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将棋

133 第6期叡王戦 藤井二冠、豊島竜王と十二番勝負へ [Jun 29, 2021]

第6期叡王戦挑戦者決定戦(2021/6/26)
藤井聡太二冠 O – ⅹ 斎藤慎太郎八段

開始以来5年でドワンゴが撤退、叡王戦は主催者が不二家に代わりタイトル序列も3番目から6番目に格下げとなった。

本戦も24名参加から16名参加に減り、当然ながらニコ動の中継もなくなった。Abemaの中継は続くけれども、Abemaトーナメントと両方続けるのはいずれ難しくなりそうだ。

本戦は昨年ベスト4以上のシード棋士と、段位別予選を突破して12名により戦われた。ベスト4に残った中で、2年連続は佐々木大地五段のみ。あとの3人は段位別予選からの勝ち上がりとなった、

準決勝第1局は、佐々木五段と八段予選を勝ち上がった斎藤慎太郎八段。慎太郎八段は今年名人戦の挑戦者となっており、本戦2回戦では渡辺名人に雪辱を果たした。佐々木五段にも完勝して挑戦者決定戦に進んだ。

準決勝第2局は、やはり八段予選を通過した藤井二冠と、九段予選を勝ち上がった丸山九段の対戦。この一戦、昨年の竜王戦決勝トーナメントで、千日手指し直しで丸山九段が制したいわくつきの一局の再戦であった。

振り駒の結果、藤井二冠の先手。後手番となった丸山九段は、予想通り一手損角換わりに誘導するが、藤井二冠は前回の轍は踏まない。

勝負どころで飛車先の歩を切って2二歩と桂取りに歩を打つ。ここからどうやっても丸山九段に挽回の余地はなかったようで、87手の短手数で藤井二冠が完勝、昨年の雪辱を果たした。

挑戦者決定戦は、昨年までの三番勝負から一発勝負となった。対局日は中3日の6月26日土曜日。準決勝からほとんど間がないのは、藤井二冠のスケジュールが棋聖戦、王位戦。順位戦の過密日程でここしか空かないからであった。

振り駒の結果、斎藤八段の先手番となり、角換わりに誘導する。序盤、下段に引いた飛車を6筋、玉の後ろに動かし、首尾よく6筋の歩を交換する。2筋に飛車を戻しての継ぎ歩攻めが斎藤八段の工夫であった。

下の局面の2四銀打ちが意表を突く手で、3五歩、同歩、3四歩に持ち込む展開になればよかったのだが、さすがに藤井二冠それは許さない。AIの評価値では途中65%:35%で斎藤八段有利の局面もあったのだが、特に疑問手もないのに数手先には五分に戻った。それだけ難解な将棋だったのだろう。

結局、斎藤八段は1筋の歩を伸ばしたのだが藤井玉に3一に逃げられ、2四に打った銀が活躍する場面のないまま、藤井二冠が薄い斎藤陣を攻略して挑戦者決定戦を制した。

これで、叡王タイトルを持つ豊島竜王とは、王位戦と並行して十二番勝負となった。藤井二冠が負け越している数少ない棋士のひとりが豊島竜王であり、これから9月までの短期間に少なくとも7局戦わなくてはならない。6年連続勝率8割に向けて、試練の時といえるだろう。

豊島竜王には、タイトル挑戦に強く防衛戦に弱い傾向があるのと、持ち時間の長い将棋で長考すると疑問手を指すというジンクスがある。叡王戦は持ち時間が短縮されてタイトル戦でもチェスクロック4時間なので、その点では懸念材料が少なくなるかもしれない。

[Jun 29, 2021]

第6期叡王戦挑戦者決定戦、斎藤八段は6九飛から趣向をみせ、2筋の歩を切って2四銀と勝負をかけたが、藤井二冠が危なげなく受けきった。