131 第34期竜王戦、挑戦者決定トーナメント開始 [Jun 9, 2021]

今年も竜王戦決勝トーナメントの時期がやってきた。ここ数年そうだが、注目を集めるのはやはり藤井聡太二冠である。

今年もランキング2組で優勝、これでデビュー以来5年連続ランキング戦優勝である。おそらく空前絶後、今後破られることのない記録ではないかと思われる。(天彦九段も5年連続昇級だが、連続優勝はしていない。)

それでも、過去何人かが達成している下位組からの決勝トーナメント突破は果たせていない。昨年は緒戦で丸山九段の角換わりに敗れてしまった。持ち時間の長い将棋は得意にしているのだが、妙に相性がよくないのが不思議である。

今年も、最初に当たる1組3位は山崎隆之八段である。独特の手将棋であり、何年か前に一度敗れている。A級初昇級で気をよくしており、緒戦からかなりの難関である。

加えて問題となるのは、保持するタイトル、棋聖と王位の防衛戦とスケジュールが重なることである。棋聖戦は渡辺名人、王位戦は豊島竜王と最強の挑戦者が勝ち上がってきた。竜王戦だけに集中という訳にはいかないのが厳しいところである。

藤井聡・山崎戦の勝者は、久保九段、八代七段、三枚堂六段の勝者と挑戦者決定三番勝負を懸けて争う。2組優勝者は1組の2~4位と同条件で2つ勝てば挑戦者決定戦となるが、やはり山崎戦が関門になるだろう。

もう一つの山はランキング戦5・6組優勝者から始まるパラマス方式。昨年は5組の梶浦六段が連勝して挑戦者決定戦まであと1番に迫ったが、1組1位の羽生九段に敗れた。羽生九段はそのまま挑戦者決定戦を制して挑戦者となった。

その梶浦六段は、今年も4組を制して決勝トーナメントに顔をみせている。藤井二冠のようにデビューしてすぐという訳ではないが、3年連続ランキング戦優勝はたいしたものである。

6組優勝は折田祥吾四段。編入試験を合格して昨年プロ棋士となった。まだフリークラスで順位戦昇格成績を確保していないにもかかわらず、ランキング戦優勝は快挙である。これを機に、早く順位戦に昇格したいところだ。

5組優勝は青嶋未来六段。5年前の6組優勝以来の決勝トーナメント登場である。昨年、プロ入り同期の梶浦六段があれだけ活躍したので、期するものがあるだろう。1回戦を勝てば、同期対決となる。

続く1組5位は、佐藤天彦九段。名人以外のタイトルにほとんど縁がなく、竜王戦でも1組と2組を往復しているが、今年は決勝トーナメントに駒を進めた。以前のような勢いが感じられないのと、あっさり土俵を割るような将棋が多いのが気になる。最近は振り飛車も指す二刀流だ。

1組4位は羽生九段。4位決定戦で木村一基九段を激戦で下して今年も決勝トーナメントに進出した。タイトル99期で足踏み状態だが、今年は王位戦でも挑戦者決定戦まで駒を進めた。四強以外にはまだまだ遅れはとらない。

最後に1組1位で登場するのが、永瀬王座である。1組決勝では、捌きのアーティスト久保九段との対戦。昨年王座戦五番勝負の再戦となったが、隙を見せずに完勝した。

12年で7度の決勝トーナメント進出は、藤井二冠は別格としてきわめて優秀な成績。1組優勝はこれが初めて、1組1位の特権として1つ勝てば挑戦者決定戦となる。

王座の防衛戦前には決着しそうなのと、相性のよくない渡辺名人がいない点でも恵まれており、決定戦で対藤井二冠ということになれば、藤井二冠は四強の残り3者と同時期に番勝負を戦うことになる。

[Jun 9, 2021]


第34期竜王戦決勝トーナメント。注目は5期連続ランキング戦優勝の藤井二冠だが、決勝トーナメントで勝ち運に恵まれないのが気になるところ。