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半世紀前の話

140 ボーイスカウト [Apr 3 , 2021]

ユースホステルとちょっと似たところがあるような気がするが、半世紀前にボーイスカウトといえば、新しい時代の少年活動と思われていた。

ボーイスカウトの少女版としてガールスカウトがあり、年少版としてカブスカウトがあった。現在はさらに年少組としてビーバースカウトというものもあるようだ。また、ガールスカウトはガールスカウトで存在するが、男女平等の見地からボーイスカウトに少女が参加することは認められている。

私が子供の頃、小学校の時間割に夏時間と冬時間があったくらいで、占領時代の影響が残っていた。神社の境内で相撲大会があるなど、古くからある行事が少しは復活されたものの、やる方にとっては古臭いという印象であった。

そんな中、昔ながらの村落共同体的なものではなく、それぞれが目的意識をもって自発的に集まるボーイスカウト活動は、戦後的というか、新しい時代の少年活動としてかっこいいものに見えたのである。

ボーイスカウトとよく似た性格の戦後型少年少女活動として、YMCAも当時勢力を伸ばしていた。こちらはキリスト教だから対象が限られるような気がするが、あまりそういうことは気にされていなかったように記憶している。

よく考えると、ボーイスカウトは軍隊がモデルだから、彼我の違いがあるにしても村落共同体とたいして変わらない。戦勝国と敗戦国の差は歴然としているので、欧米の軍隊をモデルにするのも致し方ないところであった。

そして、下の写真を見て分かるように、お揃いのユニフォームはモデルが軍隊であることを如実に示しているようである。よく考えると、お祭りで着るお揃いのはっぴと大して違わないのだけれど。

ただ、私のすぐ後の世代から戦争は戦争でも受験戦争が激化して、少年少女活動をしている暇があったら、塾や家庭教師に付いて勉強しろという風潮になった。運動が得意な連中は体育会系の部活動に集中し、やはり少年少女活動という訳にはいかなくなった。

戦後半世紀以上経って明らかになったけれど、結局のところ少年少女活動はわが国に根付くことはなかった。思うに、ボーイスカウトもYMCAと同様、キリスト教の信仰が必須になるのではないだろうか。

そして、どうやらわが国の少年少女は、見た目や形式の違いこそあれ村落共同体的なものから逃れられないようである。スポーツ系にしても、Jリーグの下部組織などはどうか分からないが、ほとんど体育会系の上位下達組織である。

これを民族的な遺伝子とみるのか、個人が確立していない後進性とみるのかはともかく、私の生きている間にこうした傾向が改められることはないだろう。

[Apr 3, 2021]

ボーイスカウト活動はいまでも行われておりますが、昭和30年代には新しい時代の少年活動と思われていたものでした。(写真:c(公財)ボーイスカウト日本連盟)