ネットマージャン天鳳について、しばらく前に書いた記事が出てきた。
運営側が何らかの操作をしていることは間違いないと私は思っているが、神の領域ともいえる「偶然」を人間が儲けのために操作していいのだろうか。
ジーザス・クライストは、「神でないのに神を名乗るもの、それを拝む者には神罰が下るであろう」と予言した(表現は少し違うかもしれない)。「確率変動」なんてことをやった連中には罰が加わりつつあるようだが、彼らにも遠からず報いが来ることになるだろうと思っている。以下、2020年11月4日の記事。
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先週書いたように、ネットマージャン「天鳳」をかなり集中してプレイしていたのだが、首をひねるような事象が頻繁に起こるので少し距離を置こうと思い課金をやめている。せっかくの機会なので、確率のことについて少し書いてみたい。
たびたび書くように、ポーカーをしていた頃「負けるのはこの1枚が出た時だけ」というケースで、その1枚がまさに出てしまうケースがたまにあった。カード52枚中の1枚だから約2%、実際の確率はすでに見えているカードがある(自分の手札とフロップ、ターン)のでもう少し大きくなる。
しかし、そういうケースは印象的で長く記憶に残る。18%(AA vs KK)だって逆転するのは大変である。ほとんどのケースでは、理論確率とそれほど違わない結果となるものだし、感覚的にもそうである。
バカラに例えれば、プレイヤーの5回ツラくらいの計算だから、それほど頻繁には起こらないけれども、一晩やっていればそれほど珍しいことではない。実際、そのくらいのツラに乗ったり裏切られたりしているのである。
一方、マージャンの場合はどうか。牌の種類は27+7で34種類。話を簡単にするため分母を34とすると、一発ツモの確率は単騎・カンチャン・ペンチャンは1/34だから約3%、シャンポン待ちは上がれる牌が4枚しかないからやはり約3%。両面待ちで約6%、3面待ちで最大約9%となる。(実際は場に出ている牌や手持ちの牌があるので、もう少し小さくなる)
つまり、単騎やシャンポン待ちを一発でツモられる確率はポーカーで残り1枚が出たり、バカラで5連続ツラになるのとたいして変わらないということである。あって不思議ではないが、一晩に何度も出るものではない。
加えて、そういうケースではほぼ確実に裏ドラが乗る。上がり形に使用する牌は最大13種類、34分の13だからおよそ1/3。対子や刻子があれば使用する種類はそれより少ないから、実際には裏ドラ確率はもっと低くなる。
だから、一発ツモでしかも裏ドラが乗る確率は、単騎待ち等で最大約1%、両面待ちで約2%、3面待ちで約3%である。自分の手についてはほぼこの確率と思うけれども、目の前で他家が上がるケースは、間違いなくこれより高い確率で起こっている。
さらに、事象が全く独立なら(偶然起こったのであれば)、2回続けて起こる確率はそれぞれの二乗となる。単騎待ちだったら1万分の1、三面待ちでも千分の1。七対子で裏ドラなんていったら、もっと低い確率である。
さて、私はリーチ9回連続裏ドラなしという目に遭ったが、確率をはじくと約2%となる。もし、他家がリーチ一発ツモ裏ドラが連続し、その間私が裏ドラ乗らずを9回続けているとすれば、10万回から50万回に1回がいま目の前で起こっていることになる。
この計算は、それぞれの事象が独立である(偶然起こった)と仮定した場合である。50万回に1回までくれば、もうあと一歩でミニジャンボ1等2000万円(200万分の1)である。こういうケースは、私は独立ではないと推定する。
ネット情報では、天鳳にはパチンコの確変にあたる機能が組み込まれていて、ツキモードでは当り牌を一発ツモに持ってくるし、裏ドラが乗るように表示牌を変える(というか決める)という。
真偽はさだかではないが、もしそうであれば、私に裏ドラが来ないのも誰かに一発ツモ裏ドラが頻発するのも、同じコインの裏表である。50万分の1どころか起こるべくして起こっているのである。
でも、そういうことをしたい人は麻雀ではなくパチンコをやっていただきたい。おそらく、のめり込ませて高額の課金をさせるためには、それが効果的だということだろう。ゲームを作る側からすれば、当然の思考経路である。
WEBをみると、おそらく運営側であろうコメント者が「確率にはゆらぎがつきものです」「リアル麻雀だってそういうことはあるでしょう?」などと書いている。
そういうコメントを見ると思い出すのが、麻雀放浪記で鹿賀丈史が、2回連続で「2の2の天和」を食らい、「どこの誰がこんなしょぼい手に引っかかってカネ払うんだよ」と逆上する場面である。
偶然の左右するゲームだから、2回連続天和だったからといって、必ずしもインチキとは限らないかもしれない。しかし、偶然であれば確率の示す数字からそれほど大きく外れることはない。常識の問題である。
想像するに、ただ普通に牌を積んでプレイさせるだけでは、他のオンライン麻雀と差別化できない。だから、プレイヤーが興奮するような機能を装備する。役満も出やすくするし一発・ドラも出やすくする。ツカない時は徹底的にツカなくする。よくも悪くも話題になれば客は集まる。そういうことなのではないだろうか。
賭場にはイカサマはつきものだし、わざと新入りに勝たせて深入りさせる策略も江戸時代からある。しかし、そういう操作に手を染めた時点で、すでにカタギではないことには留意すべきであろう。