053 年金生活と酒 [Dec 30, 2020]

好きなことをして毎日を過ごしていると、まるで王侯貴族のようだと時々思う。いまはコロナで自粛しているが、気が向くと山歩きをしたり温泉やプールで息抜きすることもできる。子供の頃想像したお金持ちの生活である。

そう思うひとつの要素は、飲みたい時においしいお酒が飲めるということが大きい。大勢で飲むのが好きだったのは若い時だけで、次第に気の合わない連中とは同席したくなくなった。

50代に入る頃から、仕事でやむを得ない場合とか、カシノの集まりで気の合った連中と飲むことはあったが、忘年会も新年会も出なくなった。だから、リタイアして外で飲めなくなったからといって寂しいことはない。

糖尿病でウェイトコントロールしなければならなくなって、毎日飲むわけにはいかない。週に2度くらい、奥さんの手料理で楽しむ。昔のように際限なく飲むこともなくなり、経済的にもたいへんリーズナブルになった。

ビールの時は、気分によってウィスキーやデンキブランを飲むこともある。日本酒は前に書いたことがあるが、決まった銘柄しか飲まない。一時は亀吉を取り寄せていたが、味が変わったように思うのでこのところ再び田酒にしている。

田酒は税込みで6,600円くらいするけれども、一度に2合ずつくらいなので、1回平均1,100円で知れている。ビールも1缶200円しないから、それほどのことはない。負担になるのは何といってもワインである。

ワインは大きく分けて3つのグレードで区別している。第一はイベント用で、クリスマス、結婚記念日、自分と奥さんの誕生日の年4回である。

いまのところ、サラリーマン時代にプリムールで安く仕入れておいた在庫があるので何とかなっているけれども、普通に買うと1本1万円以上するので、年金生活者にはふさわしくない。王侯貴族か外務省大使館員並みの贅沢である。

第二のグレードはうれしいことめでたいことがあった時用で、1本5,000円くらいである。お遍路から無事に帰ってきたとか、家具とか耐久消費財を新調したとか、子供たちが帰ってきた時に開ける。

10年くらい前までは、クレール・ミロンとかダルマイヤック、パゴデ・ド・コスといった銘柄がこの値段で買えたのである。すべてワンランク上のお値段になってしまった。コスだとひとつ下のメドック・ド・コス、あとシャトー・グロリアくらいだが、こちらもまた値上り傾向にあるのは悲しいことである。

それ以外のいわゆる普段飲み用が第三のグレードである。口に合えば値段は安くてもいいのだが、ワインほど値段と味が連動するものはない。お買い得といわれるワインで外さなかったことはほとんどない。

かつてオー・メドック・ド・ジスクールが2,000円以下で買えた時期があって、その頃はよく飲んでいた。その後、ソシアンド・マレのドモアゼル、ペイル・ルバード、ラネッサンといった銘柄を選んだのだが、値段が上がったり品薄になったりして買えなくなってしまった。

ここ3~4年愛飲しているのは、ムーラン・ディッサンである。通販で2,000円前後で買える。名前のとおり、シャトー・ディッサンのサード(フォース?)であるが、どの年も外さない安定株である。奥さんも大のお気に入りなので、最近これが続いている。

週に1本2,000円というのは結構なお値段だが、外で飲むのに比べれば比較にならない。外だと、ノーブランドの日本酒やワインであっても、料理と合わせて5,000円以下で収めるのは至難の技である。これで普段飲み用が2~3本買える。

以前はワインを一人一晩2~3本空けた時代もあったけれど、最近は奥さんと二人で一本開ければ十分である。それ以上飲むと体調が悪くなる。その意味でも、リーズナブルになったといえそうである。

[Dec 30, 2020]


家のワインセラーに、白・赤・泡合計で20本程度用意してあります。中央がイベント用、右がうれしい時、左が普段飲み用。