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なんとなく思うこと

144 広告頼みはいずれ廃れる [Jun 20, 2022]

老舗のボクシング雑誌・ボクシングマガジンの休刊が決まった。他の多くの雑誌と同様、休刊という名目の廃刊だろう。もう五十年近く前のことになるが、輪島や石松、柴田国明の記事を読むために毎月買っていたことを思い出すと感無量である。

ボクシング関連のWEBでも大きくとりあげられているが、出版不況とかボクシングの不人気という側面からみているようだ。もちろん、それらの要因も大きいのだけれど、私は広告料頼みのビジネスモデルが危ういという意味でとらえている。

私が最初に就職したのは銀行だった。いまや、銀行の多くは窓口にパートタイマーを入れないとやっていけない低収益企業になってしまったが、当時はすべて正社員、それも高卒女子を大量に採用していた。

いまのように吸収合併で少なくなる前で、都銀14行、興長銀3行、地銀・相互銀行、信用金庫までそれをやっていた。それだけ、儲けが大きかったのである。金利が高くて利ザヤが稼げたということもあるが、企業の多くは銀行がないと資金調達できなかった。

当時すでに、大企業は銀行からの間接金融を減らし、証券市場からの直接金融(株式・社債)にシフトしつつあった。だから、銀行はそれができない個人や中小企業に取引の中心をシフトさせていたが、バブル崩壊と低金利によりそれも難しくなった。

同じことが広告業界にも言える。広告代理店は長らく企業の広告戦略になくてはならない存在だった。TVにせよ新聞・雑誌にせよ媒体は限られるし、企業は代理店を通さなければマス広告を打つのが難しかったからである。

ところがインターネットの普及により、各企業はそれぞれの工夫によって、広告を打つことが可能になった。すでに数年前から、新聞・雑誌・TVからインターネットへと広告の比重は移りつつある。

話を戻すと、ボクシングマガジンは読者からの購読料で成り立っていたのではなく、広告を出稿するジムやメーカー、スポーツ用品店からの広告料で成り立っていた。ボクシングマガジンだけでなく、ほとんどすべての新聞・雑誌もそうである。

ところが、ジムに通おうと考える若者や用具を買いたい潜在顧客は、今やボクシングマガジンなど見ずWEBで情報収集する。同誌は多くの図書館に置かれているので数千部の安定購入層はあったはずなのに、広告主が出稿をやめると経営が成り立たないのが実情なのである。

いまはまだ大手新聞や地上波放送局で合理化という話は聞かないけれども、BSの多くが通販チャンネルになっている現状をみると、それほど先のことではないような気がする。

実際、ご近所でも新聞購読をやめたお宅はたいへん多いし、民放テレビを見ている人などあまりいない。本来、広告頼みで経営を成り立たせるなど不自然なことである。どうしても、広告主に配慮した内容にならざるを得ないからだ。

そうやってボロ儲けした電通など広告代理店の商売も、GoogleとかAmazonに持っていかれるのだろう。あまり同情する気にならないが。

[Jun 20, 2022]

老舗のボクシング雑誌ボクシングマガジンの休刊(廃刊?)が決まった。私も輪島・石松の頃は毎月買って読んでましたが、これも時代の流れでしょうか。広告料を収入源とするビジネスモデルは危ういという意味で読み取らなくてはならないと思う。