130 開始4ヵ月目の微修正 [May 29, 2021]

1.検査結果を受けて微修正

さて、糖質制限2ヵ月の検査結果では、ヘモグロビンA1cや中性脂肪値の改善には大きな効果があったものの、尿素窒素が過去最高の異常値となり、コレステロール関連も正常範囲内ではあるものの増えていることが判明した。

最新の知見では、コレステロールに善玉も悪玉もなく、動脈硬化の原因ではなく結果としてコレステロールが上昇することが明らかとなっている。だから、コレステロール値を「下げる」ことにほとんど意味はない。

つまり、数年前まで飲んでいたコレステロールを減らす薬には動脈硬化を防いだり改善したりする効果はなく、血液中のコレステロール値を下げるだけということである。

薬代を払っただけの損で済めばいいけれども、本来、動脈硬化で傷ついた血管を修復するために増えているコレステロールを無理やり減らす訳だから、血管にはプラスの影響はない。

だから現在では、人間ドックでコレステロール値が高いからといってそのこと自体を問題視することはなくなっている。また、善玉・悪玉論も下火になっているようだ。

もちろん、原因だろうが結果だろうがコレステロール値が動脈硬化の指標となっていることは間違いないので、コレステロール値が乱高下することは好ましいとはいえない。

コレステロール急上昇の理由の一つは、たんぱく質のとり過ぎであるようだ。だから、チーズやプロテインは控えることにした。また、炭水化物で足りないカロリーを肉類で補うのはほどほどにしておくことにした。

糖質制限で白飯、食パン、ラーメンを摂らずに、ふすまパンや全粒粉スパゲティにしていたが、そばもメニューに加えた。また、間食をチーズやナッツでというのはやめにして、たまにはケーキや和菓子を食べていいことにした。

一方で、毎朝サラダに使うドレッシングを見直した。

市販のドレッシングには糖質が相当量含まれている。最近読むようになったドクター南雲によると、「ドレッシングなど今すぐ捨ててしまえ」ということである。

油と酢はいいものを使うべきだというのはもっともなことなので、これまで使っていたドレッシングは控えて、オリーブオイルとバルサミコ酢/レモン酢を使うことにした。

ものの本によると、エクストラバージン・オリーブオイルは日本中に大量に出回るほど生産されていないし、常温で日の当たる棚に陳列されて長持ちするはずがないということである。「エクストラバージン」の表示基準も、ヨーロッパと日本では違うらしい。

とはいえ、1㍑百何十円のサラダ油よりよさそうだし、アマニ油やえごま油は高すぎる。多少の疑義は残るものの市販のオリーブオイルを使う他なさそうだ。


ドクター南雲によると「ドレッシングは今すぐ捨てろ」とのことなので、なるべくオリーブオイルとバルサミコ酢/レモン酢を使うようにした。

 

2.過去のダイエット・かかりつけ医をどこまで頼るか

検査結果が出てからも糖質制限を続け、3月に入ると朝の体重90kg台が出た。1月以来体重は過去25年の最低水準まで絞っていたが、いよいよあと1kgで80kg台である。

振り返ると、就職して酒を飲むようになってから増え続けた体重であるが、20代後半以降2回だけ80kg台まで絞ったことがある。

一度目は30代前半に胆石で入院した時である。当時、腹腔鏡手術なんてものはなくて、すべて開腹手術だった。そのため2週間ほど入院しなくてはならず、その時10kgほど痩せた。痛かったこともあるし、大部屋のストレスであまり食事ができなかったのである。

二度目は2回目に転職した時で、1回目の転職の時に健康診断でハネられて痛い目をみたので、それだけは避けようと意識的に体重を絞ったのである。これがちょうど四半世紀前のことで、転職に成功してリバウンドするまでの約1年間80kg台をキープした。

それから四半世紀。以前のように病気で食べられなかったり、食べる量を制限した訳ではない。糖質制限だけでこの数字というのは驚くべきことだ。なぜもっと早く誰か教えてくれなかったのか。

