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茨城の山歩き

105 きのこ山~筑波高原キャンプ場 [Mar 1, 2021]

この図表はカシミール3Dにより作成しています。

この冬は筑波山周辺に足しげく通った。筑波山は標高こそ1000mに満たないものの傾斜が急であり、冬の間に筋肉を落とさないために有効だと思うけれど、難があるとすれば動ける範囲が狭いことである。

どのコースで登り下りしても、1/25000図の4分の1にも足りない。日が短い冬には安心ではあるものの、たまにはしっかり歩いておかないと持久力が心配である。特に今年は、糖質制限で体重が落ちているので、影響が未知数である。

ということで、昨年きのこ山まで歩いた関東ふれあいの道を、筑波山中腹まで歩いてみることにした。関東ふれあいの道「筑波連山縦走のみち(2)」は真壁休憩所から酒寄までだが、筑波高原キャンプ場から酒寄まではすでに歩いているので、キャンプ場までであとは下りることもできる。

2021年3月1日、午前5時半に家を出発。少し前は真っ暗だったこの時間だが、すでに東の空が明るくなってきている。天気予報は夜から雨だが、日中はもちそうだ。風もそれほどない。

筑波山の麓まで約2時間、1年ぶりとなる真壁休憩所の場所を覚えておらずうろうろした。昨年は工事中で使えなかったトイレが完成して使えるようになっていた。最初の一台だったので、一番奥に駐車する。

ところが、まだ荷物を出したままでキーをロックしてしまったり、ドリンクホルダーの固定がうまくできなかったり、いざスタートの時点でもたもたしてしまった。前日ワインとウィスキーを飲んでしまったのが響いたのだろうか。

結局、歩き始めたのは8時5分前だった。最初に目指すのはきのこ山、前回下山してきた逆コースである。史跡真壁城址の横を抜け、分岐で左に折れてみかげ憩いの森の外周道路に入る。

気づいたのは、昨年はなかった緑色の小さな看板が出来ていて、曲がり角ごとに関東ふれあいの道の経路を案内してくれたことである。

前回きのこ山を下りてくると、途中でどちらに進むかよく分からなくなり、結局舗装道路の林道を使ったのである。この案内はたいへんありがたかった。林道が工事中で、ところどころルートが変わっていたようだ。

登山道をしばらく進むと、見覚えのある標識が出てきた。ここから先は前回通った道である。急傾斜だった登山道は、このあたりからいったんなだらかになる。登山道に入って1時間弱でつぼろ台の分岐まで登った。

つぼろ台は環境庁推薦の展望地で、関東ふれあいの道パンフレットの写真にも使われている。だが、最初に整備してから時が経ち、パンフレットに載っている眺望は木々の枝越しにしか望むことができない。

パンフレットではこんなに枝が進出していないから、時とともに繁ってしまったのだろう。冬だからまだ少しは見ることができるけれども、夏だと葉が邪魔してほとんど見えないだろう。国定公園内なので、勝手に伐れないのかもしれない。

つぼろ台から引き返して再びきのこ山を目指す。パラグライダーのゲレンデがあることで分かるように、頂上にかけて傾斜が急で切り立っている。案の定、登り階段が延々と続いて息が切れる。下りの時は、快適な高速登山道だと思っていたのに、登る時はやっぱりきつい。

昨年(2020年)に来た時より、標識が多く分かりやすくなっていた(小さな緑の案内標識)。前回はずっと林道を歩いたのだった。

環境庁ご推薦のつぼろ台からの眺望は、冬でなければ木々に阻まれて見えないのではないかと思う。

つぼろ台からきのこ山はもう一段の登りで結構きつい。この長い階段をクリアすると、頂上直下に再度急登がある。

頂上直下の急傾斜を登り、パラグライダーのゲレンデに出ると、芝生の向こうに筑波山が浮かび上がった。左から、女体山、男体山、坊主山の3つのピークが間近に見える。

一年前もこの景色を見ているけれども、筑波山のいろいろなコースを回った後で見ると、また感慨もひとしおである。千葉方面からは筑波山は2つのピークとしか見えないが、北から見るとこうして3つのピークがはっきり見える。

