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206 SUPERBOWL XV 展望&回顧 [Feb 7, 2021]

Championshipでのパスインターフェア判定が話題になっているが、あれだけ派手に映像に残されてしまっては、アンキャッチャブルだの前半の反則とらなかったじゃないかだの言ってみても仕方がない。少なくともぱっと見で分からないくらいでない限り、反則をとられても文句は言えない。

だから、残り2分少々でFGにしたラフルーアHCの判断もそれなりに成算があったのだが、惜しむらくはディフェンス陣をそこまで信用することはできなかった。少なくとも、バッカニアーズは4thダウンギャンブルをやられなくてほっとしただろう。

SUPERBOWL LV (2021/2/7、レイモンド・ジェームス・スタジアム)
Oカンザスシティ・チーフス(AFC) -3
タンパベイ・バッカニアーズ(NFC)

Killer B’sのベルとアントニオ・ブラウンが参戦する。ともにリザーブになりそうなのは残念だが、どちらかはSuperbowl リングを手にすることができる。

地区割が現行方式になって以降、ワイルドカードからSuperbowlに進んだチームはいずれも勝っている。2005年シーズンのスティーラーズ、2007年のジャイアンツ、2010年のパッカーズである。それ以前にも勝ったり負けたりしているから、ワイルドカードだからといって軽視することはできない。

と言いながら、これでバッカニアーズが勝ったら話が出来過ぎである。ブレイディがペイトリオッツからやってきて、ホームスタジアム初のSuperbowlで、プレイオフはターンオーバー連発での勝ち上がりである。ピークはChampionshipだったのではないかという心配がぬぐえない。

かたやチーフス、2004年ペイトリオッツ以来のSuperbowl連覇が懸かる。奇しくも、その時のQBはブレイディで、敗れたイーグルスのHCはアンディ・リードである。そろそろ連覇があっておかしくないし、ここで負けたらアンディ・リードが気の毒だ。

試合の鍵を握る第一は、Championshipで足の調子がよくは見えなかったマホームズ対絶好調タンパディフェンスである。脳しんとうはともかく、足のケガが2週間で劇的に改善するとは考えにくい。マホームズの足をからめた攻撃は限定されると考えた方がよさそうだ。

しかし、タンパディフェンスの強みはランストップである。パッカーズ戦ではたまたまパスディフェンスがよかったが、ロジャースが不満を持っていたように反則を見逃してもらっていた。双方ともそういう傾向はあるから、今回のレフェリーは厳しめに取るだろう。

足はあまり使えなくても、マホームズのパスは変幻自在であり、アンディ・リードもいろいろ新機軸を発明してきそうだ。40点50点は難しいとしても、30点以内に押さえるのは至難の技だろう。

第2のポイントは、ブレイディ対スパニュオーロである。ブレイディは2008年、11年と絶対有利の下馬評にもかかわらずスパニュオーロのディフェンスにやられている。ともにハイパーオフェンスが10点台しか得点できない完敗であった。

スパニュオーロのディフェンスの特質は、QBに対するプレッシャーの強さである。もちろん、当時のジャイアンツのジェイソン・ピエールポールのような卓越したパスラッシャーがチーフスにはいない(JPPはバッカニアーズにいる)。

スパニュオーロに封じられた後、ブレイディはクイックパスに磨きをかけ、エデルマンやグロンクに秒速でパスを通して後半3つのSuperbowlを制覇した。しかし、いまエデルマンはいないし、グロンクは全盛期のスピードがない。ブレイディは再び苦しめられることになりそうだ。

試合展開としては、Week12の直接対決と同様、チーフスのハイパーオフェンスが一気に点差を開くかどうかがみどころとなる。再びタイリーク・ヒルに200ヤード許すようでは前回の二の舞だし、ヒルをマークすればケルシーが出てくる。JPPやスーがマホームズにブレッシャーをかけて、自由にブレイさせないしか方法はない。

それでも、ベリチックがゴフを完封したように、マホームズを押さえられるとは思えない。どうやっても20~30点は仕方ないし、ブレイディでそれ以上点を取るのは難しいように思う。

あとはディフェンスのビッグプレイだが、マホームズはブリーズやロジャース以上にターンオーバーを許さないQBである。あれこれ考え合わせると、チーフス連覇と予想する。ただ、パッカーズやビルズが出てくるより見ていて楽しいSuperbowlになることは間違いなさそうだ。

[Feb 3, 2021]

>> ビートルさんからのコメント

いよいよスーパーボウル
第55回スーパーボウルが迫ってきました。2年連続のAFC王者、カンザスシティ・チーフスと18年ぶりにNFCを制したタンパベイ・バッカニアーズの初顔合わせとなります。チーフスのスーパーボウル連覇なるか、バッカニアーズが18年ぶりに王座を奪回するか、注目点の多い試合になると思います。
総合評価としてはチーフスやや有利と思います。マホームズが完調でないにもかかわらずビルズを圧倒したAFC決勝を見る限り、十分な地力が備わっているチームであると言えます。
ただ、バッカニアーズにも十分勝機はあります。スーパーボウル史上初めてホームフィールドアドバンテージを有して試合に臨むことは大きな強みです。また、強固なディフェンスが力を発揮しており、チーフスオフェンスを18年前のレイダーズと同じ状況に追い込む可能性も低くないでしょう。
そして何よりブレイディがいます。彼の経験と勝負強さを考慮すると、勝負はどう転ぶか分かりません。仮に僅差で最後の最後にブレイディがフィールドに立てば、チーフスがリードしていてもうかうかしていられないでしょう。
今年も目の離せない好ゲームになると期待したいですね。

[Feb 6, 2021]