思うに、そうした情報は本来かかりつけ医から得るものだと思うが、彼らだって忙しい。1~2ヶ月に一度5分に満たない診療時間では、そこまでできないというのが実際のところだろう。

それ以上に、世間一般に認められている以外の治療法を情報提供することは、リスクが大きすぎる。もし万一、効果よりもデメリットが大きかったら、医療訴訟等になりかねない。

だから、そうした情報は患者自身が自らのリスクで収集し、やるかやらないか決めなくてはならない。開業医にそこまで期待することはできないのである。

われわれの世代だと、お医者さんのいうことは絶対であり、疑問をさしはさんだり自分の判断で指示を守らなかったりするのはダメと教えられた。セカンド・オピニオンなんてことが言われ出したのは21世紀に入ってからだし、かかりつけ医を変えることはいまだに抵抗ある人が多い。

しかし、医師といえどもサービス業のひとつに過ぎないし、患者個人個人で体の中身は微妙に違う。自分の体のことは最終的に自分で責任をとるしかないのである。

お医者さんにとって自分は何百人いる患者のひとりに過ぎないが、自分にとって自分はひとりしかいない。自らリスクをとって、最終判断は自分でしなくてはならない。当り前のことだが、改めて感じたことである。


われわれの世代は「お医者さんは絶対」と教え込まれたものだが、体の中身は人それぞれだし、彼らだって忙しい。結局のところ自分の体は自分でリスクをとって管理するしかない。

 

3.間食制限と腸内環境

もう一つ気を付けたのは、間食である。江部先生によると、小腹がすいた時に間食をするのは、血糖値を急上昇させることも防ぐ意味もあるので、糖質さえとらなければOKということである。それで、チーズやナッツを食べていた訳である。

一方、ドクター南雲によれば、食事など1日1食で構わない、空腹の方が長生き遺伝子が働く。腹が鳴るのを楽しめということである。そこまで徹底しなくても、1日3食の他はなるべく胃腸を休めるだけで、効果はありそうに思えた。

肌が荒れて特に気になっていたのは、口の周囲である。以前から接触皮膚炎の気味があるので、マスクをつける時間が長いのが原因のひとつと思っていた。天気が悪くて2~3日外に出ないと、症状も軽くなる。

糖質制限当初には改善したのだが、その後またひどくなっていた。残念ながらいまのご時世では、マスクをせずに外に出ることはできない。半分あきらめていたところ、間食を控えるようにすると再び改善の兆しがみられたのである。

まず、午前中の間食はしないように心がけた。午後は、散歩に出たりすることも多いので間食する機会は多くない。糖質制限で胃も小さくなったようで、それほどたくさん食べられない。

糖質制限に限ったことではないが、健康管理の上で腸内環境が重要だとよく言われる。腸内環境とはまさしく腸の中がどういう環境にあるかということで、基本的には腸内に生息する細菌類のことを指す。

腸内にいる細菌というと、ウシのように草のセルロースを分解して栄養にする細菌が思い浮かぶが、ウシだけでなく消化器官を持つ動物の腸には、必ず細菌が存在している。

ヒトの腸内にいる細菌というと、名前のとおり大腸菌がよく知られるが、比率としては少ない。腸内に多く存在しているのは乳酸菌やビフィズス菌といった細菌である(この場合の細菌には、サイズの大きい真菌=酵母を含む)。

花粉症をなくすためには腸内にサナダムシを飼うと即効性があるといわれた時期があった(少ないけれど今でもいる)。サナダムシは微生物ではなくまさに生物なので、そのような効果をもたらしておかしくない(デメリットも少なくないだろうが)。

話を戻すと。わたしの腸内環境を推測すると、血糖値を上下させないために間食をとるよりも、食間をきちんと開けて消化器官を休めることの方が、プラス効果が大きいようなのである。

実際に、チーズやナッツで間食をしていた時よりも、できるだけ間食をとらない方が肌の具合はよくなっているし、胃腸もよくなっているように思える。血糖値の上下する影響は分からないものの、間食を少なくする方が自分には合っていそうだ。