ゲレンデの上の林道を越えて50mほどで東屋がある。9時50分着。真壁休憩所から2時間弱かかった。登り下りの差があるし、つぼろ台にも寄ったのでこんなものだろう。

リュックを下ろして昼食休憩にする。筑波山だとどのコースでも朝早くても必ず誰かいるのだが、さすがにこの時間ここには誰もいない。セブンで買ってきた冷凍ゴールデンパインと、1本満足バー糖類80%カットでお昼にする。

冷凍パインはミックスフルーツの代わりであるが、1本満足バーの方は「糖質80%カットはすごいな」と思って買ったのである。ところがよく読むと糖質でなく糖類である。どこの誰が糖類の摂取を抑えろと言っているんだ。

この後登り下りがあるものの、ここがこの日の最高標高点である。527.9m。昨年歩いた時は三角点を見つけられなかったが、上曽峠側に踏み跡があって藪の中に三角点があった。いまではゲレンデあたりが見通しが利くけれども、昔はここだったのだろうか。

30分ほど休んで出発。上曽峠(うわそとうげ)に向かう。

しばらくは、足尾山からきのこ山の林道を思い出すような稜線を走る林道である。筑波山を望みながら歩いたり、逆側の八郷方面が開けた場所もある。ところが、傾斜はいつまでも下り勾配で、どんどん標高が下がって行く。

標高が下がるとともに、林道の周囲は見通しが利かなくなる。ここまで下りてしまったら縦走じゃなくて登り直しだと思うくらいである。なぜか、広い駐車場もあった。トイレも東屋もないので、おそらく工事用に作ったものだろう。

爽快感に欠ける道だと思ったのだが、その原因の一つがひっきりなしに飛来するヘリコプターの轟音であった。上高地や丹沢じゃあるまいし筑波山頂にヘリ輸送するかと思っていたのである。もしかすると、この日まで消火活動が続いていた足利の山火事救援に向かう自衛隊機だったのかもしれない。

車通りの多い片側一車線と交差したところが上曽峠(うわそとうげ)かと思われたが、特に地名表示はなかった。ただ、X字型の交差点、不愛想な行先表示に隠れるように、関東ふれあいの道の案内が斜めに立っていた。

コースはここを進めばよさそうだが、なんだかハイキングコースという雰囲気じゃないなとふと思った。その予感は当たっていて、ここから先は高速登山道の名前が泣くようなひどい雰囲気だったのである。

きのこ山頂上のパラグライダーゲレンデから、女体山・男体山・坊主山の筑波山3ピークの眺めが間近に迫る。

きのこ山から関東ふれあいの道を進む。足尾山からの道とよく似ているが、ずっと下って見通しが利かなくなるところが爽快さに欠ける。

ずいぶんと下って上曽峠に出る。不愛想な交通看板の影にかくれて、関東ふれあいの道の案内標識を見逃しそうだ。これから先の道の様子を暗示している。

上曽峠(うわそとうげ)から湯袋峠(ゆぶくろとうげ)までは、弁天山から396.6m三角点に続く筑波連山の支尾根を越えるので、標高差100mほどの登り下りがある。舗装道路とはいえ、下った後の登りは厳しい。

登るうちに、あたりがハイキングコースらしからぬ雰囲気になってきた。道沿いを流れる沢にはタイヤや石材など産業廃棄物が投げ込まれ、せっかくの清流がだいなしである。このあたりも国定公園のはずだが、見通しを悪くする木は伐れないのに、産廃を捨てるのはお構いなしなのだろうか。

そして、急カーブが続くのでカーブミラーが付けられているのだが、その鏡面部分がみんな取り外されているのである。最初は壊れているから外したのだろうと思っていたのだが、どれもこれも取り外されて、錆びた支柱部分だけが立っている。