チーフスの2004年ペイトリオッツ以来の連覇と予想します。その時と同じくアンディ・リードvsブレイディの対決、今回はアンディ・リードでしょう。

 

SUPERBOWL LV (2021/2/7、レイモンド・ジェームズ・スタジアム)
タンパベイ・バッカニアーズ O 31 – 9 X カンザスシティ・チーフス

ゲーム前の予想で「バックスが勝ったら話が出来過ぎ」と書いたのだが、まさに出来過ぎた話になってしまった。ブレイディは7つ目のSuperbowlリング、5度目のSuperbowl MVPに輝いた。

試合開始前のマホームズを見て、「気合が入ってますね」と高野さんの解説があったのだが、私には元気がないように見えた。案の定、ゲーム始まって最初のスクランブルで走りにキレがなく、前途多難を思わせた。

つま先を痛めたと聞くと突き指の少し重いくらいのイメージだが、「ターフトゥ」の名前のとおり馬がよくやるところの種子骨回りの靭帯である。全力疾走はとてもできないし、前後左右に変幻自在なマホームズの動きが相当に制約される。

だとすれば、エドワーズイーレアやウィリアムス、レベオン・ベルだっているRBにもう少し持たせればよかったような気がするが、アンディ・リードはそうしなかった。60%の力でもマホームズと思ったのだろう。

一方のブレイディ、プレイオフのこれまでのゲームから一転して、グロンコウスキーやアントニオ・ブラウン、フォーネットといったバックス生え抜きでない新戦力をメインターゲットにした。Superbowlでは、経験豊かなベテラン連中の方が頼りになるということだろう。

最初のTD、プレイアクションからスクリーン気味にコースに出たグロンクへのパスは、どこか別のところで見たようなシーンだったし、次のエンドゾーンへの一発パスもそう。そろそろアントニオ・ブラウンと思っていたら、前半最後にきっちり決めて差を開いた。

そして、予想通りだったのはレフェリーが反則をきつめに取っていたこと。オフェンスホールディングは甘かったが、ディフェンスのパスインターフェアは前半から取っていた(ホールディングにしていたが)。

予想に反したのは、バッカニアーズが反則せずにヒルやケルシーを止めていたのに、チーフスがそれをできなかったことである。INT取られた場面で、ブレイディが落ち着いて「ホールディングだよ」のジェスチャーをしていたのが印象的だった。

チーフスの敗因は、マホームズの出来が本当でなかったことに尽きる。オフェンスラインに故障者が相次いだ影響はあるし、前半のヒルへのロングパスなど決まっていればもう少し波に乗れたプレイはあったが、ゲームを通じて動きがよくなかった。

オフには手術をするという情報も伝えられるが、100%の状態に戻れるかどうかは微妙であり、オフェンスライン頼みになればマホームズの魅力も半減する。ヒルとケルシーがいる間はそう簡単に負けるとも思えないが。

プレイオフに入ってディフェンスが健闘してきたけれど、もともとディフェンスのチームではなく、正念場の1プレイ2プレイはともかくゲーム通してレベルを維持できる訳ではない。ゲーム後にブレイディとスパニュオーロは何を話していたのだろう。

Superbowl初のホームチーム進出はあまり関係ないと思っていたのだけれど、コロナの影響でチーフスの到着が前日だったことも影響したようだ。両チームに移動があれば五分の条件だが、バッカニアーズは地元の利を生かせた。もっとも、シーズン中の試合もそうなのだが。

それにしても、ブレイディの鉄人ぶりは驚くべきである。来年もまたやるよとインタビューには答えていたが、マニング兄やブリーズ、ファーヴだって年取るごとに肩の力や正確性、瞬間的な判断力が落ちてきたのに、ブレイディは30代の頃とほとんど変わらない。グロンクだってアントニオ・ブラウンだって、10以上若いのに先に辞めますとは言えないだろう。

[Feb 9, 2021]

>> ビートルさんからのコメント

何とも残念な試合でした。
第55回スーパーボウルはバッカニアーズの二度目の優勝で幕を閉じましたが、内容的には非常に残念なものでした。バッカニアーズの圧勝であり、ここまで一方的なのは第48回大会以来だと思います。あまりにひどいためか、終盤に観客乱入などと言う事件まで起きてしまいました。
チーフスに何が起こったのか。故障者等による戦力低下を差し引いてもひどすぎました。攻守ともに精彩を欠き、反則で罰退を繰り返して自滅。良かったのはキッカーくらいという有様でした。それでもマホームズはまだ何とか活路を開こうとしてましたが、パスプロテクションがまるで持たない状況ではどうにもならなかった観があります。18年前のリッチ・ギャノンと重なって見えました。
一方のブレイディは変わらぬ見事な手腕を見せていました。彼の時代はもう少し続きそうです。
いろいろあった今季もこれでおしまいです。今年は一時は永遠とも思われたペイトリオッツ王朝が崩壊するという時代の変わり目のシーズンでした。来年はもっと面白い展開を期待します。個人的にはジム・ケリー以来のフランチャイズQBを手に入れたようであるビルズに悲願を達成してほしいですね。それでは。

追記
マホームズは手術に踏み切るそうですね。何とか完治してほしいです。彼の魔法みたいなプレーが見られなくなるというのでは、ファンにとってもNFLにとっても大きな損失です。
今回のスーパーボウルでもあの悪条件の中で、バッカニアーズ守備に追いかけまわされながら、とんでもない体勢から「あわやタッチダウン」というパスを投げていました。こんな芸当ができる選手なんてそうそういません。復活を祈ります。

[Feb 10, 2021]


バッカニアーズが2002年シーズン以来2度目のSuperbowl制覇。ホームチーム初出場に続き、初優勝を飾ってNFLの歴史に名を刻んだ。