さて、腸内環境をよくするために、酵母を生きたまま腸まで送り込むとか、そういったサプリメントを宣伝していることがある。

しかし、ものの本によるとサプリメントだろうが何だろうが消化液(唾液、胃液や腸液)で溶かされてしまうので、普通の食べ物同様そのままで腸まで届くことは少ないそうだ。

もちろん、普通の食べ物でも未消化のままで出てくることはあるので、そのまま腸まで到達することもあるだろうが、よく考えれば赤ちゃんの時にどうにかこうにかして腸内までたどり着いている(胎児には腸内細菌はいない)のだから、あえて特別な方法をとらなくても細菌の方で工夫するだろう。

腸内細菌の中には悪さをするものもある。そうした細菌(悪玉菌)を増やさないためにはよく言われるように食物繊維をちゃんと摂ること、バランスよくすべての栄養素を確保することが大切なようだ。


腸内環境という言葉は、使う人によって微妙にニュアンスが異なる。とはいえ、生物において脳より先に腸ができたことは間違いないので、それなりに気を使ってあげることが大切でしょう。

4.ついに89kg台に

そして3月下旬の山行から帰って体重を測ると、ついに90kgを割り込んだ数字が現れた。それも89.2kgだから、ずいぶん大きく割り込んでいる。ここまで一気に減るとは思わなかった。

前にも書いたように、糖質制限の第一の目的は老化と肥満に伴うさまざまな体調不良を改善することで、体重を減らすことが主たる目的ではない。ただ、体重は血圧とともに体調を手軽に測る目安の一つであるから、下がるに越したことはない。

そして、瞬間風速で89kgに落としたといっても、自分としては毎朝の定期的な測定でそこまで落とさないと胸を張って89kgに落としたとは言えない。もう少しの努力が必要だ。

瞬間風速で落とした体重までは遅かれ早かれ落とせると思っていたので、さほどあせることはなかった。その夜ビールを飲んでさっそく91kg台に戻ってしまったが、それから確実に90kg少々の水準まで下がった。あと少しだ。

瞬間風速で89kg台が出てから1週間、ついに朝の体重が90kgを割り込んだ。目安にすぎないとはいえ、ここまで落とすことができて結構うれしい。

いったん落としても。天気が悪くて外を歩けなかったり、夕飯でビールを飲んでしまうと再び90kg台に戻ってしまうが、糖質制限を続けていればやがて遠からず、増えても80kg台に落ち着くだろう。

1年前には、普段90kg台、増えた日には100kg台だったと思うと、わずかの間にずいぶんシェイプアップしたものである。きっと、体の内部でもいろいろと変わっているだろうと思う。

改めて実感するのは、肥満の大きな原因は糖質のとりすぎということである。消費されなかった糖質が中性脂肪となり、それが内臓脂肪や皮下脂肪に蓄積されて肥満を招く。飢饉があった時代なら食べ物がない場合に取り崩すことができたが、現代ではそういうことはない。

過去数十年間、健康診断のたびに肥満しないように、メタボに気をつけましょうとは言われたけれど、具体的に炭水化物を控えると改善しますというアドバイスを受けたことはなかった。

炭水化物を避けるように言われたところで、お昼を食べに外食に行けば炭水化物のないメニューなどない。いまのように糖質オフの食品などなかった。糖質をとらなければ、脳のエネルギーが供給されないと信じられていた時代である。

そういえば二度目の転職でダイエットした時、お昼は外食せず、家から煮た野菜を持っていき、それを食べて近くの図書館まで歩いて昼休みを過ごしたのだった。当時糖質制限という言葉は知らなかったが、結果的に糖質制限で体重を落としたのである。

以来四半世紀、理屈が分かって糖質制限をするのと、やみくもに体重を落とすだけとはかなり違う。何より、長続きさせようという意欲がある。この生活を続けることで、さらに体質改善を図ることができるだろう。

[May 29, 2021]


四半世紀ぶりに89kg台の体重にすることができた。なくなった十数kgの体重は、どこに行ったのでしょう。