極めつけはいちばん高くなっている尾根のあたりである。遠くから「桜川市」のバリケードがうず高く積まれた塊を囲っていたので、道路補修用の砂利を積んであるとばかり思っていたら、そんなご立派なものではなかった。

近くまで来てみるとそれは砂利ではなく、大量の産業廃棄物を放置してあるのだった。片側一車線くらいの幅の、ちょうど半分が産業廃棄物で占められている。何かを燃やした灰やら、コードの残骸やら、訳の分からないものが道の脇の藪にまでぶち撒かれていた。

鏡部分が引きはがされたカーブミラーと併せて考えると、この道は品性のよくない連中が屯ろする場所であって、のんびり歩く場所ではないのであろう。それと関係あるのかどうか、下り坂では急カーブのところにお地蔵さんがあり、真新しい衣装を着せられお供えもしてあった。

仮にも環境省の予算で「関東ふれあいの道」として整備しているのに、これはどうだろうか。ハイキングコースとするなら車両通行止にすべきだし、道路として必要なら「関東ふれあいの道」から外すべきだろう。

もうひとつ思ったのは、環境保全だ自然保護だといったところで、カネ儲けの前には吹き飛んでしまうということである。資本主義とはそういうものなのか、それとも人間の品性がその程度なのか。

わが家の前にも犬のフンを置きっぱなしにする奴らやタバコの吸い殻を捨てていく奴らがいるから、誰も見ていない山の中に産業廃棄物を放置したって平気なのだろう。嘆かわしいことだけれど、私の生きている間に解決することは難しい。

何だか暗い気持ちになって、湯袋峠の県道交差まで下りてきた。本来の湯袋峠は交差点を左に登って行くが、関東ふれあいの道は右に下って沢沿いの道を行く。

しばらく舗装道路を下って標識が出てきた。舗装道路から入る踏み跡の方向を示している。いきなりの藪だし、沢とも言えないような細い流れに沿った道だが、踏み跡はしっかりしている。

そして、そこを入って2~3分進んでみたのだが、踏み跡は続くものの藪がひどいし、最近人の通った形跡がない。上曽峠からの登り下りでイメージダウンしたものの、関東ふれあいの道でここまでひどいグレードはないだろうと思った。

しばらく進んで引き返す。先ほどのが関東ふれあいの道なら仕方がない、このまま麓まで下りようと思っていたら、100mほど下ったところに「← 筑波高原キャンプ場2.2km」の案内が出てきた。さすがにあれが環境省推奨の道でなくて安心した。

ここからの道はさすが高速登山道で、道も平らだし石畳の部分もあった。沢もそれなりの幅があって、水の音が心地いい。しばらく歩くとベンチが出てきた。きのこ山から2時間以上、東屋もベンチもなかったのに、突然の登場で驚いた。

上曽峠から湯袋峠までの稜線越え、ピーク付近に補修用の砂利が積んであると思ったら、産業廃棄物の不法投棄でした。

カーブミラーも鏡部分だけ抜き取られていて、ハイキングコースにはふさわしくない雰囲気が漂う。

湯袋峠付近からキャンプ場への道を間違えかけたが、どうにか正規ルートを歩くことができた。間違えかけた踏み跡とはグレードが違う。

高速登山道「関東ふれあいの道」の沢筋に入ると、いきなりベンチが現れた。そういえばきのこ山からずっと休んでいなかったので、2つめに出てきたベンチでひと息つく。

このあたり、急にくしゃみが出て止まらなくなり困ったのだが、足元を見ると杉の落ち葉だった。きのこ山ではほとんどが広葉樹で、深く積もって歩きにくいくらいだったが、杉は杉で困る。花粉症の発作が出てしまう。

