブロンコスもボン・ミラーがいない上に、QBが安定していない。

気の毒なのはチャージャースで、マホームズ、ブレイディ、ブリーズにいずれも僅差負け。セインツ戦ではバーにまで嫌われてしまったように運がない。実力的には上位チームに遜色ないが、ここまで出遅れると挽回は難しいだろう。

 

 

今週はNFC。AFCと比べるとコロナの影響は現時点では少ないといえるが、今後どうなるかは予断を許さない。各チームで主力の負傷欠場が多く、特にプレスコットのシーズンアウトは影響が大きい。
[ ]内は10/21現在のCBSによるプレイオフ進出確率。

暫定第1シード シアトル・シーホークス(5-0)[98.9%]

注目すべき新戦力が加わった訳ではないのだが、ウィルソンの動きがいい。ANともレベルが高くない東地区相手が続くので、これから先も勝ち星を積み上げそうだ。

心配なのは、昨シーズンのようにカーソンが負傷するとRBの層が薄いこと。またリンチという訳にもいかないから、シーズン中からある程度の目途をつけておく必要がある。

暫定第2シード シカゴ・ベアーズ(5-1)[84.1%]

ベアーズが好スタートを切った。頼りにならないニック・フォールズ、それ以上に頼れないトゥルビスキーだが、カリル・マックが存在感を示すディフェンスが他チームには脅威。ブレイディに競り勝ったように、ロジャースやブリーズを抑え込めるかどうか。

今週からの、ラムズ、セインツ、タイタンズ、ヴァイキングス4連戦が正念場で、五分で切り抜けられれば大成功である。しかし、その後にまだパッカーズと2試合が残っている。

暫定第3シード タンパベイ・バッカニアーズ(4-2)[76.7%]

セインツがマイケル・トーマス不在で出遅れている間に、バッカニアーズが地区首位に立った。パッカーズ戦はディフェンスの勝利。スーとピエールポールというビッグネームがいて、トッド・ボウルズの指導の下、若手LBやセカンダリーの動きがいい。

ブレイディとレシーバー陣の連携はいまひとつで、双方ともフラストレーションがたまっているように見える。とはいえ、INT数だけは確実に改善しており、それがディフェンスのモチベーションを上げているのは間違いない。プレイオフ有力。

暫定第4シード ダラス・カウボーイズ(2-4)[31.8%]

すでにワイルドカードより低い勝率でプレイオフに臨むことが確実となった東地区。現状カウボーイズが首位だが、イーグルスとの対戦が終わっているレイヴンス、スティーラーズが残っているので、この程度のリードはリードとはいえない。

プレスコットのシーズンアウトは相当痛い。こういう時のためのドールトンだが、プレスコットとスタイルが違う上に、カウボーイズにはA.J.グリーンがいない。ワシントンとジャイアンツには負けないだろうが、あと勝てそうなチームは少ない。

暫定第5シード グリーンベイ・パッカーズ(4-1)[80.6%]

今年は強い方のアーロン・ロジャースである。同地区ライバルのヴァイキングスが出遅れているので、プレイオフ以上はかなり有力。とはいえ、年齢的にかつてのような神がかり的なプレイを期待するのは酷である。

暫定第6シード  アリゾナ・カーディナルス(4-2)[47.1%]

シーズン前に期待したカーディナルスがしぶとくワイルドカード争いに加わっている。ライオンズ戦を落としたのは痛かったが、まだ挽回のチャンスはありそうだ。

カイラー・マリーが期待したほど伸びていないが、ディアンドレ・ホプキンスはこのくらい活躍すると思っていた。この後も勝ったり負けたりして5割前後を維持するはずで、Week13以降のラムズ2戦が勝負となりそうだ。

暫定第7シード ロサンゼルス・ラムズ(4-2)[71.9%]

ラムズが今年はやりそうな序盤戦だったが、NFC東地区で荒稼ぎしただけで49ナースにはいいところがなかった。アーロン・ドナルドがいるのでディフェンスはいいけれども、オフェンスがガーリーの穴を埋め切れていない。

これまで勝った相手がN東だけなので、もう少し骨のある相手と戦ってみないとプレイオフどうこうは言えないかもしれない。

東地区の残り3チーム フィラデルフィア・イーグルス(1-4-1)[48.2%]、ニューヨーク・ジャイアンツ(1-5)[10.9%]、ワシントン・フットボールチーム(1-5)[9.1%]

東地区の残り3チームは他の地区にいればEliminatedの成績だが、地区優勝のチャンスは十分で。ワシントンですら、10%近いプレイオフ確率=地区優勝確率である。

普通に考えれば、ウェンツのいるイーグルスがダラスを交わすだろうという予想が立つが、中盤戦のジャイアンツ2戦とダラスに絶対に勝てるかというと、絶対とはいえない。2010年シーホークスの7勝9敗を下回る地区優勝となる可能性はかなり高い。

In the Hant 0.5ゲーム以内 ニューオーリンズ・セインツ(3-2)[83.6%]

中継を見ていてブリーズがえらく窮屈に投げていると思ったら、マイケル・トーマスがいなかった。さすがに史上最高ヤードを更新しているパサーだけあって何とかしてはいるものの、強敵相手に飛車落ちで戦うのはやはり厳しい。

それでも、CBS予想ではプレイオフはほぼ確実とみている。ショーン・ペイトンの信頼度はそれだけ高いということかもしれない。

In the Hant 1.5ゲーム以内 サンフランシスコ・49ナース(3-3)[30.9%]、キャロライナ・パンサーズ(3-3)[9.5%]

49ナースはケガ人が多く、なかなかベストメンバーが組めない。昨年大活躍のボサ弟も早々にシーズンアウトとなり、ここ一番で響きそうだ。これから相手がきつくなるのに、またモスタートが故障してしまったのも影響が大きい。

意外にしぶとくプレイオフ戦線に踏みとどまっているパンサーズ。マキャフリー離脱は痛かったが、QBブリッジウォーターが善戦している。今週からセインツ、ファルコンズ、KC、タンパと4連戦。さすがに厳しそうだが、さてどうなるか。

Almost Eliminated デトロイト・ライオンズ(2-3)[13.1%]、ミネソタ・ヴァイキングス(1-5)[2.7%]、アトランタ・ファルコンズ(1-5)[<1%]

現時点で圏外と言えそうなのは、ライオンズ以下の3チーム。ライオンズはなんとか2勝を挙げたが、これから先だんだん相手が強くなる。Week16のバッカニアーズ戦、ブレイディとの対決までマット・パトリシアの首がもつかどうか。

ファルコンズはAFCのチャージャースと似て、不運な負けが続いている。テキサンズ同様、GMとHCを更迭、ヴァイキングスに大差勝ちしてシーズン初勝利を挙げたが、ここまで負けが込んでしまうと厳しい。

そのヴァイキングスも黒星先行。オフェンスにスピード感がなく、例年よりディフェンスが弱い。長期政権マイク・ジマーと高額年俸カーク・カズンズの首は相当危ない。

[Oct 22, 2020]

カテゴリーNFL