山歩きを再開してしばらく後、GPSを持って歩く方が安全だし、後から記録もとりやすいと思った。
とはいえ、国内仕様のものは5万円近くするので(今でも同じくらいする)、並行輸入品で1万円の普及品を入手した。地図が付属しておらず現在地は座標(経度・緯度)でしか分からないが、後から歩いたルートを検証できるので迷った時などに重宝する。
以下は11年前、2012年12月の記事。GPSを持ってはじめて登った奥集落の記事である。
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さて、ようやく登山道に入ったものの、ここまで2時間近くの車道上りで少々疲れ気味である。それほど急勾配でもないはずなのに、息切れして足があまり上がらない。10分くらいで着くはずの神社まで行くのに、かなり難儀してしまう。
神社に入っても、鳥居から社殿までの登りが苦しい。苦しい時は歩幅を小さくしてゆっくり歩くのが鉄則と言われるが、そうしても苦しいのは変わらない。社殿を過ぎて倒木のベンチで一息ついてゼリー飲料をとる。そういえばここまできちんと休んでいなかった。
登山道であれば、少なくとも1時間ごとに小休止するように心がけているのだけれど、舗装道路では休むところがないし、歩きも楽なのでそのまま歩いてしまう。とはいえ標高差が400mくらいあったのだから、体の方はそれだけ疲れているのである。
小休止の後、再び登りにかかるが、息がきれるのは相変わらずである。なかなか足が前に進まない。足下は落ち葉がガレ場の上に積もっていて、強く踏み込むと時々浮いた石を踏んでしまう。木の根が地面から出ているところも多く、安定しない。考えていたよりも、かなり難しい道である。
加えて、登山口まで予想以上に時間がかかったため、もう正午過ぎである。日が暮れるのが早い上に帰りの歩きも当初計画より多く見こまなければならず、このペースでは鷹ノ巣山はおろか、浅間尾根から石尾根に出たところにある避難小屋まで着くのも難しそうだ。
あおむけになって寝転ぶと、落葉したカラマツがなんともいえない風情である(下の写真)。登山道のすぐ脇の場所なのだが、単独の人がひとり通っただけで他には誰もいない。聞こえるのは鳥の声だけである。午後1時になり、ちょっと寒くなったので出発。
体力も回復したのであと少し登ってみようと思い15分ほど登ったのだけれど、同じような急坂が続くばかりなので断念する。前に天祖山に行ったとき最終到達地点がはっきりしなかったので、今回は秘密兵器GPSを使って緯度経度を登録する。帰って調べると標高1299mが最高到達点であった。
鷹ノ巣山は1736m、避難小屋は1570mくらいなので、あと1時間くらいで避難小屋、プラス30分で山頂まで行けたのではないかと思う。登っている途中でもあと1時間くらいだとは思っていたのだけれど、秋は日が暮れるのが早い。1時を過ぎたら撤収という判断は中高年の単独行としては妥当だっただろう。
今回の反省点としては、急に決めたこともあって下調べが十分ではなかったことで、後から調べたら奥集落までのショートカットでかなり時間を短縮できたようである。ただそれでも、30分で峰谷バス停から登山口まで到達するのは、私には難しいようである。
いずれにせよこの山は車を使わない限り日帰りは困難ということがよく分かった。反面、約800mの標高差を登り下りしたにもかかわらず、足の筋肉がそれほど痛くはならなかったのは収穫であった。
この日の経過
峰谷橋バス停 9:20
10:00 峰谷 10:00
11:00 奥集落 11:00
11:10 登山口 11:15
12:20 1200m付近(昼食) 13:00
13:20 最高到達点(1299m) 13:20
14:00 登山口 14:00
15:05 峰谷 15:10
15:45 峰谷橋バス停
ご興味がおありの方は、こちらに当時の記事があります。
結構な急勾配が続く。このあたりはカラマツなので下が見えますが、広葉樹林になると落ち葉で足下が見えなくなります。
平らな所をみつけてお昼。横になるとカラマツ林、静かで鳥の声しか聞こえません。
新兵器GARMIN社GPS。普及機の並行輸入品ですが、けっこう使えます。