湯袋峠から筑波高原キャンプ場まで、尾根伝いに来る道と沢沿いに登る道があり、関東ふれあいの道は後者である。もともとのテーマが「筑波連山縦走」なので尾根伝いが趣旨に沿うように思うか、こちらの道の方が整備しやすいのだろう。

沢沿いの道だけあって、ずっと緩斜面だったのに源流部分からは急傾斜になった。階段がありスイッチバックがあり、この日三度目の登りでさすがにきつかった。キャンプ場前に出た時にはほっとした。

湯袋峠の道間違いで時間を喰ってしまったので、キャンプ場での休憩は省略して先を急ぐ。できれば午後2時には下りにかかりたかったが、もうそろそろ2時である。

キャンプ場から林道分岐のある男の川登山口まで約20分、舗装道路のゆるやかなアップダウンを歩く。まもなく女の川登山口があり、次の坂を登ると右方向に展望が開ける。昨年歩いた、雨引山、燕山、加波山、足尾山の縦走路が一望できる。

加波山と足尾山の間には、丸山の風力発電施設も見える。この日はその続きで、きのこ山から上曽峠、湯袋峠と越えて、ここまで歩いてきた。足尾山のこちら側に見える稜線は、上曽峠から湯袋峠までに越えてきた支稜線だろうか。

やがて男の川登山口を過ぎ、羽鳥方面への林道分岐に着いたのは2時5分過ぎ。予定より少しかかったが、ほとんど遅れはない。ここから先の関東ふれあいの道は踏破済なので、ここで高速登山道に別れを告げた。

そして、羽鳥集落への林道を下りて行ったのだが、この林道がみごとに高規格で、麓までずっと片側一車線だった。ユース跡地周辺まで車で上がるのであれば、薬王院経由よりずっと走りやすい。

下山後調べたところによると、この林道は羽鳥道(はとりみち)と呼ばれる江戸時代以来の参詣道で、真壁から筑波山への経路として多く使われたという。最近は車やロープウェイ、ケーブルカーで行く人がほとんどであるが、江戸時代は足を使うしかないのである。

どんどん標高を下げて行く。周囲の木々は、薬王院の上と同様立ち枯れているものが多く、電線に倒れ掛かっているものもあった。この日も、電気工事車が復旧作業をしていた。

途中、「男の川水神」の大きな記念碑があり、神社の前を過ぎると集落の最上部である。土日営業と書いてあるそば店を過ぎ、しばらくすると向こうに県道を走る車が見えてくる。

県道に出るまで、林道分岐からほぼ1時間、そこから県道を40~50分歩いて真壁休憩所に戻る。ショートカットする道があるかもしれなかったが、かえって遠回りになると嫌なので愚直に県道を歩いた。

真壁休憩所に着いたのは午後4時前、もう日帰り温泉は無理なので、車内で着替えて帰路についた。8時間にわたる長丁場で累積標高も1000m近くに達したと思うけれど、意外に回復が早くて、翌日以降足やヒザが痛むことはなかった。

ただ、杉の祟りで、花粉症の発作はしばらく続いた。

この日の経過
真壁休憩所(49) 7:55
9:20 つぼろ台(79) 9:25
9:50 きのこ山(527)[昼食休憩] 10:25
11:05 上曽峠(298) 11:05
12:05 湯袋峠付近(231)[道迷い] 12:20
12:55 ふれあいの道ベンチ(362) 13:05
14:05 羽鳥方面林道下り口(438) 14:05
15:50 真壁休憩所
[GPS測定距離 20.7km]

[Jun 21, 2021]

筑波高原キャンプ場への最後の登りはかなりきつい。この日は登って下って累積標高差があったので、余計にきつかった。

キャンプ場から男の川に向かう高速登山道からは、以前登った加波山から足尾山の稜線を望むことができる。

男の川登山口の先から羽鳥集落に下りる。薬王院経由よりも高規格の道で、ユース跡地周辺への車のアクセスではこちらを使うべきかもしれない。